自転車

リアディレイラーの調整方法とB軸、ガイドプーリーの分解・清掃

リアディレイラー調整記事のTOP画

ディレイラーの変速ってうまくいかないと腹立ちませんか。

「一段軽くしよう…(カチッ)…あれ?(もう一度カチッ)ガコンガコン!」
みたいな。じゃあ、ちょっくら自分でディレイラー調整してみようかといじってみて…。

「あとちょっと…ねじ気持ちひとひねり…(通り過ぎた)ああ!!もう!!」
みたいな…。涙

これはすべて、自分の経験談です…。
そんなわけで今回は私がリアディレイラーの調整するときの手順についてまとめてみました。どなたかの参考になれば幸いですし、私が参考にします。笑

また、今回の記事ではリアディレイラーの調整方法のほかに、不調?のようだったB軸の修理やガイドプーリーの分解・清掃の様子なども掲載します。

この記事の内容

  • 調整前に単語を覚えよう!-トップとローについて
  • リアディレイラーの調整
  • Bテンションが動かない!
  • ガイドプーリーの分解
  • まとめ

作業前に単語を覚えよう!-トップ、ローなど

単語を覚えれば作業の迷いが減る

もしディレイラー調整がはじめてのことでしたら調整前に単語を覚えましょう!これは過去の自分にも言いたい!!単語を正確に理解していないと、情報に振り回される原因になります。(特に緊急時は焦りもあって余計に失敗の元を増やします。)

ちなみに先に書きますが、この記事でもっとも大切な作業工程はトップ&ロー領域の可動範囲を制限する調整です。

トップ&ローってなんだ…?(思考停止)

ってなりませんでしたか?はい、昔の自分です…。
自転車は感覚的に乗れる乗り物ですから、意識しないと単語って覚えられないんですよね。。

そんなわけでもし分からなかったら、ここで一緒に覚えましょう(^^)/
もう知っているよー!って方は飛ばして下さいね。

フロントとリアのギアで名称が異なる。

フロントギア解説

まずフロントギアですが、歯の数が少ない内側のギアをインナー歯の数が多い外側のギアをアウターといいます。3段の場合は真ん中のギアをセンター(ミドル)と呼びます。

歯の数が少ないインナーが最も軽くなり、歯の数が多いアウターは最も重くなります。

リアスプロケットの説明

対して、リアのスプロケットは歯の数が少ないと最も重くなり、歯の数が多くなるにつれて軽くなります。

歯の数が最も多いギアをロー歯の数が最も少ないギアをトップと呼びます。歯の数が多いローが一番軽いことが特徴です。

何が紛らわしいって、ギアの歯の数で軽さや重さが決まらないという点でしょう。
「フロントは歯が少ないギアが軽いから、リアも同じ(歯少ない=軽い)って覚えておこう♪」は通用しません。でも、何故だろう??

ギアの歯数と軽さの説明として、ギア比が云々…など色々とあるのですが、まずは”てこの原理”で簡単に理解しましょう!

【前輪の場合】

クランクの中央部分が支点、ペダルの位置が力点、チェーンのかかったギアの位置が作用点です。支点と力点は固定なので、力の入れ具合を変えるためには作用点の位置を変える必要があります。これが変速の意味で、フロントギアの仕組みです。

支点と作用点の位置が近いとかける力は小さくて済みます(その代わり何回も漕ぐなど回転数は必要になります)つまりインナーギアは支点から近く軽くなり、アウターギアは支点から遠く重くなります。

【後輪の場合】

スプロケットの中心が支点、チェーンとギアの接地面が力点、それによって動くタイヤが作用点です。

支点と力点の距離が離れるほど、力を入れずに動かせるようになることから、支点から最も遠い歯の多いローギアが軽くなり、逆に支点から最も近いトップギアが重くなります。

軽くて楽が出来るのはメリットですが、力は与えた分しか進みません。そのため軽くしたギアでは、”軽くした”分しか進まないともいえます。

これは入出力のエネルギー量が同一であるというエネルギー保存の法則で説明されます。フロント、リアとも同様です。

話が反れましたが今回はインナー、アウター、ロー、トップの4つの単語を覚えてもらえたらと思います。よく以下のような単語を見かけませんか。

インナー × ロー(もっとも軽い!)
アウター × トップ(もっとも重い!)

