先日、久々にヤビツ峠に行ってきました。最後に行ったのは北海道へ行くより前だったから、実に4,5年以上ぶりでしょうか。
前に行った時は、プレシジョントレッキング(プレトレ)という自転車を使用したのですが、今回登場する自転車はプレトレではなくママチャリです。
プレトレで物足りなくなったとか、そういう訳ではなくきちんとした理由があります。この挑戦に至るまで色々あったので、今回は書き記しておくことにします。
半壊ママチャリと半壊人間、ヤビツ峠へ
序:スタート地点の名古木を目指しながら思うこと
まずは玄関口の名古木を目指す
国道246号線を使って、秦野(名古木)方面へ向かいます。
この日は2021年7月21日でしたが、道中、梨を売る農家さんがあって「今年の梨は早いなあ」なんて思ったものです。
鶴巻温泉あたりまではわりと平たんな道が続くので、風景を楽しむ余裕がありますね。
鶴巻温泉から新善波トンネル入り口までは上りです。結構長めの坂なので消耗します。
消耗といえば、この日は終日快晴だったので日なたはとにかく暑い。熱中症にならないようにこまめに水分補給を取ることを心がけました。
ママチャリで坂道をえっちらおっちら上っていてふと、「何をやっているんだか…」なんて気持ちがわいてきました。
ヒトもママチャリも半壊状態だった
かれこれ3回目となるヤビツ峠。
真新しい気持ちは少ないものの、今回の挑戦には1つだけはっきりとした理由がありました。それは、半壊状態だった私と自転車(ママチャリ)がヤビツ峠の頂上に到達することで互いに自信を取り戻すことです。
半壊状態を少し説明すると、私自身は2020年の暮れより両ひざ(+ふともも)を、ママチャリはフレームと前カゴ以外、そのほとんどが壊れていた経緯があります。
私は昔からひざを痛めやすく、自転車ネタでは北海道海岸線一周の時に苦しんでいます。今回は支えていた反対のひざも痛めてしまって、痛みが消えるまで時間を要しました。
ママチャリは2019年にオーバーホール級の修理に取り掛かりました。
当時で既に10年選手くらいだったのですが、スポークやブレーキレバーは折れるわ、タイヤは裂けるわ、で走行不能状態でした。半壊どころではなかったです。
正直、買い換えた方が安いと感じましたが、自転車の肝となるフレームは折れてませんから再生させる道を選びました。
この修理の記録は半壊ママチャリの再生という内容(全7回)でまとめています。
自転車を修理している過程でどこかに行こうかなと思ってはいたのですが、2020年は都合がつかず、そのうち私がひざを壊して落ち着いたのが21年5月過ぎ。
以降、少しずつ調子が上向きになってきたので私自身が体力作りを再開して、21年7月今回の挑戦。そんな経緯です。
名古木で出発の準備
ここに至る経緯を思い出しながら走っていたら、新善波トンネル入り口までの上りを終えて後は下り坂。じきにスタート地点の名古木のセブンイレブンに到着しました。ここで準備をします。
準備といってもサポーターをきつめに巻きなおすだけですけど(笑)以前、北海道の斜里町で出会った旅人に教えて貰ってからずっと愛用しています。
当時は痛めたひざに巻き付けて、無痛状態を作っていましたから(褒められた話ではないですが)いざというときの効果は確かなものです。
2人で表ヤビツを上る
準備を整えたので上り始めます。まずは蓑毛のバス停に向かうのですが、このバス停までは傾斜がきつく、ママチャリには鬼門。
後ろカゴも外さず、軽量化なんて知るかボケ、お買い物自転車通るぞオルァと乗り込みましたがしんどいのなんの。
ここで頑張りすぎると、またひざをやるな…という感じがしましたね。自分は坂道にくるとついつい張り切って全力で上りがちなのですが、これがよくない。
北海道でも学びましたが、自分にとってのゴールの設定が大切です。そしてその完遂。
今回の私の目的は、私とこの自転車を頂上まで引き上げることです。最悪、休憩も押すのも問題ないので、頂上に向かうことに集中します。
しばらく上ると蓑毛のバス停に到着。この日のしんどさは坂のきつさよりも、日差しの強さの方が辛く感じます。
自転車に乗っていて道を知っているというのは大きなアドバンテージです。日差しのことだけ気にしていればいいわけですからね。
北海道に行ったときは知っている道など1つもなく、荷物は多いわ、天候は安定しないわ、熊出没注意だで随分と鍛えられました。
あの時の経験も少しは活かされているのかもしれませんね。
噂をすれば、蓑毛のバス停から少し行ったところに「熊出没注意」の看板が現れました。ツキノワグマかな?
