クロスカブ110(JA45)

クロスカブ(JA45)のエンジンオイルの交換方法、一例

クロスカブ(JA45)のエンジンオイル交換方法-アイキャッチ画像

クロスカブ(JA45)のエンジンオイルの交換方法についてまとめました。

本記事ではエンジンオイルの交換にくわえて、関連するオイルフィルターやOリングの交換についても載せています。

これらの作業は決して難しい内容ではないのですが、オイルで手が汚れやすいので作業前の段取りがとても大切です。

記事は2つの構成で、前半はオイル交換作業の方法について、後半は自分が購入しているHONDAのエンジンオイルについてまとめました。

この記事の内容

  • エンジンオイル、オイルフィルターの交換
  • エンジンオイル選択の経緯(HONDA 旧G1→旧G2→新G2)

エンジンオイルの交換にあたっての基本

エンジンオイルの交換作業は手が汚れるので事前の段取りが重要です。

本記事では、まずオイルやOリングなど消耗品の交換頻度および作業に必要な部品、道具類について触れます。その後実際の作業方法についてまとめる構成とします。

エンジンオイルや消耗品(部品類)の交換頻度

エンジンオイルの交換目安は、冒頭でも少し触れましたが初回交換は1,000kmまたは1か月、以後3,000kmまたは1年ごとが目安です。

また、オイルフィルター(内臓式 / カートリッジタイプを除くと記載)は、初回13,000km、以後12,000kmごととあります。

ただ、交換用フィルターの説明書には6,000kmごととあり、その基準はやや曖昧です。間をとると2、3回に1度で交換といったところでしょうか。

これらはクロスカブ購入時に貰えるオーナーズマニュアル(取り扱い説明書)やメンテナンスシートに記載があります。

交換する部品のまとめ

クロスカブ(JA45)のエンジンオイル交換時に用意するもの

クロスカブのエンジンオイルの交換にあたり、必要となるアイテムは以下の通りです。

(※)オイルフィルターとOリングの単品購入は以下。オイルフィルター(H-06)、ストレーナーキャップOリング(OH-21)、フィラーキャップOリング(OH-01)、フィルターカバーOリング(OH-06

新品のエンジンオイルは本作業において必須です。自分で作業する際は好きなものを選べるのが良いですね。私はホンダ ウルトラ G2 SL 10W-40 4サイクル用 1Lを使用しています。

クロスカブ(JA45)用のオイルフィルターとOリングなど

オイルフィルターやOリングは必要に応じて交換します。一式セットが便利ですが、状況によって、部品が余ったり足りなくなることがあるのでその際は個々で購入します。

Oリング3種類(OH-01OH-06OH-21)はかさばらないので、私は常に予備をストックしています。

ロスカブ(JA45)のエンジンオイル交換時にあると便利なもの

あると便利な道具は以下の通りです。

  • オイルパック…廃油を受ける
  • キッチンペーパー…掃除用
  • ゴム手袋
  • ペットボトル…エンジンオイルの余りを一時的に保管する
  • ラジオペンチ…オイルフィルターを取り出す
  • バッド…交換部品や工具を置いておく
  • パーツクリーナー…片付け時に汚れた道具を洗う
  • マイナスドライバー…Oリングの着脱時に使用

上記の道具類は、オイルを触れる前にすぐに使用できる状態にしておくといいです。

オイルパックは分けて使用すると経済的

廃油を受けるために使用するオイルパックですが、購入した量によっては段ボールや袋を用意して分けて使うと経済的です。

クロスカブの場合、使用するエンジンオイルは0.8L程度なので、オイルパックは少しあれば足ります。必要量は人によりますが、1Lあれば足りるかな…?

