サイクリング

【北海道一周 道南編3】積丹ブルーを追いかけて【余市→岩内】

『北海道海岸線一周(29) 道南編3 -積丹ブルーを追いかけて-』

ー前回までのあらすじ(前回は【道南編2】ウイスキー>>||壁||>>自転車旅【余市】

ニッカウヰスキー工場余市蒸留所の見学をしました。

世界で唯一の石炭直火蒸溜を生で見学できて感激です。結局1日余市で過ごして終了しました。結構な雨だったのでちょうど良かったですね。

さて、天気の回復を望んで就寝しましたが次の日は…?

29日目…積丹半島

起床までに色々あった

昨日は余市蒸留所で楽しいひと時を過ごしました。宇宙の湯、余市川温泉に入りご飯を食べ早めに就寝をしたのですが…。

夜10時過ぎから謎の食あたり

明け方まで腹痛と嘔吐の地獄です。朝になる頃には落ち着きましたが、見知らぬ土地で圧倒的孤独感を経験しました。もうあの情けなさといったら…。

げっそりした状態で起床して準備を整えていると道行く人が声をかけてくれました。

「お兄さん旅人??顔青いけど大丈夫?」

事情を説明すると笑いながら

「それはきついなー、よっしゃ、じゃあ何か飲み物買ってあげるから元気出せや!」

ありがとうございます…。汗

積丹半島を攻略しよう

本日は積丹(しゃこたん)半島を攻略していきます。

積丹半島といえば積丹ブルーと呼ばれる美しい海が有名です。特に晴れの日は絶景らしく、道行く全ての人に「積丹行くなら絶対に晴れの日がおすすめだなー」と言わしめるほどでした。

北海道海岸線一周の記事を時系列で読んで下さっている方は察した方がいるかもしれません。昨日、雨の余市に1日延長滞在した理由の1つにこのことがありました。決して試飲だけではありません。笑

まずは美国へ

積丹町の美国に黄金岬と呼ばれる場所があります。黄金岬は留萌にもありましたが、日本海あるあるなのかな。笑

積丹町観光せんたぁ

黄金岬にいくためには途中から徒歩になります。そのため自転車は積丹町観光せんたぁとめさせてもらうことにしました。なかに入るとトイレもあります◎

黄金岬入口

黄金岬の入り口です。これは意識していないと見落としますね。

ここからは狭い山道で徒歩で進むことになります。

 

黄金岬道中

こんな感じの道をハイキング気分で進んでいきます。昼間はそれなりに人を見かけました。

この道ヘビが出るんじゃないかなあって気はしました。実際は出ませんでしたけどヘビ嫌いの私のセンサーに反応するものが(^^;)

黄金岬やぐら

10分くらい歩くと道が途切れて木のやぐらのようなものが現れます。

ここが黄金岬終着点のようです。

 

黄金岬看板

やぐら(展望台)の横に黄金岬を示す看板が立っていました。

この黄金岬から見える宝島は上空からみるとハートの形で開運効果があるとかなんとか。笑

 

黄金岬からみえる海

やぐらに上ってみました。黄金岬が一望できますね。

確かに綺麗な青色をしていますが、やや曇りということもあってか思っていたのと違う…?積丹半島ははじまったばかりなので次に期待します。

松山千春-ロマンの碑

ところで帰り道に碑を見つけました。松山千春が曽祖父に捧げるロマンの碑だそうです。

行き道にもあったはずなのに気がつかなかったな…。

 

積丹岬自然遊歩道を歩く

積丹岬自然遊歩道-01

積丹半島を進んでいると、ぽつらと積丹岬自然遊歩道の文字を発見。

紙地図のツーリングマップル 北海道で調べてもあんまり分からなかったのですが、進めるようだったので自転車をとめて進んでみることにしました。

積丹岬自然遊歩道-02

黄金岬の道よりけもの道感が上昇しますね。実際入り口に盗難注意やらヘビ注意やら看板があったので物々しさは感じていました。

積丹岬自然遊歩道-03

さらに奥に進むと沢のような場所に出ます。静かでいいところなんですけど、熊出ないよなってちょっとビビっていました(^^;)

クマ避けの鈴は携帯しておいた方がいいかもしれませんね。

積丹岬自然遊歩道-04

沢を抜けるとやや草丈の長い草原に出ます。人が通っているところは踏み固められた道になっています。ここはここで何が飛び出してくるか分からない感じがしたので歌を歌いながら進みます。笑

積丹岬自然遊歩道-05

これらのけもの道を海岸線まで進むと、このような絶景がみられるというわけです。

未だに何という崖なのか分かっていないのですが圧巻でした。来たかいはあったけれどまたけもの道を歩かないといけないと思うと…。汗

積丹岬自然遊歩道-06

このポイントの海は写真のような感じです。黄金岬のときと比べて青みが増した気がします。これは次のポイント期待したい…!