ギアの調整時でもこれら指示があるのでぜひぜひ。これからは迷いませんね(^^)/

リアディレイラーの調整

リアディレイラー調整にあたって

調整関係の話って本やネットなどで様々な情報が飛び交っていて、混乱しますよね。私は大混乱に陥りました(汗)どれも間違っている訳ではありません。ですが各々のアレンジが入っていて、どれがいいんだろう?って混乱するんですよね。

私が考える作業の基本はSHIMANOの説明書です(*1)これを見ながら調整を行い、よく分からない部分を書籍やネットで補足的に調べていくことをお勧めします。それとサイクルベースあさひのサイトも参考にしました(*2)

その上で私のおおまかな作業工程は以下の通り。

  1. アジャストボルトで修正できるか試す
  2. 直る場合はそれで完了

これだけで直れば儲けものです。この場合のやり方は下記の工程(4)をご覧ください。しかしアジャストボルトでどうにもならない場合

  1. ワイヤーを緩めた状態でトップ側(歯が最も少ない方)を調整
  2. ワイヤーを張る
  3. ロー側(歯が最も多い方)を調整
  4. アジャストボルトで微調整
  5. Bテンションねじでガイドプーリーの高さを調整

これら工程を踏みます。5工程をさらに噛み砕くと、ローとトップの可動範囲を制限してワイヤーを張り、張りの過不足分をアジャスターで調整するだけです。

チェーンはあってもなくても調整できますが、はじめのうちは外した方が、ガイドプーリーの動きが分かりやすくなり勉強になるのでおすすめです。チェーンを外す場合は私は(1)の前に外し、(3)の調整が終わったら再度取り付けています。

一連の作業の中で特に重要なのは、(1)と(3)のトップ&ローの調整です。これはチェーンを外側に脱落させないようにするための調整なので、失敗すると走行中にチェーンが外れるおそれがあります。大事故の元になりますので、気をつけて作業して下さい。

分からない場合はお店に持っていきましょう。

実際のリアディレイラー調整の様子

1:トップ側の調整

まずトップ側を調整します。前準備としてリアシフターの状態をトップ(一番歯が少ない)にしておきます。トップのときワイヤーが一番緩んだ状態です。その状態でワイヤーを外しておきます。

リアディレイラーのトップ調整説明

ワイヤーが外れた状態でトップギアとリアディレイラーのガイドプーリーの位置を合わせます。その位置はSHIMANOの説明書によると”ガイドプーリーがトップギヤの外側の線の上にくるように”だそうです。(写真緑点線)

 

ぴったり合わせず外側に若干ずらしているのは、ワイヤーを張った時にぴったりになるからということでしょうか。調整ネジは2つあるうちの”H”を回します。時計回りでホイール側、反時計回りで反ホイール側に動きます。(写真ピンク、水色矢印)

2:ワイヤーを張る

リアディレイラーのワイヤーロック部分説明

次にトップの状態でワイヤーを張ります。ワイヤーの張り具合はペンチなどは使用せず、指でぴんと引っ張る程度の感覚です。うまくいかずに張り直すこともあるので、ナットは仮止め程度にしておきます。ナットを強く締めすぎると緩めたときにワイヤーがほどけることがあります。

 

アウターアジャストボルトユニットの説明

ワイヤーの近くにアウターアジャストボルトユニットがあるので、ネジ部分を完全に締め付けるより1~2周分くらい緩めた状態にしておきます。のちにこのネジ部を少しずつ緩めて調整をしていきます。(このアジャスターは緩めることで、=ワイヤーを張る動作になります。ここも紛らわしい。汗)

