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自転車後輪を8速化させて快適に【プレトレ×旅仕様】

リア8速化アイキャッチ画像

プレジショントレッキング(プレトレ)という自転車を旅仕様に改良して乗っています(過去の改良はプレトレの歴代改良早見表へ)

北海道一周をフロント3速×リア7速仕様で挑んだのですが、重たい荷物にきつい勾配の峠道に苦戦、あげくの果てに”熊出没注意”なんて立て看板が見えたときには…(涙)看板を横目に私は強く思いました。

「押して歩きたいけど怖すぎる…せめてもう少し楽に漕げる軽いギアがあれば…」

と…(^^;)

正直、旅荷物の有り無しの差を甘く見ていました。荷物が無し状態では過去にヤビツ峠なども越えていたので「まあ何とかなるだろう」なんて考えていましたが、ちょっと別競技ですね。汗

そんな経緯もありまして、旅自転車をさらに快適にするべく「スプロケットの交換か8速化をするか」に迷いつつリア8速化を目指していくお話になります。

リア7速から8速化を目指す

8速化しなくてもギアを軽くする方法はある

そもそもな話ではありますが8速化しなくてもスプロケットを交換すればギア比を軽くすることは可能です。それはスプロケットの交換です。

例えば私の7速スプロケットはMF-TZ21(14-16-18-20-22-24-28T)です。

14Tという小さい数字が重たいギア、28Tという大きい数字が軽いギアにあたります。なので28Tという数字より大きい7速スプロケットを用意できれば軽くすることができます。

ただ、スプロケットにはボスフリー、カセットフリーと呼ばれる2種類のタイプがあるのでそれに対応したギアを選ぶ必要があります。7速製品だからといって何でも取り付けられる訳ではありません。

この2種類の違いは主にペダルを空転させるフリーと呼ばれる部分がギア、ハブのどちらに備わるかで分けることが出来ます。フリー機構がギアにあるタイプがボスフリー、ハブにあるタイプがカセットフリーと呼ばれます。

近年はママチャリ(シティサイクル)や6,7速の価格が安めのスポーツ自転車にボスフリーが、8速以上のスポーツ自転車にカセットフリーが装備されていることが多いようです。

スポーティな自転車ほどカセットフリーが採用されている傾向があって、今となってはボスフリーは古い規格であまり見かけることはありません。

カセットフリーのメリットとして8速以上のほとんどの製品を網羅していてギアの歯数の選択の幅が広いこと、ベアリング間の距離が広がり安定性が増すことなどがあげられます。

これらメリットのうち、旅自転車にとって後者が特に大切かもしれません。ボスフリーはギアの内部にベアリングが収まるのに対して、カセットフリーはギアの外側にベアリングが収まります。そのため左右のベアリング間が広くなるということです(*1)

重たい荷物を載せるので安定性が高くなるカセットフリー機構を選ぶとその恩恵は大きそうです。

プレシジョントレッキング(プレトレ)はボスフリー

カセットフリーのメリットについてあれこれ書きましたが、私のプレトレはボスフリーです。汗

8速化を目指す場合、カセットフリーに変更することが望ましいですがそのためにはまずホイールを交換しないといけません。

市販されるスポーツ自転車のホイールの大半がカセットフリーなので、選択肢が非常に多く目移りしてしまいます。

…が!

適当に選ぶと失敗します…(^^;)

オーバーロックナット寸法(O.L.D.)の問題について

ホイールにはオーバーロックナット寸法というものがあります。簡単に分けるとロードバイクが130mm、マウンテンバイク、ママチャリ類が135mmと言われています。

(※近年のディスクブレーキの普及でロードバイクに135mmが搭載されることもあります)

世の中に出回っているホイールは130mmの製品なんです。プレトレは残念なことに135mmです(汗)135mmのホイールは非常に種類が少なく、価格が高くなります。需要がないのでしょうね(^^;)

130mmのホイールを135mm自転車に対応させる方法もいくつかあるようです。軸の長さを変えたり、ワッシャーを入れてみたり、そもそもホイールを自分で組んで好きなものを作ってみたり…。

でも、私の目的は旅用の安定したものを探すこと。今回はホイールに慣れない改良を加えることはやめて既製品を探すことにしました。ホイールの知識が増えてきたらいずれ手組をしてみたいと思います。