島武意海岸を散策する

次にやってきたのは島武意(しまむい)海岸です。日本の渚百選にも選ばれたところらしいですよ。渚百選ってなんじゃい!とwikipediaを調べてみましたらば…、

日本の渚百選(にっぽんのなぎさひゃくせん)は、大日本水産会などで作る選定委員会が1996年(平成8年)に発表した100の渚である。(*1)

た、たぶん立派な賞なんでしょう…。

島武意海岸はぎりぎりのところまで自転車を運んでいけます。ただし行き道は激坂になりますのでご注意を(^^;)

島武意海岸-01

島武意海岸へはこのトンネルを抜けていきます。雰囲気ありますね~。

島武意海岸-02

トンネルを抜けると島武意海岸の立札が現れます。

この真下が島武意海岸になるのですが、景色はいかほどに…。

 

島武意海岸-03

これは想像を超える美しさでした。おそるべし積丹ブルー。

海の青さが何色にもなっていることと、海辺の色が純白なので映えるんですよね。1日我慢して晴れた日に来てよかったなあ。

島武意海岸-04

海岸までは階段が伸びているので降りていくことが出来ますよ。せっかくなので綺麗な景色を見ながらのんびり散歩してみてはいかがでしょう。

…と、言いたいところですが階段が相当急なので覚悟して行って下さい。下りは景色補正があるので良いのですが帰りの絶望感が半端ないです。ひざや足が悪い方はご注意下さい。

島武意海岸-05

一番下まで降りてきました。ここから見ると海の色はそこまでよく分からないんですよね。

波も穏やかなで良い感じです。今回北海道に来るまでは日本海ってとにかく荒々しいイメージが強かったのですが、留萌の黄金岬の磯遊び、今回の積丹半島を通して印象が変わった気がします。

そういえば先ほど、積丹岬自然遊歩道を歩きましたが、海岸線沿いを歩くとこの島武意海岸にも繋がっているようです。

神威岬は強風の嵐

最後に神威(かむい)岬に向かいます。オホーツク海側を北上しているときにも同名の岬があった気が…黄金岬もそうでしたが、これは意味があるのかただ被っているだけなのか…(^^;)

神威岬は強風が吹き荒れることで有名な場所のようでした。実際この日もものすごい風。自転車が前に進みません。気合で進みます。

向かい風の力は馬鹿になりません。食あたりで削られた体力がさらにガシガシと削られていきます。

島武意海岸から神威岬までの道中、美味しいと評判のウニ屋さんがあるらしいのですが、食あたり直後のため断念。ここで何かあって動けなくなったら笑えないですからね…。無念。

神威岬-石碑

そんなこんな悔しい思い、そして強風と戦っているうちに神威岬の周辺にやってきました。

駐車場は大きく、お店もあるので観光客で賑わっています。自転車は風で倒れやすいので良い場所を探して下さいね。

 

しゃこたんブルーソフトクリーム

ウニは食べられなかったのですが、積丹ブルーソフトクリームを発見したので食べてみることに。

今思えばソフトクリームも駄目だろって気はしますけど。笑

 

女人禁制の地神威岬

神威岬の入り口に向かいます。元々は女人禁制の地だったようですね。人がひっきりなしに出たり入ったりしています。

神威岬の自然-01

はるか遠くに見える白い灯台がゴールです。

この山の背骨のようなところをひたすら進みます。強風なので帽子類は被らない方が良いでしょう。

神威岬先端に続く通路-01

ところどころ鉄の格子でできた物々しい道を歩きます。

安全性は高そうですけれど、隙間から下が見えてしまうのが何とも恐怖心を煽ります。高いところが苦手な人は嫌かも(^^;)

 

神威岬先端に続く通路-02

鉄の格子を抜けると木道ゾーンに移ります。まだまだ先は長いです。

 

 

神威岬先端に続く通路-03

実際こんな道を歩いています。人とすれ違うとぎりぎりくらいの狭さなので、すれ違うときは譲り合いが必要です。

しかし日本ではこんな景色はなかなか見ませんから歩いていて楽しいです。万里の長城とかこういう気分になるのかなあ。

神威岬の海-北側  神威岬の海-南側

ちょっと面白いなと思ったのが神威岬の先端に対して進行方向右側の海(北側)と左側の海(南側)の海の色が違うということです。

北側は積丹ブルーと呼ばれる海ですよね。南側は私が想像していた物々しい日本海の姿でした。岬を挟んで様子が違うというのも面白いものです。

神威岬-灯台  神威岬-先端

20、30分くらい歩くと先端まで辿りつきました。灯台と石碑、そして大きな岩があります。岩は何故か撮影スポットと化していました。笑

神威岬に生育する植物

神威岬先端に生えていた植物なのですが、地べたに這うほふく性を示すような植物がありました。強風に耐えるために背丈を低くしているのかな…?

