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【半壊ママチャリの再生】第三回:後輪+クランク周辺の整備

半壊ママチャリ再生-第三回後輪周辺アイキャッチ画像

半壊ママチャリの再生企画の3回目は「リアタイヤ周辺の整備」になります。

今回から難易度が一気に上がり、破損スポークの交換、インター3の分解・清掃、スプロケットの変更などややこしい作業が盛りだくさんです。涙

リアタイヤを外すとチェーンやボトムブラケットの整備がやりやすいので、今回の記事の中に含むことにしました。

作業の詳細を1つの記事にまとめようとすると物凄く長くなりそうなので、細かい内容ごとに記事を分けました。この記事はダイジェストの様なものになります。興味が沸く内容があればあわせて詳細記事をご覧頂ければ幸いです。

半壊ママチャリの再生―整備計画


第1回:現状の把握

  • 自転車の観察と整備の方向性の決定

第2回:前輪とその周辺

  • ハブダイナモホイールに交換
  • タイヤ交換
  • オートライト化

第3回:後輪とクランク周辺 ←今回の記事はここ

  • タイヤ交換
  • 破損スポークの交換
  • 後輪ホイールのハブにグリスアップ
  • スプロケットの変更
  • ローラーブレーキのグリスアップ
  • ボトムブラケットの清掃
  • チェーンの交換
  • LEDテールランプの追加

第4回:ハンドル周辺

  • シフター、ワイヤーの交換
  • ブレーキレバーの交換
  • ブレーキインナーワイヤーの張替え
  • グリップの交換

第5回:その他

  • サドルの交換
  • カギ(馬蹄錠)の交換
  • リアカゴの追加
  • 防犯ネットの追加

リアタイヤ周辺を整備する

下準備

後輪修理のため自転車本体から取り外す

リアタイヤを整備するために自転車本体からホイールを取り外した状態にします。取り外し方は以下のページにまとめてありますので、分からない方はそちらをご覧下さい。

後輪車体右側撮影
一癖あるママチャリ後輪の外し方+英式バルブ虫ゴム劣化の観察ママチャリの後輪は変速機やブレーキ、チェーン引きなど様々な部品が付いていて、取り外すのは一苦労。作業のコツは形状を写真に収めておくことと、部品の順番を細かくメモしておくことではないでしょうか。実際に自分がタイヤ交換をした際の写真を交えて説明します。...

初めて取り掛かる方は取り外すナット周辺の部品構成の記録を取るか、写真に収めておくと組み立て時に迷うことがなくなりますよ◎

写真ではタイヤが付いたままですが、タイヤ、チューブ、リムテープなどを交換する場合はこの時点で外してしまって大丈夫です。

破損スポークの交換

新旧スポークの比較

スポークが2本破損(1本曲がり、1本折れ)していたので交換しました。近所の自転車屋で1本50円程度で譲ってもらいました。安い◎

スポークの長さを計測する

専用の物差し(パークツール SBC-1)を使用してスポークの長さを計測したら約296mmと分かりました。

首の曲がったスポークで計測(上記写真真ん中のもの)したので、正確には295mmかもしれません。ママチャリなので1mm程度は無視します。

私のダンロップの自転車は鉄スポークが使われていました。10年近く経過して汚れや傷はあるものの、錆びが発生して見栄えが悪くなるということはありませんでした。屋根の下に置いておいたのが良かったのかな?

しばらく様子をみて錆びに強いステンレススポークに変えても良いかななんて考えています。サビが発生しない現状、スポーク張替え練習の意味合いが強いですね。

スポークを張り替える上で振れ取り台(ミノウラ FT-1)が役に立ちました。1、2本程度の交換なら何となくでもいいのかもしれませんが、10年選手なので振れをチェックします。

しかし、振れ取り台は700Cのホイールを組むために用意しておいたのですが、意外なところで役に立ちました。持っておくものですね(^^;)

スポーク張替え後

スポーク張替え後の写真です。新品の2本が他に比べてキラキラ輝いています。

こうやって観察してみると10年経過したスポークは汚れているなあって感じます。

 

ママチャリスポーク交換アイキャッチ画像
ママチャリホイールのスポークが折れたので修理したママチャリの折れたスポークの交換・ホイールの修理をしました。交換自体は簡単ですが、ホイールの振れ取り作業が必要な場合は多少コツを要し、慣れが必要です。スポークは町の自転車屋に行くと1本単位で入手することができるのでお勧めです。...

