プレトレ

旅を通じて自転車選び再考―プレシジョントレッキングを例に―

プレトレを通じて旅自転車再考アイキャッチ画像

プレシジョントレッキング(プレトレ)という自転車に乗っています。買い物用途がメインですが装備を変えて長旅に出ることもあります(過去から現在の改良まとめはプレトレの歴代改良早見表へ)

この自転車を使用して北海道海岸線一周の旅を終えたのですが、自分の自転車について色々と思うところがあったので記事にまとめてみようと思いました。

世の中に完璧な製品などないですし、上を見てもきりがありません。ですので具体的な自転車名を出しておすすめするというより、私の乗っているプレトレをベースにして理想の部品構成を考えてみたいと思います。

旅自転車について考える―プレトレを実例に―

プレシジョントレッキングの基本

プレシジョントレッキング(プレトレ)はサイクルベースあさひから発売されていた街乗り自転車です。街乗り、ルッククロス、ママチャリ…人によって捉え方の異なる自転車ではありますが、今はそこを論じることはしません。

プレトレの魅力についてまとめたことがあるので、興味がある方は以下の記事をどうぞ。

プレトレの説明3枚目
【図説】プレトレの魅力って何だろな?【ママチャリ?スポーツ車?】サイクルベースあさひから販売されているプレシジショントレッキングは通称プレトレと呼ばれます。ママチャリともスポーツ車ともいわれる絶妙なほど中途半端な自転車ですが、一部のユーザーから熱烈に愛されています。それは何故なのか図を踏まえて考察しました。...

少なくとも旅用自転車ではないわけで(笑)そういう使い方をする場合いくつか問題があります。

まず、シートステーにダボ穴がないため、リアキャリアを取り付けることが出来ません。そのためダボ付シートクランプ φ31.8mmなどを取り付けて改善する必要があります。

次にフロントのギアがシングルギア(42T)のため重すぎます。ギアの項目で書きますが、旅用荷物を載せたプレトレはギア比1.00で苦戦を強いられる場面がありました。そのためギアの変更、ないしフロント多段化することで快適性を獲得することが出来ます。

これら基本的な点を改善することで「最低限の旅用自転車」としての機能を獲得することができます。

フレームはアルミなので破損したとき修理がきき難いのが難点です。世界一周旅をされる方は溶接修理が可能なクロモリ素材を選ぶと聞きます。確かに理にかなっていて、その通りだなあと思うのですが、国内旅用途に限るならばまあ何とかなるかなって考えです(^^;)

私は基本的に輪行をしません。自分が漕いで進めないところに向かうつもりはないので(船移動などどうしようもないケースを除く)車体の重さ、クイックリリースの有無は絶対条件として求めません。

私のような人間だったらプレトレでも何とかなります。それではこんな自転車と旅をしてみて感じたことをまとめてみます。

スペックをおさらい

まず北海道海岸線一周を行ったときのプレトレ部品構成の一覧です。

ホイール前:シマノ製ハブダイナモ付きホイールOLD100mm(購入時オプション)
ホイール後:OLD135mmでハブは不明 (※前後ともナット式)
タイヤ:Panaracer RiBMo PT [W/O 700×28] F728PS-RB-B
チューブ:SCHWALBE 700×28/45C 仏式 40㎜バルブ
リムテープ:Poly-Lite [W/O 700C×27 15mm] PL70015
フォーク:初期装備 スチール製
ブレーキ(前):SHIMANO BR-R353 フロント
ブレーキ(後):SHIMANO BR-R353 リア
ブレーキシュー:SHIMANO M70T4
ブレーキレバー(左右):SHIMANO STIレバー Claris ST-2403
アジャスター(ブレーキ):SHIMANO SM-CB70
アジャスター(シフター):SHIMANO SM-CA50

クランク:SHIMANO FC-M311
Fディレイラー:SHIMANO CLARIS FD-2403 バンドタイプ 34.9mm
BBパーツ:SHIMANO BN-UN55
ペダル:VP ONE アルミペダル VP-349A グリーン
トゥークリップ:ZefaL CHRISTOPHE 45 ハーフトゥクリップ S M ブラック
ハンドル:SATORI X-RACE AEROドロップバー420mm
ステム:kalloy 可変アルミステム 110mm ブラック φ31.8 AS-820
変換コラム:トランズエックス JD-ポスト アヘッド変換コラム
Rシフター:SHIMANO STIレバー Claris ST-2403 8S
Fシフター:SHIMANO STIレバー Claris ST-2403 3S
リアスプロケット:SHIMANO MF-TZ21 外装7段(14-16-18-20-22-24-28T)
Rディレイラー:SHIMANO RD-TX35 SHIMANO Claris RD-2400-GS