私自身、初めての作業時に「最初は多い方が安心だろう」と、多めの5.0Lのオイルパックを購入しました。しかし、その作業時に使用したのは1/4程度でした。

大きいサイズは経済的ですが、家で長い間保管することを考えると1、2年(回)で使いきれる2.0L前後のサイズだとバランスが良さそうです。

エンジンオイルの残り(0.2L分)を一時的に保管する

新品のエンジンオイルの余りを一時的に保管するペットボトルを用意しました。

クロスカブに必要なエンジンオイルの量は0.8Lです。交換作業方法は様々ですが、私は購入したオイル缶にノズルを取り付けて直接注ぐ方法を取っています。

その際、オイル缶に0.8Lの状態にして簡単に作業したいので、残りの0.2Lをこのペットボトルに一時保管し、作業終了後オイル缶に戻して保管します。

ペットボトルには、作業の何日か前に水を0.2L入れて線を引き、完全に乾かしておくと作業がしやすいです。

オイルジョッキーがあればこれら作業は不要ですが、年に1、2回の作業なので置き場所を考えると今のところ上記方法で済ませています。

クロスカブ(JA45)のエンジンオイルの交換作業

クロスカブ(JA45)のエンジンオイル交換作業時に主に触れる場所のまとめ

クロスカブのエンジンオイルを交換する際に主に触れる箇所は以下の3つです。以下の数字は写真と対応します。

  1. オイルフィラーキャップ
  2. オイルドレンボルト(この写真では確認できない)
  3. オイルフィルターのカバー

これら作業前に(1)と(2)のキャップやボルトにある青い線を写真で残しておくといいです。

青い線はキャップを締める際のオーバートルクを防ぐための目印です。しかし、作業中にオイルが付着して青い線が消えることがあるので(経験済み)、先に写真に残しておくと安心だと思います。

それでは、これより以下は各作業工程の詳細です。

(1)オイルフィラーキャップを緩めておく

オイルフィラーキャップを緩めておく

まずはじめに(1)のオイルフィラーキャップを緩めておきます。

ここは新しいオイルを入れる場所になります。工程としては最後の方ですが、古いオイルを排出する途中に触ると何かと汚れやすいので、先に緩めておくと効率的です。

(2)オイルドレンボルトを外してオイルを捨てる

クロスカブのオイルドレンボルトの確認

次にオイルドレンボルトを緩めて、古いオイルを捨てる作業を行います。

まずオイルドレンボルトの正確な位置を把握しましょう。クロスカブを下からのぞき込むとその位置が確認できます。

また、本体とボルトにオーバートルクを防ぐ青い線があることをあわせて確認しましょう(写真緑矢印)

クロスカブ本体の底にあるドレンボルトを17mmのレンチで緩めた

古いオイルを受けるオイルパックを設置した状態で、ドレンボルトを緩めていきます。その際、緩める工具は17mmのものを使用します。

人力でまわせる程度まで緩めたら、残りは手で緩めていきます。ここからはゴム手袋を装着して作業します。ボルトが完全に開くと古いオイルが一気に出てきます。

クロスカブのオイルドレンボルトを外すと古いオイルが流れ出た

ドレンボルトが外れると、クロスカブ本体からエンジンオイルが排出されます。

Oリングを交換する予定がある場合、バッドに廃油を少し入れておきます。Oリングを滑らかにする際に廃油を少し塗る作業があるためです(グリスでも可)。

クロスカブのオイルドレンボルト、Oリング、スクリーンキャップが確認できた

ドレンボルトのほかにバネや、汚れを受けるスクリーンキャップがあります。

それぞれの部品は分離するので、オイルパックに落としてそのまま捨てないように注意します。また、再度取り付けるまでにこれら部品の汚れを落としておくといいですね。

クロスカブのドレンボルトに付いているOリングをマイナスドライバーで外した

オイルドレンボルトの内側にOリング(OH-21)があるので、交換する場合はマイナスドライバーのような先の細い工具で引っかけて取り出します。

古いエンジンオイルで新しいOリングを浸して滑らかにした

先ほど少し触れましたが、新しいOリングを取り付ける際、廃油(もしくはグリス)で浸してリングの滑りをよくします。

新しいOリングは傷をつけるとオイル漏れの原因になるので気を付けながら取り付けます。

クロスカブのドレンボルト、Oリング、スクリーンキャップを組み合わせて取り付けた

すべての古いオイルが出たら、その穴をキッチンペーパーで可能な限り掃除します。

掃除が終わったらドレインボルトを元に戻します。トルクは20N・mですが、トルクレンチがない場合は先ほどの青い線を目印に、オイルで線が消えた場合は写真を参考に締めすぎないようにします。