8速化に必要なもの

プレトレに対して8速化を行うには色々と制約があることが分かってきました。そこで改めて8速化について考えてみたいと思います。

8速化のためには各パーツが8速に対応している必要があります。手持ちのパーツを確認するところから始めてみました。

以下のパーツが8速に対応している必要があります。

  • ホイール、スプロケット
  • リアディレイラー
  • チェーン
  • シフター

私の場合、リアディレイラーはClaris RD-2400-GS(現行品はClaris RD-R2000-GS)を、シフター(STIレバー)はClaris ST-R2030(現行品はClaris ST-2403)をそれぞれ導入済みで、ホイールとスプロケットを新調すれば8速化することが出来る状態でした。

(しかし、なぜ北海道一周前に導入しなかったのか…)

チェーンは8速までならば、6~8速共用仕様だったりすることがほとんどなので、規格上は特に問題なさそうでした。しかし、ちょうど北海道一周を終えた時期だったのでこのタイミングで新品に交換してしまおうと思います。

実際にパーツを用意して8速化する

既製品を購入した SHIMANO(シマノ) AR-713

ホイール周りは安全に直結する道具ということで、初めてのホイールは既製品で探すことにしました。多くの機能は求めませんが理想をいえば…。

  • ハブがシマノ製
  • スポーク数が多い(32~36本を希望)
  • 重量があってもOK
  • クイックリリースがあると嬉しい

重い荷物を載せてもきちんと運用ができる安全性重視としました。元々プレトレに付いていた後輪ホイールはハブのメーカー不明、スポーク数36本、ナット式、重い(笑)という代物でした。それに代わるものを探します。

シマノ-AR-713

それらを踏まえて今回購入したものはシマノ AR-713 リアホイールです。これに決めたというより、他に候補がありませんでした。笑

  • ハブがシマノ製
  • スポーク数32本
  • 重量1260g(クイックシャフト含む)
  • クイックリリース有

スポーク数が4本減ってしまうので大丈夫かな…?と心配にはなりましたが、試してみるよりほかないですね。ホイールの重さは走行性重視の方は嫌になるかもしれませんが、私の用途では問題ありません。

シマノ CS-HG51 8S 11-32T

このAR-713ホイールにシマノ CS-HG51 8S 11-32Tというスプロケットを組み合わせました。

重いギアは14Tから11Tに、軽いギアは28Tから32Tに改善されることになります。こんな便利なものが2000円もしないで手に入るのだから便利な世の中です。

ちなみに以前のギアとの歯数の違いはこんな感じ。

    1 2 3 4 5 6 7 8
以前 MF-TZ21 7S 28 24 22 20 18 16 14
今回 CS-HG51 8S 32 28 24 21 18 15 13 11

峠上りの緊急用で32Tを備えた形になります。平地・街乗りでは空回り状態でまず使うことはありません。数字の間隔が小さい方がギアチェンジの際スムーズなので、以前までのMF-TZ21の方が街乗りでは快適かもしれません。

スプロケットの取り付けにはバイクハンド スプロケット 取り付け/取り外しセットの工具をあわせて使用しました。

スプロケットを取り付けたらホイールを自転車に取り付けます。クイックリリースになったのでナットを締める必要がなくなって楽ちんです。

KMC 7&8スピード用チェーン Z7 ブラック/ピンク

北海道一周旅を終えて8速時代に突入する良い機会だったので、チェーンも交換してしまうことにしました。

購入したのはKMC 7&8スピード用チェーン Z7 ブラック/ピンクで、以前使用していたブラック/グリーンの色違いになります。これがまた映えてかっこいい◎◎

EMPT EVA ロード用バーテープ ES-JHT020 ピンク

ついでにボロボロになったバーテープも交換してしまいます。取り付けたのはEMPT EVA ロード用バーテープ ES-JHT020 ピンクで、以前使用していたグリーンの色違いです。

8速化完成

実際に完成した姿がこちらです。試走してみるときちんと変速することが確認できました。

今までSTIレバーの1速分を封印した状態で運用していたので、自転車が生き生きした感じがします。笑

まとめ

以上、プレトレを8速化したときのまとめでした。

私が所有していたディレイラーやシフターが既に8速に対応していたため、交換する部品が少なく8速化を簡単にしてくれました◎

交換といってもホイールも既製品を放り込んだだけなので、フロント多段化の時のように特別難しいことをすることもなくて良かったです。

通常生活で最も軽い32Tを使用することはなさそうですが、旅仕様で運用するときは要所要所で活躍してくれそうです。28Tでは歯が立たない場面がいくつかありましたので(^^;)

それと8速にグレードアップしたことでスプロケットのラインナップが格段に増えました。街乗り使用は○○で、旅では△△で、なんて用途によってスプロケットを使い分けても楽しそうですね。

今回新たに購入した部品

参考にしたサイトや文献

*1 ランドナーのパーツ達 | ボスフリー

クロスカブ生活、若かりし頃の夢を実現する