カゴ:My Pallas GR-BK01W
チェーン:KMC 7&8スピード用チェーン Z7 ブラック/グリーン
アウターケーブル(ブレーキ):JAG WIRE 2mブレーキ用 ライムグリーン
アウターケーブル(シフター):JAG WIRE 2mシフター用 パープル
バーテープ:EMPT ロード用 バーテープ グリーン ES-JHT020
ライト:LEDオートライト(購入時オプション)
テールライト:CAT EYE TL-LD570-R
シートポスト:WW Cycle Parts Φ27.2mm×350mmアルミニウムシートポスト
サドル:IBERA IB-BC12
泥よけ(前):初期装備
泥よけ(後):FLINGER SW-PS1R
スタンド:MASSLOAD CL-KA56
キャリア:MINOURA MT-800N

[—オプション—]
カギ:XJX 太いケーブルダイヤルロック 全長1800mm
サイコン:CAT EYE CC-VT235W ベロワイヤレス プラス
ボトルケージ:Blackburn SLICK BLACK 3BB-SLK-BK
サーモボトル:TIOGA サーモボトル 650cc シルバー
スマホホルダー:Omgar 自転車ホルダー
STIハンドル干渉回避:HIRAME(ヒラメ) 変速バナナ + ASHIMA リアクション フレキシブル リードパイプ
バーエンドキャップ:ノーブランドの格安バーエンドLED
パニアバッグ:オルトリーブ バックローラー シティ

プレシジョントレッキング(プレトレ)の歴代改良早見表より

これら部品構成を基本として考えたことを以下にまとめていきます。

ハンドル周り

――ハンドルはドロップかフラットか

STI付きのドロップハンドルか、フラットバーハンドル(ママチャリなどに付くアップハンドル等も含む)など色々あるわけですが、個人的にはドロップハンドルで正解だったかなと思っています。

私は腰痛持ちでして、自転車を乗るときに同じ格好で乗ることが辛いときがあるんですよ。そういう意味では複数のポジションを取れるというのは良かったです。

それとドロップハンドルを選択する場合、WレバーとSTIレバーを比べるとSTIレバーがいいなと感じました。シフトとブレーキ操作の場面で手の移動がないからです。

旅装備の自転車って物凄く重たいです。未経験者の方は初めて乗るときに驚くと思います。少しバランスを崩しただけでガタンと倒れることがあるので、手の移動などはなるべくない方が安全かと思います。慣れている方は好きな方で大丈夫かな。

ギアとチェーン

――ギア比のこと

各々の脚力等あるので一概にはいえませんが、重いギアより軽いギアを重視した方が良いと思いました。北海道海岸線一周において峠道、そして微妙な緩急のある丘の連続で消耗した経験からです。

逆に重いギアの使い道は信号の無い道路での加速や下り坂でしょうか。体が持たないので漕がなくていいところは力を抜いて休んで下さい…。

もう1つ思ったのはフロントトリプルは不要かもという点。正確には沢山のギア比があって便利ですが、故障のリスクを考えるとダブル、究極はシングルギアがベストかもしれません。

最後のまとめでも述べますが、部品が1つ増えるということはそれだけ故障のリスクを抱えるということです。旅自転車はすぐに修理が出来るとは限らないのでシンプルであることは大切な要素だと感じました。

――北海道一周時の経験と反省

当時の構成はフロントがFC-M311(28-38-48)、リアがMF-TZ21(14-16-18-20-22-24-28T)の3×7でした。リアは初期装備のままという。

最も軽いギア比で1.00(28/28)だったのですが、初見の峠道がきついのなんの(^^;)

昔の話ですが、プレトレを買った当初初めてヤビツ峠を上ったときに同ギア比で苦しみました。2度目は道を覚えて余裕があったのでリアを何段か残して上ることができました。

こんな感じで初見の道って余裕がなくて無駄にギアを軽くしちゃったりするんですよね。旅なんて永遠知らない道(峠、丘、坂)の連続です。どんどんギアの枚数が無くなって結局押して歩く羽目になります(汗)旅あるあるではないでしょうか。

旅自転車は荷物の重さも加味しないといけないのでロードバイクとは違います。私の場合プレトレの重さも加わるわけで(17.0kg)それらを総合的に判断しないといけません。

