整備・調整

カップアンドコーン式ボトムブラケットの分解・グリスアップ

カップアンドコーンBB分解・清掃

ボトムブラケットの種類の1つである、カップアンドコーン式BBの清掃方法についてです。

カップアンドコーン式はママチャリ(シティサイクル)に多用されるタイプで、構成部品を細かく分解することができるというメリットがあります。グリスアップや清掃をしてやると長持ちさせられるのが良いですね。

ところが、部品分解のためには専用の工具や、自転車本体に固着しているのでは…と疑いたくなるレベルの凝り固まった部品の罠を突破しないといけません。結果、ほとんどの人が放置し異音、破損の原因を作り出します(^^;)

今回は一般的なママチャリに搭載されたカップアンドコーンBBの分解・グリスアップについて扱ってみようと思います。

カップアンドコーンBBの分解・グリスアップ

使用する自転車はダンロップ27インチの一般的なママチャリです。今回の修理は半壊自転車再生企画の一環になります。

半壊ママチャリ再生-第一回アイキャッチ画像
【半壊ママチャリの再生】第一回:自転車の現況を観察する半壊状態のママチャリを再生させます。1回目の今回は自転車の現況を把握するために観察を行い、整備計画を製作しました。整備計画には修理工程以外にも新しい要素としてリアカゴ、LEDテールライトの導入、スプロケットギアの変更なども盛り込んでいます。...

大まかな手順

まず全体の作業を把握するために大まかな手順は以下の通り。

  1. チェーンカバーを開ける
  2. クランクのキャップを外し、左右のクランクを外す
  3. 左右どちらかのロックリング、ワンを外す
  4. ボトムブラケットを引き抜き清掃・グリスアップ
  5. 取り外しと逆の要領で取り付け

作業内容自体は対して難しいことはないのですが、(2)と(3)の過程で部品が固いと苦労することになります(^^;)

チェーンカバー側(右ペダル側)の作業

フルチェーンカバーの外し方

私の自転車はフルチェーンカバーで覆われていたのでそれを外します。ボトムブラケットを清掃するだけの場合はピンク丸の部分のみを、チェーンカバーを全て取り外したい場合は緑丸の部分も外します。

ボトムブラケットを清掃する場合、基本的に左ペダル側(チェーンカバーと反対側)から外すと、扱う部品も少なく比較的簡単に外すことができます。

しかし、その左側が「固着してどうしても外せない…」なんてことがあります。その場合はチェーンカバーを外しつつ、右ペダル側を外していきます。

クランクのカバーを開ける

クランク周辺の蓋を開けたら、クランクに付いているキャップを取り外します。私はマイナスドライバーを突っ込んで開けていますが、年数の経ったキャップは割れることがありそうなので、丁寧に作業しましょう。

 

コッタレス抜きを使用してクランクを外す

キャップを外したらコッタレスクランク抜きを使用してナットを取り外します。ナットが外れたら、ナットを外した時と反対側の部分を差し込みクランクを押し出します。

コッタレス抜きの詳しい使い方は以下の記事をごらん下さい。

コッタレス抜き-説明12
コッタレス抜きの使い方と失敗談(99%の方にはどうでもいい話)クランクを外す際に使用するコッタレス抜き。工具を観察してみると両端にはそれぞれボルトを外す、クランクを外す役割がありよく出来ていることが分かります。このページではコッタレス抜きの使い方、そして私の不注意で可動部分が固まった話を掲載しています。...
クランクが外れた

無事クランクが外れました。良い機会なのでパーツクリーナーブルーを吹き付けて掃除をしておきます。

 

 

―右クランク側から外す人のみ:右クランク側は逆ネジで外れる
ぺダル右側は逆ネジ

ここの話は右クランク側からボトムブラケットを取り出そうとしている人のみです。

緑で丸をした部分にチェーンカバーやボトムブラケットを固定する”ワン”をとめるためのロックリングが取り付いています。これを外すのですが、緩ませる方向は右回り(逆ネジ)です。普段のネジの向きと逆なので注意して下さい。

右側のロックリング、ワン、共に右回しで緩ませることができます。

ロックリングの外し方ですが、本来は引掛スパナなどを使用するのですが、チェーンカバー内部が狭くてうまく入りません(^^;)

ですので壊れても良いマイナスドライバーなど、何か引っかかるものをピンク丸部分に押し当てて、ハンマーなどでコツコツ叩いていきます。

左ペダル側の作業

左クランクの取り外し

左ペダル側の作業も基本は同じです。まずはクランクについたキャップを外し、その後コッタレス抜きで左クランクを外します。

 