私が調整を行うときは、ネジ部を緩めてワイヤー張るの一方通行で行います。そのためアジャスターをぎりぎりまで締め付けています。やり方は人それぞれかもしれませんが、締めたものを緩めて調整するって難しくないですかね。汗

3:ロー側の調整

リアディレイラーのロー調整の説明-01

ワイヤーを張りましたので、シフターでロー側(歯が多い方)に変速します。トップのときと同じようにスプロケットの歯とガイドプーリーが一直線上になるように調整します。

 

 

Hの隣にあった”L”のねじを回します。時計回りで反ホイール側、反時計回りでホイール側に動きます。トップのときと動きが逆なので注意します。

リアディレイラーのロー調整の説明-02

私の場合はこの後ディレイラーを手で持ち、ホイール側に押し込んでみます。ホイール側に動くようならば再度調整して、ディレイラーがホイール側に動かないようにします。(ワイヤー張る前に手で押し込んで可動域を調整をしても同じことと思います。)

 

これでトップ、ローのどちらの外側にもチェーンが外れることはなくなりました。調整の時にまわした2つのねじはこれ以降、絶対に触らないようにします

チェーンを外して作業していた方はここでチェーンを取り付けます。

4:アウターアジャストボルトユニットで調整

チェーンが掛かっている状態で、一度変速がうまくいくか試してみます。

完璧に変速出来ていればそれで終わりですが、なかなかそう簡単にはいきません。笑
トップ → ロー、ロー → トップの方向がうまくいかないかを観察します。私のやり方ですとトップ → ローの変速がうまくいかないことが多いです。修正方法は以下の通り。

(方法1)チェーンを回転させながら感覚的に調整する(自己流)
工程2で締め付けておいたアウターアジャストボルトユニットを反時計回りにまわして、ワイヤーを張っていきます。少し調整したら変速させ、修正されたかを確認していく地味な方法。

(方法2)トップから2段目で調整
SHIMANOのマニュアルに書いてある方法です。STIレバーをまずトップから数えて2段目に入れて、STIレバーを3段目にぎりぎり変速しない角度に倒します。(2段目の”遊び”というそうです。)

この状態でシフトが3段目には入らないが、音鳴りがする状態になるようにアジャスターで調整します。その状態ができたらシフターを戻すと、遊びのない”通常時”は音鳴りがしなくなるというわけですね。

(共通のコツ)
アジャスターを反時計で回してワイヤーを張りますが、最初は1/4くらい次は1/8とどんどん回す量を狭めていくと”ちょうど良いポイント”を逃しにくいです。

うまくできたらフロント × リアで色々と組み合わせて確認します。インナー × トップ、アウター × ロー など”たすき掛け”状態はチェーンを傷めるため使用しません。そこの異音だけならば、私は無視してしまいます。

アウターアジャストボルトユニットは緩めすぎると外れてしまいます。また極端に緩い状態ではガタガタとしてしまいネジ穴を潰すので、アジャスターに負荷のかからない範囲で収めます。上手くいかない場合はワイヤーを張り直すところからやり直します。

ロー → トップがおかしい場合もワイヤーのナットを緩めて張り直しています。

5:Bテンションアジャストボルトでガイドプーリーの高さを調整

Bテンションアジャストボルトの説明-01   Bテンションアジャストボルトの説明-02

Bテンションアジャストボルトをまわしガイドプーリーの高さを調整します。ギアをインナー × ローに入れたら、チェーンを逆回しに回転させます。その際、スプロケットとガイドプーリーが接触しないギリギリの位置に収めます。

距離が近いほど変速が決まりやすくなりますが、近すぎるとチェーン詰まりを起こすので程よい位置を探します。

調整は新しくリアディレイラーを購入した場合や、スプロケットの歯数を大幅に変更した場合です。完成車を購入した場合などは基本的に触らなくてよい部分だと思います。

Bテンションの調整後に変速がおかしくなるようなら、工程4に戻り再調整。問題がなくなれば、ワイヤーを本締めしてワイヤーキャップを取り付けて完成です。

番外編1:Bテンションボルトを回しても動かない

スプロケットとガイドプーリーの間を詰める調整ネジのことをBテンションアジャストボルトといいます。調整時にうまく動いていなかったようなので、B軸の分解をしてみることにしました。