フロントの最小ギア数にもよりますが、リアのギアに30以上を装備させてギア比1.00以下を作るべきだったなと反省しています。

――チェーンのこと

私は7速の自転車で旅をしました。当時8速化する知恵がなかったからなのですが、それを踏まえても旅の中で感じたことがあります。

それは改良を加えたとしても8速化までがいいなということです。というのも、外装チェーンは6~8速までは共用です。そのため何かチェーンにトラブルがあっても、街の自転車屋さんで入手しやすいということに気がついたからです。

スポーツ自転車の専門的な部品は田舎町の自転車屋さんに在庫があるとは限りません。部品の入手性も考慮した方が余計なトラブルは減ると思います。

タイヤとホイール

ホイールはフロントはハブダイナモ付きのもの、リアは標準装備のボスフリーのホイールを使用しました。タイヤはPanaracer RiBMo PT [W/O 700×28]です。仏式チューブで運用しています。

――ホイールのこと

今思えばリアはカセットスプロケット式にして8速化してしまえばよかったと思います。上記で書いたギア比の件もありますし、カセットスプロケットの方がベアリングの位置が広がり安定性が増すという点のも気になりました。

スポーク数は36本で挑みましたが、これは頑丈で良かったと思います。現在はホイールを交換して32本になったので様子をみています。ハブはシマノ製が安心ですかね。

フロントのハブダイナモは絶大な効果でした。北海道はトンネルが多く、特に峠の上り道のトンネルにおいて勝手に付いたり消えたりしてくれていたのは助けられましたね。

――タイヤのこと

パナレーサーのリブモPTを使用しました。3000kmを走った頃にはタイヤが削れてしまって頻繁に滑っていたと記憶しています。よく見かけるのはシュワルベのマラソンですね。自分も現在お試し中です。

タイヤは自分の旅が何km走るのかを考えてそれに応じて選べばいいと思います。迷ったらマラソンでいいんじゃないかな。笑

タイヤのサイズは私は基本28Cです。ちょっとした荒れ道や段差でもパンクすることは一度もありませんでした。荷物を運ぶことと長い距離を走ること、どちらに対してもバランスの取れた良いサイズ感だったと思っています。

最後に物凄く太いガラスの破片が縦に突き刺さりましたが、こればかりは…ね。

リアキャリアとパニアバッグ

――リアキャリアのこと

世の中には色んな人がいるので絶対ではないけれど、リアキャリアはあった方が便利。パニアバッグを装備できるし、その上に防水バッグを積むことも出来る。

しかし、冒頭でも触れましたがプレトレにはシートステーにダボ穴がありません。そのためダボ付シートクランプ φ31.8mmでダボ穴を増設し、リアキャリアを取り付けました。

私が選んだのはミノウラ MT-800Nです。公式情報で耐荷重18kgとのことなので、これ以上積むことを想定される方は別製品を探す必要があります。

――パニアバッグのこと

完全防水一択です。安めの防水非対応でレインカバーをかければいいかと考える人もいますが、初めての方は100%慌てて嫌な思いをします。日本は雨が多く、通り雨はもちろん、峠の上りと下りで天候が違うこともあるわけです。

お金で解決できるストレス軽減対策はフルに活用するべきです。私はオルトリーブ バックローラー シティを使用しましたが、雨に関するトラブルは一度もありませんでした。

その他、細かい部品一考

――ボトムブラケットのこと

私の自転車に搭載しているボトムブラケット(以下BB)はシマノ BB-UN55 68-122.5mmです。左ワンが樹脂製のBB-UN26というタイプもあるのですが、長旅を想定すると耐久性能がちょっと不安かな。少し高いのですが左ワンも金属で出来ているBB-UN55を選んで正解だったかなと思っています。

――ボトルケージとダボ穴のこと

プレトレにはボトルケージを取り付けるダボ穴が1つしかありません。当時は1つでやり切りましたが、旅の途中にエリート VIPでダボ穴を増やせることを教えてもらい現在は2つ体制となりました。

この部品が非常に便利で、旅前に知っていたら…と悔やまれます。飲み物を入れる容器も旅の途中でペットボトルからサーモボトルに変更しました。夏場の水がすぐにぬるくなる問題がだいぶ改善されました。