インター3の清掃・グリスアップ

インター3の分解・清掃

後輪ハブに収まっているインター3の分解・清掃を行いました。ここ1年で早くも4台目の分解です。細かな部品の集合体とはいえ、さすがに扱い慣れてきます(^^;)

インター3内部にサビが確認される

インター3を観察してみるとリングギアユニットに若干のサビが確認されました。

長年放置していたせいか全体的にグリスが切れが目立ち、グリス切れを起こした部品にサビが発生するようです。

 

インター3清掃前

インター3清掃前の写真です。ボールベアリングの周辺はグリスが固まっていたので、つまようじを使用してかき出しました。加えてパーツクリーナーを使用して古いグリスを丁寧に落とします。

インター3清掃後

これが清掃後の写真になります。リングギアユニットに付着したサビも綺麗に落とすことが出来ました◎

組み立て時に内装ハブ用グリスを塗りつけます。ボールベアリング周辺はたっぷりと、ラチェット周辺は少なめにを意識します。分解・組み立ての詳細は以下の記事にまとめてあります。

インター3アイキャッチ画像
インター3の分解観察+清掃・グリスアップ【リアハブ内装3段】ママチャリに多用されている内装変速機インター3のグリスアップを行いました。長年自転車を使用しているとハブの中のグリスが切れてラチェット音が気になることがあります。今回はインター3の観察を兼ねて分解を行い組み立て時にグリスを塗っていきます。...

最後にホイール内部の清掃を行い、こちらにも内装ハブ用グリスを塗りました。10年間近くノーメンテナンスでしたが、想像より綺麗な状態でした。

奥の方にボールベアリングがあるので、多めにグリスを塗りました。

タイヤ交換

新品のパナレーサースーパーハードタフネスを装備する

前輪と同じくーを使用しました。チューブやリムテープも付属されていたので、部品であれこれ迷うことなく簡単です。

実際の交換方法は以下の記事にまとめてあります。

ママチャリの全体像改良前
ママチャリにハブダイナモホイールを導入+タイヤ・チューブ交換我が家のママチャリ(シティサイクル)は昔懐かしいダイナモライトが付いています。「重くて辛い…」という相談があったので思い切ってホイールごと交換、オートライトを装備しました。タイヤ、チューブ、リムテープも全交換したので、そのときの様子を記事にしました。...
スポークの先端が若干飛び出る

何度もやり慣れたタイヤ交換なので、真新しい話しなどないか…と思ったのですが、新しく張り替えたスポークがニップルに収まりきらず、若干飛び出していることに気が付きました。

この上にリムテープを張る訳ですが、衝撃でチューブまで貫通するかな…?と一抹の不安を覚えます。

飛び出したスポークはガムテープで補強

そこで飛び出したスポークの先端にガムテープを貼り付けておきました。

我ながら雑だなあと思うのですが、ママチャリなので細かいことは気にしない、と…(^^;)

 

スプロケットの交換

内装スプロケット18T化

私のダンロップの自転車には内装3段(インター3)が搭載されています。スプロケットは14Tのシングルギアですが、これが重たい…!

そこで18Tのスプロケットに交換しました。

作業の最後、本当に最後のケースの蓋を取り付ける段階でスプロケットとカバーの干渉が発生(汗)状況を丁寧に観察してみるとカバーを固定するネジがチェーンとぶつかっていることが判明しました。

チェーンケースのねじの干渉を解決する

最初はネジを短くする方向で考えていたのですが、とりあえず手元にあったワッシャーとばね座金をかませてチェーンカバー内部に侵入するネジの長さを減らしてやる対処方法をとりました。

 

 

ネジはきちんと固定され、チェーンとも干渉することがなくなったのでこれで良しとしています◎◎

内装用スプロケット交換方法-アイキャッチ画像
内装用リアスプロケットを交換して坂道を快適にする【14→18T】内装スプロケットの交換方法についてまとめました。内装スプロケットはシングルギアで構成されますが、好みのギアに変更し速度や上り坂の漕ぎ心地を改善することが可能です。前半はその交換手順について後半はスプロケット、ギア比のことなどを考察しています。...

