『北海道海岸線一周(18) 道北編1 -オホーツク自転車道+α サロマ湖にて-』
ー前回までのあらすじ(前回は【道東編9】網走と流氷と監獄と…。【網走周辺】)
網走に滞在しています。1日かけて網走の観光名所をまわって過ごしました。オホーツク流氷館、博物館 網走監獄、能取岬の順に巡り網走でもう一泊することに。
道東編を完結させ、新章の道北編へ突入します。少しずつ、着実に、日本最北端の地が近づいていることを感じているのでした――
北海道18日目…網走を出発し北上する
網走のホテルで起床しました。朝食付きだったのでわくわくしながら向かいます。
ホテルの朝食に対する考え方も変わりました。今までなら「ビュッフェかー」くらいにしか思いませんでしたが、今回の旅を通して「これはありがたい」って。
昨日のすき家の牛丼でも書きましたが、温かいご飯やみそ汁は当たり前ではないのです。バランスよく食べたら出発します。
網走を出発しました。国道238号線を利用して北上するのですが、すぐ横にオホーツクサイクリングロードがあることを発見。
北海道の道は元々広いのに、なぜこんな便利なものが…と思ったのですが、旧国鉄勇網線の廃線跡地を整備したようです。
現在地の網走中央公園とサロマ湖の全長約40.2kmを結んでいるのだとか。これは使わせてもらうしかない。
大曲駐輪場からサイクリングロードに入った直後の風景です。
殺風景ではありますが、車がいないというだけでストレスが大幅減です。
しばらく進むと、車道とサイクリングロードが交差する橋を渡ります。このポイントはなかなか景色がよかったです。
道路が交差したので、ここから先は木々の中を走っていきます。
この木々の中を進む自転車道の雰囲気がよくていいんですよね。この日は久々に天気がよかったので、日の光と風の感じが最高でした。
ただ途中で、ワシ?タカ?やたら大きな鳥が飛んできて襲われるかと思いましたが…。汗
ところで、オホーツクサイクリングロード(国道238号)を走っていると、途中、小さな半島のような場所があるんです。上記の地図で伝わるかな…?
ツーリングマップル 北海道で確認すると、そこには道路があるようなので進んでみることにしました。
何だか海岸線ルールもすっかり体に染みつき、道路があると反射的に向かうようになってるのが笑えてきますね。
国道238号を外れて名もなき半島の海沿いの道を進む
この半島、名前が分からないのですがぐるりと一周できます。
実際に行ってみると見晴らしがよくていい場所でした。遮るものや人工的なものがないので景色がいいです。昨日訪れた能取岬の灯台が見えますね。
写真のように遠くの方までよく見えるので、さっき見た地図のここら辺を走ってるなというのがよく分かります。これも何だか面白い感覚です。
牧草ロールがいっぱい作られていました。
斜里の町の郊外でも見かけましたね。どうやったらこんなに綺麗に丸くなるのかな…?って相変わらず不思議な気持ちです。
あたり一面、植物の穂で大地がこがね色に染まっていました。
この景色が延々と続いていて圧巻だったのですが、私の写真の腕ではこれが限界。左右の見切れ分は脳内で補完して下さい。
こういう景色がみられるのも、道を外れて進んだおかげです。海岸線ルールを張っていて良かったな。
サロマ湖ワッカネイチャーセンターにて再会
名もなき半島の道をまわって無事、国道238号線に戻ってきました。オホーツクサイクリングロードに戻って先に進みます。
ここからは海岸線ルールを適応して、国道238号 → 道道1033号 → 道道442号と海沿いを走ります。
道道442号を走っていると、サロマ湖ワッカネイチャーセンターという場所があったので寄ってみることにしました。栄浦の漁港に橋がかかっているので、それを渡るとすぐのところにあります。
ネイチャーセンターはワッカ原生花園の案内、休憩所やトイレを備えた施設です。
ワッカというのはアイヌ語で真水という意味だそうです。このネイチャーセンターのずっと先を行ったところにワッカの水と呼ばれる真水が湧きだしているスポットがあります。
原生花園は自転車か馬車で進むことができます(徒歩も可ですが広大なので…)自動車、オートバイの乗り入れは禁止です。自転車は現地にて1日600円でレンタルすることもできます。
さて、ネイチャーセンターで休憩をしつつ、今日はどこまで進もうかと地図を開いて悩んでいると、遠くから見たことのある人影が…。
なんとびっくり、斜里のライダーハウス『クリオネ』で出会った自転車乗りの方でした(以下クリオネさん)
斜里の町で別れて何日か経っていたのに、この広大な大地でまた会うとは奇跡以外の何物でもない。
クリオネさんは明日北海道を飛行機で発たれるらしく、今日はオホーツク海をひたすら北上するとのこと(紋別の空港に向かわれるのかな?)