こんな看板、昔あったかなあ。北海道で嫌というほど経験してきましたが、何度見てもドキッとしますね。
蓑毛以降は傾斜の厳しい坂が少なく、ママチャリでもそれなりに上れますね。
木漏れ日の中なので涼しいのが良いです。汗をかくと山道は冷えるのでシャツの代えはあった方がいいかな。
段々と景色が高くなっていきます。
このママチャリは内装3段式でリアスプロケットを16Tから18Tに交換しています。ちなみに前は32Tでと後ろ18Tとのギア比は1.30、1.78、2.42です。
一番軽い1.30があれば、蓑毛以降はいけるかな。蓑毛までは自分の場合、ひざの怪我を覚悟すれば何とか。笑
ひざの怪我を心配するならば、ママチャリで峠に来るなという話ですが…。
植物の観察も楽しみの1つ
道中、植物の観察もしながら上ります。ヤマユリとホタルブクロが咲いていました。
1回目に上ったときもヤマユリをみているんですよね。ということは、当時も7月かな?毎回毎回暑い時期に上っているな…。
しばらくすると浅間神社に到着。この神社は前々から気になっていたので、今回は下山時に行ってみることにします。
ちなみにここら辺で何台か車に追い抜かれたのですが、カップルのお姉さんに指さされてママチャリだって笑われました。ほっとけ!笑
菜の花台展望台にやってきました。
ここまでくると頂上まで後ちょっとという気持ちになりますが、実際は地味に距離があります。はやる気持ちを抑えてコツコツ進みます。
標高が上がるにつれてちらほらタマアジサイを見かけました。蕾の形が玉になっていて面白いですね。
植物は標高や光の当たり具合、土質などで育つ種類が変わります。自生する植物を観察すると色々なことが分かって勉強になります。
そういえば、菜の花台展望台から頂上付近は少し薄暗くて、自転車の前後のオートライトが付いたり消えてりしていました。
植物観察に浮気をしながら上り続けて、ヤビツ峠の頂上に到着しました。
自分、自転車とも違和感なく、頂上まで上がってくることができましたね。
よくやったぞ、自分。よくやったぞ、半壊ママチャリ!僕らは親友だ!
ママチャリは下山の方が怖い
そういえば、ヤビツの売店は今日も開いていませんでした。平日は開いていないのかな?
実は下山にあたってバイク用のインナープロテクター(ひざ用)を持ってきていました。
ぶっちゃけこのママチャリは100%信用していないので、制御不能、フレーム真っ二つの空中分解も想定していました。そのため、怪我しないようにヘルメット、長袖、プロテクター完全装備で下山します。
え、さっき僕らは親友だって言ってたじゃないかって?ジブンノイノチノホウガダイジダヨ
下りは快適ですね。上ってきた苦労は何だったというくらいに。
ただ、ママチャリの下りはどうかなーと思っていましたが、思っていたより怖さはなかったですね。
特に制動(ブレーキ)を心配していましたが、ここに至るまでずーっと調整を繰り返していたこともあってか、ばっちり決まっていました。
上りで予告していましたが、浅間神社の階段を上ってきました。
そういえば、今回後ろカゴに反射材を巻きつけました。
以前、オートバイの免許を取得して、免許の更新に行った際に試験場で購入したものです。本来腕に巻き付けて使用するものですが、カゴでもばっちり◎
帰り際、蓑毛の水車も立ち寄ってみました。
上っている時は、止まってみようなんて気持ちは起こりませんでしたが、帰りは惹かれるものがありました。やっぱり余裕って大事。
その後、無事名古木のコンビニに付いたので帰宅しました。
(おまけ)帰り道の国道246号。鶴川温泉に向かう途中です。
疲れたから歩道ダラダラ走りながらと思いましたが、道なんてあったものじゃない。でも今回は重量のあるママチャリだったので、突っ込んでも怖くなかったですね。
まとめ
以上、半壊ママチャリと半壊人間、ヤビツ峠へでした。
プレトレも大概ママチャリ寄りな乗り物ですが、今回は完全ママチャリでした。
北海道海岸線一周旅をやったせいもあってか、以前ほどしんどさがなかったかな?という印象でした。ひざの怪我などありますが、強くなっているのだなと感じますね。
去年の暮から苦しんだ両足の怪我
回復の暁には、半壊状態で動かなかった君とヤビツ峠を登り、ともに梅雨明けを宣言したかったんだ長らく続いた冬を越え、僕と自転車は通じ合っていた。内心、プレトレで行けばよかったなんて気持ち、誓ってなかった…よ
──二人の梅雨明け(カゴ好き 著) pic.twitter.com/hqZe9DIOiC
— カゴ好き(暫定) (@kagocharilike) July 21, 2021
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