神威岬の自然-02

帰り道に撮った写真です。北海道の台地を背景に撮るので、帰り際の写真の方が壮大な感じがしますね。風こそ強かったですが、歩いていて気持ちが良かったなあ。

神威岬の南側の海

南側の海に太陽の光がさしこんで光の道のようなものが出来ていました。

ドラゴンクエスト8の終盤、海にできた光の道を辿るシーンがありましたよね。何だかそれを思い出しました。笑

神威岬看板

さて、女人禁制の門があった近くまで戻ってくると、神威岬の大きな看板を見つけたので写真を撮っていました。

するとどこからか「あれー朝いたお兄ちゃんじゃん!」と聞き覚えのある声が…。

 

そう、今朝私に飲み物をご馳走してくれた方がそこにいました。どうやらその方も観光客だったようです。

「自転車で俺に追いついてくるとはやるなあ!よっしゃ、飲み物おごったげるわ!!」

ひいいい、ありがとうございます(T-T)

岩内へ向かう

神威岬から積丹半島の付け根にあたる岩内まで移動しようと思います。

強風のなか進むの辛いな…と思って地図を開くとトンネル地獄らしいです、嬉しいやら嬉しくないやら(^^;)

積丹半島のトンネル

しかし積丹半島のトンネルは違いました。側道が広いトンネルが多い!!

見て下さい。車が通れるんじゃないかというくらい幅がありますよ。交通量も多くないので全体的に走りやすかったです。

道の駅-オスコイ!かもえない

道の駅オスコイ!かもえないが現れます。

オスコイ!はニシン漁の網上げをするときに使用した掛け声のことだそうです。道南の道の駅は少し殺風景な感じがしますね。

流木アート-人

道の駅の外に流木アートが飾ってあります。遠くから見ると人だと勘違いするレベルの完成度です。初見が夕方、夜だと壊そう…(^^;)

流木アート-犬と鹿

流木アートは屋内にも展示されています。犬と鹿が飾られていました。

しかし、本物そっくりというか、よく出来ているなあ。

積丹半島-南側の道路

トンネル以外はこんな感じの道が続きます。THE 海岸線という感じで気持ちがいいですね。

海岸線の果てに新しい町が見えてくるとわくわくします。それは旅を始めた当初から変わりません。何回経験してもいいものです。

ホテル松や

夕方になる頃、岩内(いわない)に到着しました。今日はホテル泊をすることにします。ホテル松やさんです。

美しい景色をお送りしてきましたが、実際は昨日夜の食あたり騒動で身も心もやられていまして、体が弱っている感じがしました。この日ほど野宿をしたくないと思ったことはないです。

そういうときは割り切ってホテル泊に限りますね。落ち着いて荷物の整理も出来るし一石二鳥です。

 

ホテル松や-中の通路

カプセルホテル式なので簡易的な造りではあるのですが、大浴場がありますしお湯やらレンジやらあるので何も不自由がありません。快適です。

ホテル松や-部屋-01  ホテル松や-部屋-02

個室は張ってすぐのところが机で、ロフトのようなところにベッドがありました。荷物を置いて近くのスーパーに買い物に行くことにしました。

最後の最後に

岩内の町はわりと開けていまして何でも揃いそうな雰囲気がありました。大きなスーパーを見つけたのでそちらに向かうと…

「おおおおお、さっきの兄ちゃんじゃん!!!」

今朝と神威岬で出会い飲み物をご馳走してくれた方と再度遭遇!!これにはお互い爆笑です。笑

ゆっくり観光されていたのだとは思うのですが、自転車と自動車の走行距離が同じって何だか笑っちゃいますね。しばらく談笑したのちお別れをしました。

しかしフェリーで出会った道の駅スタンプラリーの方しかりですが、この広大な大地で同じ人と3回遭遇するのがお決まりみたいになっている気がします。笑

29日目まとめ

北海道29日目終了

北海道29日目 108.39km走行(積算距離:2017.47km) / 全行程31日目(2145.50km)

積丹半島を攻略しました。

積丹ブルーをはじめて目にしたのですが、本当に綺麗な景色でした。写真に収めると各々の好み(色の設定)が出るので、こういう美しい景色は実際に目にして感じてほしいなと思います。

余市から岩内まで100㎞ちょっとだったのですが、体が弱っていたせいかちょっとしんどかったです。峠越えではなくてよかった~。

今回で北海道の走行距離が2000㎞を突破しました。道央、道東、道北と走り回っているといつの間にか達するものですねえ。道南はまだ始まったばかり、まだまだその距離は伸びていきそうです。

次回は【道南編4】このたびはじめての民宿泊【岩内→島牧】

参考にしたサイトや文献

*1 wikipedia | 日本の渚百選

いざ、非日常の世界へ…
北海道自転車の旅~海岸線一周3000km物語~

>>北海道自転車の旅 ~海岸線一周3000km物語~<<

元値25,000円ほどの街乗り自転車(プレシジョントレッキング)とともに北海道へ。ただ道路の果てを知りたくて、ひたすら海岸線を進み続けた日々のお話。

プレシジョントレッキング(プレトレ)の改良遍歴
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