『北海道海岸線一周(15) 道東編7 -斜里のライダーハウス『クリオネ』へ-』
ー前回までのあらすじ(前回は【道東編6】静かにそびえ立つ知床峠を越えて【標津→ウトロ】)
オホーツク海を北上、羅臼側より知床峠に挑戦しました。重量のある旅仕様自転車ですが、必死にかけのぼります。
峠の上りは快晴で穏やかでしたが、峠の頂まで辿りつくと天気が一変し霧が発生。下りは視界の悪さと戦いになりました。
無事に下山し、ウトロの国設知床野営場で一夜を明かすことにしましたが近くの抜け道でシカに取り囲まれるのでした――。
15日目…知床半島を抜けて斜里の町へ
テントを開けると…
知床のキャンプ場で一夜を明かしました。熊が出ることもあるとかないとかでガサガサって音がするとちょっとビビります。
キャンプ場って夜は静かなので遠くの音もよく聞こえるんですよね。それがまた恐怖を煽るというか。
さて、朝になったのでテントのジッパーを開けます。すると…。

目の前にシカがいました(^^;)
昨日の夕方、私を取り囲んだ一派の1匹でしょうか。

近くでキツネも走り回っています。エサを狙っているのかな。
朝から動物たちが近づいてきます。さすが知床の自然といったところでしょうか。
ちなみにキツネはエキノコックスという寄生虫を持っていることが多いので、どんなに近づいてきても触っては駄目ですよ。エサを漁っている様な感じがしましたね。
おっかないので、テントの中に逃げ、悠々自適にご飯を食べたら出発します。笑
ウトロの町を抜けて

ウトロの町に戻って海岸線をちょっといったところに道の駅「うとろ・シリエトク」があります。
大きくて綺麗な建物なので、一見の価値ありです。

コケモモと牛乳もミックスソフトがあったので食べてみました。
コケモモ味は知床自然センターで食べたのですが、ここにもありましたね。汗
オシンコシンの滝
ウトロ側の海岸線は平坦でおだやか、とても走りやすいですよ。
海岸線沿いにちょこちょこ滝が流れていて観光名所になっています。

ウトロの町から進むと、まず現れるのは三段の滝です。

小柄な滝ではありますが、趣がありますね。人があまりいないので静かに滝をみたい人にはおすすめできます。

次にオシンコシンの滝です。こちらの滝はとても大きく迫力があります。観光名所にもなっているようで車を止めるスペースなどもありますよ。
写真を撮ったら自転車は駐輪スペースに移動させました。

こちらが中段です。一般観光客の方はこの看板が入るようにして記念撮影されている方が多い印象でした。
右の方に階段が見えますが、さらにのぼって上の方までいくことが可能です。

最上段までのぼるとこのような景色をのぞむことができます。
これはマイナスイオン出まくりですね~。
無料ですし迫力も抜群なのでお勧めの観光地です。
斜里の町を目指す


引き続き海岸線を進んでいると知床エゾシカファームの文字。ご自由にお休みくださいとのことだったので寄ってみることにしました。

奥の方にエゾシカが見えます。どうも飼育されているようです。
エゾシカは野生でも高頻度で見かけるのに何故飼育されているのかな?と不思議だったのですが、あとで調べたところ、この知床エゾシカファームは鹿肉の加工、販売を行っている会社だったようです。
増えすぎる野生動物の対策も大変ですよね。
>>株式会社知床エゾシカファーム(*1)
334号線は海岸線を離れ内陸へ
途中、334号線は内陸に入っていき、畑が多くみられるようになります。

ニンジンの畑ですかね。細かに広がる葉が生い茂っています。

ハナマメ(甘納豆の原料です)の花が綺麗に咲いています。涼しい環境でよく育つとあって、ここが北海道であるということを改めて感じさせてくれますね。
さて、斜里の町が見えてきて安心していたところ…。
「カシャン…カラカラカラ…」
って音がしたんですよ。絶対何か落としたと思って自転車を止めて点検を始めたのですが、テールライトのカバーでした。
キャットアイ REFLEX AUTO TL-LD570-Rという製品を使用しているのですが、少しカバーの力が弱いかもしれませんね。私は取り外しが可能な結束バンドで固定してしまいました。
以下の記事で写真付きで解説しているので、よろしければあわせてご覧ください。

斜里の街に到着、クリオネへ
斜里の町に到着し、時間は昼過ぎです。
時間的にまだまだ余裕があり、網走まで行くことも不可能ではありませんでしたが今日は斜里の街で一泊します。
というのも、斜里の街には有名なライダーハウス『クリオネ』があるんですよね。この旅の中でも何度もクリオネの単語を耳にしまして、気になったので行ってみることにしました。

とりあえず、道の駅「しゃり」を発見したので、休憩がてらクリオネの場所を地図で探します。
道の駅で自転車乗りの方がいて少し雑談をしました。とても若い方で一日に漕いでる距離が私の倍近く違ってもう笑うしかなかったです。たくましいなあ(^^;)
ひざの怪我のことをいうと「自分も使ってるんですけど、巻くタイプのサポーターいいですよ!」って教えてくれました。身につけているところを見させてもらいましたが使いやすそうです。
せっかく教えてもらいましたし、善は急げということでサポーターを探しにいくことにしました。
斜里の街は大きくて、ホームセンターや薬局など何でも揃っているんですよ。大きめの薬局に行ったらサポーターを発見。購入したのはD&M ひざ・もも兼用型 スピードラップ D-98です。
それとオホーツク海側は思っていたよりも寒かったので、近くのホームセンターで上着を購入しました。
サイクリングの服装問題(サイクルジャージを着ない場合)の記事にある上からかぶるアウターがそれにあたるのですが、800円しない程度の価格でびっくり。今もその上着を着ながら記事を書いています。笑
追加の装備を揃えたので、クリオネに向けて舵を切ります。
ライダーハウス『クリオネ』