 

―左クランク側から外す人への注意:左クランク側は正ネジで外れる

左クランク側のロックリング、ワンを外す場合は正ネジになります。右クランク側とは逆になり、つまり左回転で緩むということです。

左クランク側は部品がゴチャゴチャしていないので、写真の引っ掛けスパナなどを入れやすいです。固着している場合はKURE 5-56を吹き付けてしばらく放置しましょう。

力任せにやると引っ掛け部分を舐めるので力加減に注意します。

左ワンを取り外す

左ロックリングが外れたら、次は左ワンを取り外します。以前、アルベルトのBB分解・清掃を行ったのですが、その時使用されていた形状と異なるものでした。

今回は手元にあるモンキーレンチを挟み込み、写真で丸した部分を手をトンカチのようにする要領で叩いて外しました(もちろんトンカチやゴムハンマーでも可)

経験上、ワンはロックリングよりも簡単に外れる傾向がある気がします。なので専用の工具がなくてもワンを挟み込む工具があれば何とかなるかな?と思います。まずは手元の工具で挑戦してみてはいかがでしょうか。

―ボトムブラケットシェルもついでに清掃しておこう
ボトムブラケットシェルの汚れ  ボトムブラケットシェル清掃後

無事にボトムブラケットが外せたところで清掃…といきたいところですが、BBを収めるボトムブラケットシェルも丁寧に清掃しましょう。

観察してみるとダンロップの自転車は赤錆や汚れが酷かったです。パーツクリーナーを吹き付けて、ぼろきれやウエス等でふき取ります。写真1枚目が清掃前、2枚目が清掃後です。随分綺麗になった!

ボトムブラケット(BB)の清掃

カップアンドコーンBB-清掃前

取り外したボトムブラケットです。汚れが酷くグリスも完全に切れてしまっています。カップアンドコーン式は分解・清掃が出来るのがメリットのはずなのにこれでは駄目駄目ですね(^^;)

カップアンドコーンBB-清掃後

それでパーツクリーナーと歯ブラシを使用して清掃した後がこちら。新品の様にピカピカになりました。このときボトムブラケットの軸の虫食いや、リテーナーのボールベアリングに欠けがないかチェックしましょう。

ボトムブラケット虫食い発見

私の場合、軸の右部分に虫食いを発見しました(T-T)

今までメンテナンス知らずの乱暴な乗り方だったので致し方なしといったところでしょうか。。とりあえずこのまま使用します。

 

ボトムブラケットグリスアップ

清掃を終えたらボトムブラケットにグリスアップを行います。私はAZ リチウムグリスを使用しています。

ダンロップの自転車はBBシェル内に赤錆が見られ、やや水が入り込んでいる印象がありましたよね。リチウムグリスはやや水に弱いのでどうしようか迷ったのですが、これからは定期的にメンテナンスを行うでしょうしそのまま塗ることに。

ただし、ワンの部品は外の雨風に直接接触するのでシマノ プレミアムグリスを使用します(緑丸部分)こちらは水に強いのでその方が安心かなという考えです。

ワンの部品はプレミアグリスを塗る

実際プレミアムグリスを塗りつけているところです。ちょっと多すぎた(^^;)

内部はリチウム、外部はプレミアグリスなんてイメージでしょうかね(個人的な勘でやっているので、この行為が正解かは自己判断して下さいね)

ボトムブラケット組みつけ完了

ボトムブラケットを取り付けたら、左右のクランクを取り付けます。部品をはめてナットを締め付けるだけなので簡単です◎

チェーンをかけてやれば完成です。チェーンリングも綺麗になってよかった!

まとめ

以上、カップアンドコーン式ボトムブラケットの分解・グリスアップでした。

作業内容自体はとても簡単です。しかし、これら作業を難しくする理由の大半は部品が硬い、固着していることだと思います。

固着を緩めるKURE5-56のスプレー、ハンマーなどの道具を上手に使用、力の入れ方を工夫するなどしてボトムブラケット最深部にたどり着きましょう。

カップアンドコーン式ボトムブラケットは分解・清掃が行えて何度でも新品の様に蘇るのが素晴らしいです。しかし、たどり着くまでにいくつもの専用工具が必要、そして部品の固着…。

そりゃ物好き以外は誰もやらないでしょうね…(^^;)

アルベルトBB外し-アイキャッチ画像
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非日常の世界へ…