ボトムブラケットの分解・清掃

カップアンドコーンボトムブラケットの分解・清掃

駆動輪を外したついでにクランク(ペダル周り)も外してしまいます。カップアンドコーン式のボトムブラケットが使われていたので、分解・清掃を行いました。

ロックリングやワンが固く中々取り外せないことで有名ですが、今回はわりとすんなり外すことができました。

内部を観察すると赤錆や汚れが目立ち、グリスは切れてしまっていてちょっと悲惨な状態。グリス切れを長く続けたせいかボトムブラケットの軸に若干の虫食いがみられました。

ママチャリなので最低限走ればOKということで、軸の交換は行いませんでしたがグリスをたっぷりと塗りつけボトムブラケットシェルに戻します。

カップアンドコーンBB分解・清掃
カップアンドコーン式ボトムブラケットの分解・グリスアップボトムブラケットの種類の1つである、カップアンドコーン式BBの清掃方法についてです。 カップアンドコーン式はママチャリ(シティサイクル...

チェーンの交換

10年間一度もチェーン交換をしていなかったこと、スプロケットが14Tから18Tになり4T分のチェーンを長くしてやる必要があったため、チェーンを新調しました。

元々チェーンリング32T、リア14Tの27インチ自転車で94リンク仕様でしたが、今回は4リンク足して98リンクとしました。結果うまくいっています◎

ママチャリチェーン交換アイキャッチ画像
内装3段ママチャリのチェーン交換方法(フルチェーンカバー構成)ママチャリ(シティサイクル)のチェーン交換を行いました。仕様が内装三段フルチェーンガード構成で、スポーツ自転車と比べるとその作業工程が煩雑です。あまり人びとから関心を持たれないママチャリのチェーン状態ですが、年数が経過し傷んでいることも多々ありますので、たまに交換してやると蘇りますよ。...

ローラーブレーキのグリスアップ

ローラーブレーキのグリスアップ

後輪を自転車本体に戻したところで、ついでにローラーブレーキのグリスアップを行います。ブレーキを取り付けた後の方がグリスアップの変化が分かりやすいかな?作業自体は単純なのでタイミングはお好みです。

摩擦剤が含まれる専用のーを使用します(※ローラーブレーキは他のグリスで代用しないで下さい!)ホイールを回転させながら、目安は5g(説明書より)注入するだけです。

どれくらい入れたらいいか掴めない場合は、少量入れて走ってみて…を繰り返すといいです。

ローラーブレーキグリスアップアイキャッチ画像
ローラーブレーキのグリスアップ+劣化したキャップの交換自転車のローラーブレーキの観察とグリスアップについてまとめました。ママチャリ(シティサイクル)後輪ブレーキにはローラーブレーキが多用されています。メンテナンスは専用グリスを注入するだけなので非常に簡単でママチャリ向きといえます。その形状観察も行いました。...

LEDテールランプの追加

LEDテールライトを装備する

高級ママチャリで見かけるLEDテールランプを購入、装備しました。

後輪をとめるナットを少しだけ緩め、泥除けをずらしてやると楽に交換作業をすることができます。

テールランプ上部に太陽光を充電するパーツが取り付けられているので、屋外放置の場合破損修理以外は何もしなくて良いというのが嬉しいですね◎

ママチャリソーラーテールライトアイキャッチ画像
ママチャリの泥よけにソーラーテールライトを追加装備泥よけに装備するソーラーテールライトの取り付け方法についてです。ソーラーテールライトは高級な自転車に標準装備されることの多い部品ですが後付けすることも可能です。リフレクターから交換することで夜間走行の安全性をより高めることができます。...

まとめ

後輪とクランク整備後の写真

以上、リアタイヤ周辺の整備でした。

全工程のなかで今回の後輪関係の記事をまとめるのが一番疲れました(汗)スポークの張替えや振れ取り、内装スプロケットの交換など不慣れのオンパレードでしたし(^^;)

でも前後輪が蘇ると自転車直ってきたー!って感じが強くしますね。

今回は駆動輪(後輪)を外したついでにクランク周辺の整備も同時に行っています。後輪周りからは若干話しが外れますが、チェーン交換、ボトムブラケットの清掃など効率よく作業することができました。

タイヤの磨耗は仕方ないにせよ、大きなトラブルはスポークが折れていたこと程度でしょうか。自転車って頑丈だなあと感じます。

それとLEDテールライトが想像以上に便利です。走り出せば勝手にピカピカ光るというのが良いですね。めんどくさがりにはスイッチ要らずで楽なのが一番です。笑

LEDテールライトの追加で以前より後方の安全性が確保され、スプロケットを見直しタイヤを新しくしたことで走行性が向上しています。各種グリスも塗って新品同様まで状態が戻ったといっても過言ではないでしょう。

こうして書き並べると日々のメンテナンスの大切さを実感しますね。

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