街を少し外れたところを、だいたいこの辺かな~と走っていると、道の横に迷いようがない大きな看板、そして入り口を発見。
中に入るといろんなものが目にみえてくるのですが、まずは奥の受付に行きましょう。

ここです。自転車を左の横っかわにつけておいて中に入ります。

ちなに値段はこのような通りでした。
画像クリックで拡大しますので、参考にしてみて下さい(写真は2017年当時のもの)

なかの写真です。山小屋のような感じで趣があります。売店も兼ねているようでキャンプ用品のちょっとしたもの(ボンベとか)や、飲み物などが販売されていました。
受付よりも少し早く到着してしまったみたいで、「時間まで椅子に座って待っていて下さい」と奥にあった椅子に誘導されました。
その後、無事に受付を済ませました。
500円で泊まれるライダーハウスも魅力でしたが、寝るときは静かに足を安静にさせたいと思い、男女別のドミトリー(相部屋)の1500円のものにしました。
+1000円で夕食会に参加できるとのことで追加します。今夜はすき焼きだそうです。
まず荷物を部屋にあげてしまいます。
『クリオネ』を探検

まずここが相部屋です。

相部屋入り口に張ってある注意事項(クリックで拡大表示をします)
当たり前のことといえば当たり前なのですが、文字にすると厳しいですね。

2Fの談話をする部屋になります。

2Fから撮影した景色です。なかなか趣があって良いですね。

外の散歩に行ってみることに。
テントサイトを借りた方はこの木の板の上にテントを張るみたいです。

ここは昼間はいこいの場で、ギター弾いていたり本当に自由な感じ。
夜はご飯を食べるところみたいです。先ほど受付で申し込んだ夕食会もここで開かれるとのこと。

レンタル自転車のコーナーだと思うのですが、そのなかに私と同じ自転車プレシジョントレッキング(プレトレ)がいました!改造はされていません。笑
しかし、まさかこんなところに仲間がいるとは驚きです。
北海道のあさひサイクルって札幌、苫小牧周辺に集中しているイメージがあったので、トラックで運んだのかな??通販で購入したのかな??なんて余計な想像をしてみたり。笑

少し歩いたところにいちごの畑がありました。食べ放題無料だそうです。笑
なかなか果物をとることができないので1つ食べてみることに…。

近くに行ってみるとぽつらぽつら赤いいちごが実っています。
いちごって本来は5月とかに実るんですよね。北海道は涼しいので、収穫時期が少しずれて夏なんでしょう。
日本ではクリスマス用途でいちごの出荷を間に合わせますから、ハウス栽培だ、促成栽培だで12月のイメージが強いですよね。自分も自然に実るいちごの姿ははじめて見たかもしれません。

うん、酸味があって美味しいです。
私は甘すぎず酸っぱさの残ったものが好みなので(みかんなども)ちょうどよい美味しさでした。

いちごの花が咲いていました。
いちごはバラ科でバラの仲間なんですよ。知ってました??全然バラと違うじゃん!と思った方はぜひ「ノバラ(ノイバラ)」で検索してみて下さい。ちなみにサクラもバラ科です。
新たな自転車乗りと出会いが

適当に座っていくのですが、目の前に座った方がたまたま自転車乗りの方でした!
学生さんでロードバイクなども乗られるというバリバリの自転車乗りですね。自転車観戦も好きとのことで話が盛り上がります。
この方、自転車が好きすぎてブエルタアエスパーニャを生で観に行ったという本物です(笑)写真見せてもらったのですが楽しそうだったなあ…。
個人的にジロデイタリア、ツールドフランス、ブエルタアエスパーニャ、ここら辺のビッグレースに実際生で行った人ははじめて出会いました。
好きだから(ためらいなく)行く!って感性が素敵ですよね。
ちなみにこの方もはじめての自転車はあさひで購入したとのことで、私の自転車を見るや否や「プレトレじゃないですか~!」なんて言ってくれました。
知らない土地でプレトレを通して仲良くなれるのもなんだか楽しいものですね。
その後もご飯を食べて、周りの方とも談笑して、楽しくお開きとなりました。
15日目まとめ

北海道15日目 47.64km走行(積算距離:948.63km) / 全行程17日目(1076.66km)
斜里の街までやってきました。
前日、知床峠を越えたので、傷めているひざをいたわるという意味でも走行距離50km弱程度でちょうどよかったと思います。
さて、ライダーハウス『クリオネ』は想像以上に大きい敷地で充実している空間でした。
よく自転車、バイク乗りの間で居心地がよくて1つの地域に停滞してしまうことを、「沈没(ちんぼつ)」といいますが、クリオネで沈没者が多発するのもよく分かりました。笑
近くを通るときは一度訪れてみると面白いですよ~。
参考にしたサイトや文献
*1 株式会社知床エゾシカファーム公式HP | 株式会社知床エゾシカファーム