ブリヂストンサイクル株式会社の自転車ラインナップの1つにアルベルトがあります。以下のような形状を見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
アルベルトはチェーンではなくベルト(ベルトドライブ)によって駆動します。
このベルトはチェーンと比べると音が静か、注油をしなくて良いという特徴があげられます。
その他にもスプロケット、チェーンリングの管理をしなくてよい(=注油関係のメンテナンスの必要がない)、錆に強いなどの利点があり、トラブルの少なさから通勤・通学車として良いポジションを取っています。
ちなみにアルベルトの名前の由来は、wikiペディアによると…
ALBELT – フレームの材料のアルミとベルトドライブから(*1)
だそうです。名前の響きもいいし覚えやすいですよね。
そんなアルベルトですが我が家に一台放置されていまして、今回しばらくぶりに使用できる状態にする必要性が出てきました。そこで今回はアルベルトの状態観察・整備を行うことにしました。
アルベルトの観察
まず整備するアルベルトの観察をします。
調べてみたら2004年頭に購入していたので、2003年モデルの初期型だと思われます。16年前か…歳とったなあ(^^;)
27インチのホイールで、オートライト装備、1発2錠パークロック(後輪を施錠するとハンドルにもロックがかかる機能)などが確認できました。
キャリアも後付けで装備させたものと思われます。100均のLEDテールライトもシートポストに装備させてありますね。
タイヤが劣化していた
さて、前輪を観察すると表面・側面ともにタイヤが割れていました。ホイールもサビが目につきます。最低限タイヤ、チューブ、リムテープの交換は必要かなと考えます。
前輪に対して、後輪のタイヤは割れておらず、むしろタイヤがあまり減っていないので「あれ?」と思いました。通常は前後輪で比べると後輪から先にすり減っていくイメージでしたが、前輪の方がはるかに劣化が激しいです。
それと初期型アルベルトにはブリヂストンのマイティロードというタイヤが装備されているはずですが、後輪タイヤはランクを下げたブリヂストンのタフロードのタイヤが履かされていました。
おそらく後輪タイヤはパンク等のトラブルで、一度以上タイヤを交換したものと考えられます。
微妙なタイヤが微妙に使える状態で残ってしまいました。うーん、一応まだ使用できそうだから前輪に移植しようかな(^^;)
チューブ、リムテープは劣化しているでしょうから全交換ですね。
ホイールは前後輪ともサビが散見されますが、値段が高いから様子見かなあ。基本、貧乏性なもので。汗
オートライトは以前から破損
もう1つ気になるのはオートライトの故障のことです。当時、人生初オートライト化だったのでその便利で感動したことを覚えています。でもいつの日かを境にか点灯しなくなってしまい、そのまま放置していました。
応急処置としてタイヤに擦り付けるパナソニック 3LED発電ランプ SKL095を、ダイナモライト取付金具-太めのフロントフォーク対応とあわせて取り付けました。
アルベルトは標準状態でダイナモライトを適切な位置に設置するポイントがなかったので、フロントフォークに取り付ける金具を増設するより他ありませんでした。ちょっと重いのが難点ですが、まあシティサイクルですからね(^^;)
これでライトの修理としたわけですが、実際に走ってみるとタイヤに強い摩擦が加わり漕ぎ心地が重くなるので嫌で仕方ありませんでした。オートライトからハブダイナモなので当然といえば当然ですね。
そんなある日、他の自転車についていたオートライトを試しに取り付けてみたら、実は点灯することが判明。ホイールの発電部分は生きていることが分かったので、新しいライトを購入・交換することにしました。
ちなみに当時のアルベルトに取り付けられたホイールはJ1端子(1線式)でした。
最近はJ2端子の商品が多いみたいだから選択肢は限られてしまうのかな…?
実際の整備-タイヤ周り
タイヤ、チューブ、リプテームの交換
交換に使用するタイヤはIRC WO 27X1-3/8 サイクルシード耐摩耗(85型) 黒 日本製タイヤ&チューブ各2本セット、リムテープはIRC リムテープ 27×1.3/8を用意しました。
IRCは井上ゴム工業という国産タイヤの老舗会社です。スーパーカブというバイクの純正タイヤなどで使用されています。バイク乗られる方の方が認知度は高いかもしれませんね。値段も手頃なのでおすすめです。
後輪のタイヤを前輪に移植するため、まずは後輪から作業を済ませます。
シティサイクルの後輪は部品がごった返していて、ちょっと面倒なんですよね。以前、後輪の着脱方法について記事をまとめたので、やり方が分からない方はそちらもあわせてご覧下さい。
後輪のベルト外しが少し面倒
作業自体はチェーンと比べてもさほど変わりません。ただ、ベルトを外す作業がちょっと大変かなと感じました。ベルトが思いのほか固くて、結構力を入れないと外すことができません。
写真のように取り合外し最中にチェーン引きに引っかかると余計に外しづらくなります。
そこでチェーン引きのネジがベルトに引っかかって取り外しを邪魔しないようにネジを回転させて車体内側に避難させるなど工夫すると良さそうでした。
…どうでもいいですが、アルベルトの場合正しくはベルト引きになるのかな。笑
とまあそんな冗談は避けておき、自転車から後輪ホイールが外れました。次はタイヤを外していきます。
タイヤの交換は、片輪1つずつ前後輪を一気に、どちらの作業方法でも自由ですよ。私は真冬の外でやりたくないので、先に前後輪タイヤを両方とも一気に外して部屋で交換作業をしました。