以上の作業で新しいオイルを交換する準備が整いました。オイルフィルターを交換する予定の方は引き続き作業します。

(3)オイルフィルターの交換方法

クロスカブのオイルフィルターカバーを8mm工具を使用して外した

オイルフィルターをあわせて交換する場合の作業方法です。まずオイルフィルターのカバーにある2つのボルトを8mm工具を使用して外します。

クロスカブのオイルフィルターのカバーを外した後の様子

2つのボルトを外すとフィルターのカバーが外れます。カバーを外すと中に残ったエンジンオイルの一部が流れ出てくるので、事前にオイルパックを敷いておきましょう。

中にはオイルフィルターとバネが入っています。バネは簡単に外れて紛失しやすいので注意します。

クロスカブのオイルフィルターカバーのOリングを交換した

オイルフィルターのカバーにOリング(OH-06)が付いています。

交換する場合は、先ほどのドレンボルトと同様、廃油(もしくはグリス)に浸して滑りをよくした状態で取り付けます。

クロスカブのオイルフィルターをペンチを使用して取り出す

古いオイルフィルターを取り出します。ラジオペンチなどでつまむと簡単に引き出すことができます◎

クロスカブのオイルフィルター取付箇所をキッチンペーパーで清掃した

オイルフィルターを取り出したら、内部をキッチンペーパーで綺麗に掃除しておきます。

クロスカブに新しいオイルフィルターを取り付けた

掃除を終えたら、新しいオイルフィルターを向きに注意して取り付けます。

その後、バネ、カバーと取り付けてボルトで締めたら完成です。ボルトはきつく締めすぎないように注意します。カバーボルトのトルクは10N・mです。

新しいエンジンオイルを入れていく

クロスカブのフィラーキャップのOリングを交換した

ここからは新しいエンジンオイルを入れていきます。作業1で緩めたフィラーキャップを外します。

このフィラーキャップにもOリング(OH-01)が使用されています。交換する場合は古いオイル(もしくはグリス)に新しいOリングを浸して滑らかな状態にして取り付けます。

ここまでが手が汚れる作業なので、一気にやってしまうと効率的です。

クロスカブのオイルレベルゲージの適切な目安は網目状の位置

余談ですがフィラーキャップの先端には、エンジンオイルのレベルゲージが付いています。

先端の網目の部分(写真2本の緑線の間)が0.8Lで、適切な状態ですよという意味になります。

これを知っていれば、わざわざ0.8Lを計量しなくとも交換が出来るのですが、慣れないうちはきちんと量った方が間違いがないです。

エンジンオイル(Honda-G2)をクロスカブに入れた

新しいエンジンオイルを入れていきます。その際、ドレンボルトやオイルフィルターのカバーがしっかりと閉じられていることをよく確認します。

オイル交換の際に、エンジンオイルに直接繋げるノズルがあると便利です。エンジンオイルを購入すると1つ貰えるのですが、お店によるみたいです。ホームセンターだと高確率でもらえます。

適切な量(0.8L)のオイルを入れたらフィラーキャップをして、エンジンを低回転(アイドリング)で始動します。オイル漏れがなければ作業終了です。

エンジンオイルの色

余談ですが、これは新しいエンジンオイルの余り(0.2L)です。

新品はべっこう色で透明感がありますね。古いエンジンオイルは内部の汚れで変色し黒っぽい色をしています。定期的に交換して、丁寧に乗っていきたいですね。

エンジンオイルの違い、これまでの選択の経緯

エンジンオイル-HONDA-G2の新旧缶(21年よりリニューアルされた)

ここからは私が使用するHONDAのエンジンオイル(G1、G2、G3など)についてまとめていきます。

まず、ホンダのエンジンオイルは21年にリニューアルされたので、各オイルを以下のように定義します。

08~21年のものを旧モデル(写真左)、21年以降のものを新モデル(写真右)とします。

エンジンオイルの違いを表で見比てみる

エンジンオイルは基本的に新旧モデルともG1→G2→G3…と数字が大きくなると、その性能(と価格)も上がるとされます。その違いを以下の表にまとめました。

商品名 ベースオイル 粘度
旧 G1 鉱物油 10W-30
旧 G2 10W-30 部分化学合成油 10W-30
旧 G2 10W-40 部分化学合成油 10W-40
旧 G3 100%化学合成油 10W-30
旧 G4 100%化学合成油 0W-30