北上という点では私も同じなので、この日は一緒に走って湧別の町あたりを目指そうということになりました。
誰かと一緒に自転車で走るのは、上陸初日から数日ご一緒した人たち以来なので嬉しいです。
サロマ湖は続くよどこまでも
そんな訳でここからはクリオネさんと一緒です。ネイチャーセンターを出発して湧別町に向かうのですが、道はサロマ湖をぐるりと回っていくイメージです。
地図を縮小表示しないと全体が入りきりませんね。ネイチャーセンターから湧別の町まで40㎞前後といったところでしょうか。でっかい湖だなあ。
途中、道の駅サロマ湖、愛ランド湧別の2つがあるので寄っていこうということになりました。
そういえば、道の駅サロマ湖に行く途中、ヘビを一匹見かけました。道央編の浦幌以来でしょうか。真っ黒い個体だったのでカラスヘビですかね…。苦手なものほど見つけてしまうという…。
道の駅サロマ湖ですが、佐呂間町の特産がカボチャということでカボチャソフトクリームが販売されていました。
写真ピンボケしてますね…iPadでソフトクリーム撮るのって凄く難しいんですよ。涙
2人で話しながらのんびり走るのも楽しいものです。
楽しいって感じる自分に少し余裕を感じました。上陸したての頃も何人かで走りましたが、あの時はまだ楽しむほど余裕がなくて。
ここまで色々な経験を経て、体力的にも精神的にも強くなっているのでしょうね。今フェリーや上陸したての頃に出会った人たちとまた会えたら違うんだろうなあ。なんて。
そんなことを考えているうちに道の駅 愛ランド湧別に到着しました。一見、普通の道の駅といった外観に見えますよね??
ところがなんとびっくり、隣に遊園地(ファミリー愛ランドYOU)が併設されています。
外観は少し古びた感じがしますが、古き良き遊園地とも取れます。東京ならば浅草の花やしきって感じかな。
先ほどの道の駅サロマ湖と愛ランド湧別では地元産のおつまみが多数販売されていたので購入してみました。夜に飲み会する気まんまん。笑
湧別町に到着
ちょっとひざが痛くなってきたかなあという頃、湧別町に到着しました。
町の中に道の駅かみゆべつ温泉チューリップの湯があります。その名の通りで温泉が併設されています。キャンプ場へ行く前に入っていきました。
町の中にセイコーマートがあったので夕食と朝食を購入しました。
お酒類も含めると結構な荷物になったのですが、私のカゴ付き自転車が威力を発揮。2人分の食糧すべて載せきりました。笑
今夜の宿泊場所は湧別町から2km程度の場所にある五鹿山(ごかざん)公園キャンプ場です。
>>五鹿山公園キャンプ場(湧別町HP)(*1)
ささっとテントを張って夕食の準備をします。暗くて写真を残せなかったのですがセイコーマートで売っていたジンギスカンを焼いて食べました。これが美味。
お酒を飲みながら話をします。斜里で出会った時より少し深い話ができて楽しかったです。
クリオネさんは以前にも北海道に来たことがあるらしく、飛行機の重量制限を意識して荷物を軽量化したら、防寒具を減らしすぎて痛い目をみたという話が面白くて。
防災用の体に巻きつける銀のブランケットを巻いて寝てたら、ガサガサうるさくて寝れなかったというのは笑ってしまいました。
自転車旅は荷物の取捨選択がシビアですから、軽量化しすぎるとそういうことにもなるんですよね。飛行機が絡んでくると余計に厄介そう。
私も今回の旅を通して同じ経験をしています。飛行機に乗せられないプレシジョントレッキング(プレトレ)との物語。時間が経ったら笑い話として誰かに伝えられたらいいな。
北海道18日目まとめ
北海道18日目 90.26km走行(積算距離:1140.74km) / 全行程20日目(1268.77km)
網走から湧別までやってきました。
今日は2人で走ることが出来たのもあって久々に90km近く走りました。少しひざの痛みがありましたが、2人で話しながらだと進めるものですね。
今回から始まった道北編ですが、当時、地図を見ていてクッチャロ湖や日本最北端宗谷岬まで見どころがないかな?なんて思っていたんです。
それがいきなり旅人との再会から始まったので嬉しくなってしまいました。前に進めば何かが起こりますね。
思い返せば、旅のはじまり道央編も「えりも岬くらいで見どころは少ないかな?」なんて似たようなこと考えながら走っていたんですよね。
あの時も旅人との交流がその気持ちを埋めてくれましたね。観光名所を巡るだけが旅ではないとつくづく感じさせられます。明日も何か起きるといいな。
参考にしたサイトや文献
*1 湧別町公式HP | 五鹿山公園キャンプ場