パーツが戻す自信がない方は、パーツの並びを写真に撮る、メモを取るなどして下さいね。
タイヤ交換の一連の作業過程・方法(タイヤ、チューブ、リプテープ交換)が分からない方は以下にまとめましたのであわせてどうぞ。
気付いたことだけまとめますと、まずリムテープがボロボロになっていました。手で触れるとポロポロと崩れていきます。
これはパンクなどのトラブルの元ですね。定期的に交換しないといけないということがよく分かります。
ところで、アルベルトの自転車ホイールには空気圧をチェックする”空気見張る君”と呼ばれるパーツが付いています。
ゲージが赤くなってきたら緑色になるまで空気を入れてねという部品です。
ある程度でも目視で空気圧が判断が出来るというのは便利ですね◎◎万人受けするように考えられているなあと感じます。
仕組みは簡単でチューブが膨らむとその圧力で空気見張る君のゲージ部分のパーツが押し上げられていくというものでした。
専門のチューブとかいるのかな?と思いましたが、これなら何を使用しても大丈夫そうですね。
今まで付いていたチューブには虫ゴム不要のスーパーバルブが装備されていました。後付けで装備したのでしょうね。
いつもなら米式バルブ変換 ACA-2を装備させるところですが、空気見張る君もいるので英式スーパーバルブとの組み合わせでいくことにします。
後輪のタイヤの着脱が終わりました。余ったタイヤは前輪側に回します。
後輪が終わったら前輪の交換作業を行います。やり方は後輪と全く同じです。むしろ後輪のような部品の多さからくる煩わしさがないので、一瞬で終了です。笑
新旧タイヤ比較です。手前がIRC85型の新品で後ろが(おそらく)マイティーロードです。古い方がいかにつるつるでひび割れな状態かが分かりますね。危ないなあ(^^;)
次は前輪に移したタフロードが傷むでしょうから、そのときはまた交換したいと思います。
細かい部品の新調
タイヤを交換しているときにサビで傷んだパーツが気になりました。特にチェーン引きとブレーキユニットを固定するネジの傷みが激しいです。ブレーキユニットに至ってはネジ穴がなくなっています(^^;)
今回、思い切って新調することにしました。自転車屋さんでもネット通販でもどちらでも購入可能です。
ネジについてはホームセンターで単品購入しても良いですが、自転車屋さんにいくと自転車ネジセットなるものも販売されています。
ママチャリに関係するおおかたのネジが入っているので1つ持っていると便利です◎
実際の整備-オートライトの交換
タイヤの交換が済んだらオートライトの交換に移ります。購入したものはパナソニック LEDハブダイナモ専用ライト [NSKL135-S]です。
作業といっても元から付いているダイナモライトを外して、新品に交換したら線を繋ぐだけです。ただ、1線式ライトということでボディアースに一癖ありました。
もし新品なのに点灯しないということがありましたら以下の記事をどうぞ。
今回からオートライトなので、タイヤを擦って発電する必要がなくなりました。フロントフォークに取り付けたダイナモライト取り付け金具(写真の黒い部品)は不要なのですが、ライトの高さを維持するために残すことにしました。
アルベルトに元々装備されていたカゴ下のオートライトは取り外しました。
固着してカゴ固定金具がライトから外せなかったので、金具だけ新調して取り付けてあります。
カゴの金具は自転車屋さん、ホームセンターで入手可能で、ネットでも自転車 カゴ取付金具 W型などがあるようです。
まとめ
タイヤ、チューブ、リムテープ交換と後輪タイヤを前輪へ移植、それとオートライトの取り換えを行いました。それと一部ネジ類の交換ですね。
私は後輪にしっかりとしたタイヤを履かせたい、前後同じタイヤである必要はないという考えなので、新品のIRCのタイヤを後ろに後ろにあったブリヂストンのタフロードを前に移植しました。
前輪タイヤ交換は簡単なので、移植したタイヤがもう少し傷んだらそれなりの新品タイヤに交換しようかなと考えています。現状我が家のシティサイクル乗れればOKです。笑
さて、今回アルベルトを観察していて驚いたことがあります。それは大きく傷みがないということに他なりません。野ざらしの時期もあったのですが、本体がサビまみれにならずとても頑丈だなと感じました。
細かい部品の劣化はどの自転車も同じですから、それを除けばアルベルトはトラブル・メンテの手間が少なくてもそれなりの状態を維持できる良い自転車だと思います。
自転車に関心ない人は油をさしたり、空気を入れるのも嫌でしょうからね(^^;)
【19.03.27】アルベルト整備、続編を作りました
クロスカブ本体の改良
本体(JA45)購入 / 外装カバーの着脱 / リアキャリアの拡張 / リアボックスの追加【リアキャリア延長による加工も】 / ホムセン箱の改良(ボルトやフックの増設) / マルチマウントバーの増設 / スロットルアシスト / ナンバープレートに荷掛けフックを追加 / 2ポートUSB電源 / バーエンド着脱とスロットルパイプの交換 / グリップヒーター取り付け / サイドバッグサポート / パニアバッグ取り付け / 右サイドスタンド / エアバルブ角度の変更 / テールランプのLED化 / エンジンオイルの交換 /
クロスカブまわりの道具
身に着けるもの(ヘルメット、ジャケット、手袋etc…)
ヘルメット選び【SHOEI Z7】 (ヘルメット選び方) / グローブ3種【夏・春秋・冬】 / バイクジャケット / 脊髄プロテクターの追加 / ニーガードプロテクター / トレッキングシューズ / レインウェア