上記は私が初めてエンジンオイルを購入した旧モデル(08~21年)のものです。当時、粘度とベースオイルに注目しました。

まずベースオイルですが、G1は鉱物油、それ以外は化学合成油(部分的、もしくは100%)でした。化学合成油はその粒子が均一で、鉱物油は不均一とされます(*1)粒子が均一な方が操作性は良いようです。

次に粘度ですが、「10W-30」などと2つの数字で示します。10Wの部分が低温粘度、30の部分が高温粘度です。

オートバックス様のページに、低温粘度の数字が低いほど低温での始動性がよく、高温粘度の数字が高いほど高温時のエンジンの保護がされるとあります。ただし、燃費は低粘度のものが良いともあり、バランスは必要そうです(*2)

私の乗車環境を考えたときに

  • 街乗りが基本(レースはしない)
  • 季節関係なく1年中乗る(真冬も真夏も)
  • G1でないものを試してみたい

こんな事情からG2 10W-40を選択しました。これならばベースオイルが鉱物油から部分化学合成油に変わりますし、高温時の粘度も高くなる(30→40)ので真夏も乗りやすくなるかなと考えました。

それから少し経った2021年にエンジンオイルのリニューアルがされました。新しいエンジンオイルをまとめると以下の通りです(*3)

商品名 ベースオイル 粘度
新 G1 部分化学合成油 5W-30
新 G2 部分化学合成油 10W-40
新 G3 100%化学合成油 10W-30
新 G4 100%化学合成油 0W-30

G2が1つに統合されて分かりやすくなりました。また、G1のベースオイルが部分化学合成油に変更となり、G1の粘度が10Wから5Wに引き下げられました。

これによって新しいG1とG2はベースオイルがともに部分化学合成油となりました。

粘度の違いでみれば、低温、燃費重視ならばG1、高温環境重視ならばG2といったところでしょうか。

ただ、気温50℃を超える灼熱のインドでも、ULTRA G1は変わらないポテンシャルを発揮なんて記事(*4)もあるくらいなので、実際はG1で十分なのかもしれません。

実際にエンジンオイルを交換してみて

私はクロスカブ(JA45)のエンジンオイルを旧G1→旧G2→新G2と交換してきました。

旧G1から旧G2に交換した時、本体の振動が少なくなったかな?と感じました。また操作性が向上した感じはありました。

ただ、それが旧G2に変えたからなのかはよく分かりませんでした。劣化したオイルと新品のオイルの比較ですから、新しいオイルの方が操作性は良いだろうという気はします。

ただ、途中でも触れましたが、ベースオイルの特性として化学合成油の比率が高くなるほど、粒子の均一性が増すとありました。そういう意味で旧G1→旧G2操作性は向上したのではと考えています。

感覚的な話を除くならば、ベースオイルのレベルアップがオイル変更の違いを体感できるのかもしれません。となると、残るは100%化学合成油のG3となりますが、価格がさらに上がりますから導入するかは好みといえそうです。

まとめ

以上、クロスカブ(JA45)のエンジンオイルの交換方法、一例でした。

作業中に黒ずんだ古いオイルをみると、定期的なオイル交換の必要性を感じました。オイルの種類を吟味するのも楽しいですが、まずは定期的な交換を心がけたいですね。

HONDAのエンジンオイルはリニューアルがされて、G1の価値が以前よりも上がったかなという感じがします。

最低限で良い、仕事向け(燃費重視)の人はG1、趣味性を重視する人はそれ以外で好みのものを選ぶと良さそうです。

私自身、今のところG2を気に入っていますが、どこかで100%の化学合成油のG3を一度試してみるつもりです。その後はどこに落ち着くのかまだ想像ができません。

また変化がありましたら追記か新しい記事で報告したいと思います。

参考にしたサイトや文献

*1 HondaGO BIKELAB | CBR1000RR-Rも覚醒する、本気のオイル『Honda ULTRA G3/G4』真の実力
*2 Autobacs | エンジンオイル 基礎知識
*3 HONDA | Honda 4サイクルエンジンオイル NEWラインアップ
*4 Motor-Fan BIKES | 10W-30から5W-30へ。進化したホンダ純正エンジンオイル「ウルトラG1」、インド市場では早くも!?

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