――テールライトのこと

ーという製品を使用してリアキャリアの後部に取り付けています。オートライト機能があるので動作や暗闇に反応して勝手に光ってくれます。

重い荷物を載せた自転車でいちいちスイッチを触るのは煩わしいので、自動化できるところは全てしてしまった方が余計なトラブルがなくていいですね。

――トップチューブ用バッグのこと

スマホのバッテリー入れとしてドイター エナジーバッグを購入したのですが、北海道上陸初日にスマホが破損したので以降は贅沢なお菓子入れとなりました(笑)でもちょっとした停止時にすぐに飴玉が取り出せたりして便利なことに変わりはなかったです。

――ハンドル周りの整理方法

前カゴとハンドル周辺のアクセサリーは干渉することが多々あります。旅終了後にSTL エクステンションマウント(20cmに付属した2つのアームと10cmのバー)の部品を組み合わせて高さを持たせることで、干渉問題をある程度改善しました。

ただ、自転車をひっくり返したときにこの拡張バーと地面と接触するので、そういう場面(パンク時やメンテナンス)の際は少し気を遣います。

自転車の調整

――部品を減らす工夫を

ギア比のところでも書きましたが、部品が1つ増えるということは故障のリスクを1つ抱えるということです。

トリプルギアの必要性は個人的に疑問に感じました。便利な代物であることに間違いはありませんが、フロントギアはトラブルが起きたときの調整が面倒なんですよね。インナーは多用するとしてもトップを使った記憶は数回しかない(^^;)

北海道一周時は最終的にインナー使用のみのなんちゃってシングルギア状態で運用したので、いいとこダブル、理想はシングルかなあなんて考えました。

それとこれは多分私だけですが、STIレバーの構成。旧式STIのためシフトケーブルが横に触角のように伸びています。これを変速バナナとフレキシブルリードパイプで曲げてカゴに干渉しないように対処しています。

現在のSTIレバーは改良されて、ブレーキケーブルと同様にシフトケーブルを内臓出来るようになっています。細かい部分ではありますが、こういうところも部品を減らせると良いなと思いました。

――ネジ類の点検を

新車を購入して自転車旅に臨んでトラブル発生。いざネジを触って調整してみようとすると…ネジが固くて動かない、パニック!!

↑これ結構見かける光景です。自分で部品を換装される方は無縁の話ですが、自転車旅をする方が全員自転車に興味があるわけではないんですよね。出発前の点検(ネジの締め具合、グリス塗りなど)は必要です。

分からないときは自転車屋さんで相談して、お金を払ってでも覚える価値がありますよ。知らない間にディレイラーの調整ねじでも触ったらそれはそれで始末に負えないので…(^^;)

まとめ:総合評価

私の自転車(プレトレ)を例に旅自転車について考えてみました。

私が行き着く究極のところは「シンプルな構成であること、入手のしやすい部品で構成すること」ということです。

世の中には色んな自転車が存在して、中には旅用途が主目的のものもあります。

どの分野でも経験者は○○や△△がいい!部品□□おすすめ!!など色々言いたくなってしまうのですが、それを言われても結局やるのは自分ですからね(^^;)

好きな自転車があってそれでやりたいと思うのならば、それが答えでしょう。その上でどうするかです。

ただ、「とにかく安い自転車を求めて○○を選んだ」という理由ならば、それは旅の中で想定外のトラブルを起こすと思います。一度自転車屋さんできちんと相談されることをおすすめします。

安い自転車は安いなりの理由があります。ギアが少ないだけとかならいいですが、よく分からないメーカーのハブで耐久力が低いなどは怪我に直結するので注意が必要です。

そうはいっても、私のプレトレも元値は24,800円ですから偉そうなことはいえないです(笑)でも紫色のボディが好きで、部品交換しているうちに愛着がわいて、気がつけば北海道一周を果たしています。

重たいし、ホイールナット式だし文句を出したらキリがないですが、それでも根底にあるのはプレトレが好きだから工夫してどうにかって気持ちなんですよね。もし他の自転車だったら(たとえ高くて旅向けの自転車を貰ったとしても)北海道一周は多分やらなかったと思います。

工夫して何とかしたいという気持ちの方が読んで下さっているのならば、ぜひ挑戦して欲しいなって思います。このブログはこだわりのある自転車、物を大切にしている人を応援しています。

言われるがままより、その方が楽しいですよ。たとえ効率的でなくお金がかかったとしても。

長々と書きましたが、自転車旅は変に安物でない限り好きな自転車で情熱的に楽しんで下さいといったところで落ち着きます。笑

プレシジョントレッキングの改良とその変遷――