B軸分解画像-01   B軸分解画像-02

U字金属で栓をしてあるような状態なので、安いマイナスドライバーの先などでほじくりだしました。

B軸分解画像-03   B軸分解画像-04

なかをほじくり出してみるとスプリングや軸のパーツなどが出てきました。

構造はいたって簡単で、リアディレイラー本体とBテンションアジャストボルトが付いているプレートがスプリングの両端と繋がっています。Bテンションボルトを回すとこのスプリングが締め付けられたり緩んだりしてプーリーの高さを変えていたんですね。

仕組みを理解したらきちんと元の状態に戻していきます。…ですが、実は戻すときが鬼門です。笑

B軸分解画像-05

これが完成予想図になります。ピンクの丸はディレイラー本体のストッパーです。水色の矢印がBテンションボルトが付いたプレート部分。緑矢印の根っこ部分からスプリングを付けた状態でスタートしてピンクの部分を乗り越えストッパーに引っかける状態にします。これが想像を絶する固さです。涙

B軸分解画像-06

六角棒レンチを挟んでグイッとねじこんでいきます。ストッパー同士が接触しないように少し浮かせた状態でやるのですが、これはもうやって覚えるほかありません。失敗したときのスプリングの反動は強烈なので、怪我には気をつけて下さいね。

 

B軸やプーリーを分解した画像

プーリーやBテンションボルトを外して作業すると少しやりやすいかもしれません。プーリーは六角棒レンチで簡単に外すことができます。

 

 

組み立て終わり取り付けてみると無事に動作しました。私の場合、その中のスプリングのとめ具が外れていたことできちんと動作していなかったようでした。(組み立て直したら直りました。)

スプリング類にはグリスをたっぷり塗ると良いようです。しかし、あの固さ…。もう二度と分解したくないな…。汗

番外編2:ガイドプーリーの分解

北海道一周後の話なんですけど、プーリーの回り方が鈍いんですよ。良い機会なので分解・清掃してみることにしました。

プーリー分解説明-01   プーリー分解説明-02

プーリーは六角棒レンチで簡単に外すことができます。パーツも多くないです。取り外してみると金属の円盤パーツが真っ黒。一つ一つ丁寧に汚れを落としていきます。

プーリー分解説明-03

磨き前と磨き後です。うん、どうりで鈍いわけだ。笑

 

 

 

プーリー分解説明-04

すべてのパーツを磨きました。新品みたいですね(^^)/

 

 

プーリー分解説明-05

プーリー取り付け部分も酷い状態でした。取り付け部分2か所とも綺麗にしました。

 

 

 

外に露出している部分なので余計に汚れるんでしょうねえ。。

試しに指で回してみますとまるで別物のような動き。鈍かったときはスンッ…って一瞬で回転が終わったのですが、現状ではスーーーーーッと回り続けます。たまにはメンテナンスしないといけませんね(^^;)

まとめ

ディレイラー調整って複雑そうに見えますが、冒頭で述べたようにローとトップの可動範囲を制限したらワイヤーを張って、張りの過不足分をアジャスターで調整しているだけなんですよね。

そして完成車を購入している場合は、可動制限の調整がしっかりされていることが多いでしょうから、アジャスターボルトを少しひねるかワイヤーを張り直すだけで解決することもあるということです。

もし自分の手でディレイラーを触ろうと思ったら、安易にねじを触らず簡単なところから探ってみて下さい。

でもそうはいったって、最初のうちはどこが悪いか分からないからついつい触っちゃうんですよね、分かります(^^;)

参考にしたサイトや文献

*1 SHIMANO公式 | 検索欄より自身のディレイラーの型番を検索する
*2 サイクルベースあさひ | リアディレーラー各部のはたらき

プレシジョントレッキングの改良とその変遷――