『北海道海岸線一周(9) 道東編1 -北太平洋シーサイドライン攻略戦-』
ー前回までのあらすじ(前回は【道央編6】釧路の街に到着して道央編完結!【浦幌→釧路】)
浦幌町から釧路まで北上しました。
浦幌のキャンプ場では出発直前に”ヤツ”との遭遇などもあり、テンションは地の底まで落ちるアクシデントも…。
久々にみる海岸線を横目に、ひたすら自転車を漕ぎ釧路に到着。無事道央編を完結させました。釧路の街で自転車の修理、自らの体の静養につとめます。
今回から新章である道東編が始まります――
北海道9日目…北太平洋シーサイドラインへ
北太平洋シーサイドラインを行く
いやはや、ホテルというのは快適なものですね。シャワーは好きなときに使えるし、ベッドに倒れればすぐ眠れるし、荷造りしないでいいし、しまいには朝食まで出してもらっちゃったりして。
この食事というのが結構大事で、野菜や卵が気軽に取れるのが嬉しいですね。自転車旅は炭水化物が多めになりがちなものですから。栄養面という意味でも、たまにホテルを挟むのは良い選択肢と思います。
さて、釧路から根室に行く道はいくつかあるのですが、私の場合は、なるべく海岸線に近い道ということで北太平洋シーサイドラインという道を行くのが良さそうでした。
釧路をあとにして海岸線を進むと…
すぐに北太平洋シーサイドラインの名前のついた看板が見えてきました。まずは昆布森という場所を目指します。
釧路を離れてそう遠くない場所ですが、人の気配が薄くなっていきます。例によって天気が崩れそうだし、おっかない獣出てきませんように。
途中大きな橋の上を渡りました。
北太平洋シーサイドラインという名前からして海岸線を走るのかと思えば、序盤はわりと森の中を走るんですよ。
森の中の道を進み、昆布森に到着しました。
小さな町なのですが、商店があったので軽食を購入して栄養補給をしました。
写真は昆布盛付近の道ですね。シーラインの要素はまったくなく、車の通りが少なくて静まりかえっています。
釧路出発直後に感じた獣感と天候の崩れがあたりそうな気がしてきました。
それとこのシーサイドラインという道は、その多くが坂道なんですよ。のぼれなくはないけど消耗する嫌らしい勾配が延々と続きます。
この中途半端な坂道というのが、大量の荷物を載せている自転車乗りには休憩ポイントが作りづらくてしんどいのですよね。
嫌らしい坂道との戦いを続けていると、急に視界が開けました。これは開放的で気持ちがいいですね(晴れていれば!)
しばらく続く下りをさっそうと抜けていくと。
進行方向右側に海が見えてきました。まさにシーサイドライン。
これは晴れていたら絶景ではないかと思います。晴れていればですよ。
ここからはしばらく海を横目に走ることができました。のぼりの時は景色をみる余裕はないのですが。。
車の通りが少ないので、気楽に写真撮影ができました。写真の場所なんて晴れていたら様になるんじゃないかな。
カーグラフィックの撮影をしていそうな素敵スポットでした。
見晴らしの良い丘の攻略を終えると、少しずつ民家が現れます。
途中、乳牛を発見。まだ小さいから子供なのかな。ずっとこちらをみてしっぽを振っていました。牛は愛くるしくて癒されますね。数日前のカラスも見習ってほしいものです。
さて、一旦国道44号線に合流します。側道が広くて走りやすいですね。奥の方に町が見えてきました。
そこは牡蠣(かき)で有名な厚岸(あっけし)の町なのですが、海岸線ルールを遂行するためには写真の右側にみえる半島に移動する必要があります。
半島移動前に休むか、もう少し進むかで迷ったのですが思い切って進むことにしました。そこで…。
2つの台地を結ぶ厚岸大橋を渡ります。
手すりのところで海鳥が等間隔で海を見つめていて、私が近くを通過するたびに飛び立っていくのが何ともシュールな光景でした。なんかごめんね。
橋を渡るとしばらくは人の家が続きます。しかしその後、緩やかな坂が続き、写真のような平原(湿原?)が現れます。
釧路のときも感じたのですが、急にすっと人気がなくなるんですよね。昆布森近辺と違って開けてはいますが、こちらも人の気配がなくて寂しい感じがします。
この辺りは鹿出没注意のようです。注意されなくても、なんだか出そうな雰囲気がぷんぷんしますよ。
前も後ろも人っ子一人いないので、孤独との戦いですね。獣が出てきてもおっかないので、たまに無意味に自転車のベルを鳴らしてみたり。笑
こちらの半島を走るにあたって、不安だったのが夕方が近かったんですよ。半島をぐるりと走ると霧多布岬(きりたっぷ)と呼ばれる場所があって、そこにキャンプ場もあります。
時間をみてもまず大丈夫だろうと踏んでいましたが、天気が悪くて暗めの空だったので時々焦りを感じました。こんなところでマシントラブルでも起きたら泣いちゃいますね。
また、海が見えてきました。本当に綺麗なところです。自転車じゃなくて、バイクでも、車でも楽しめますね。晴れているときにもう一度走ってみたいなあ。
美しい景色を楽しみながら優雅に自転車を勧めます。
…のんびり優雅に走ってると思うでしょう?
いえ、この周辺の坂道は地獄です。私は途中諦めて押すシーンが何度かありました。屈辱的でしたが、無理して踏んだら足が壊れると直感が働いたので諦めました。きい!悔しい!
辛い辛い坂道の連続を越えると琵琶瀬展望台(びわせ)に到着します。
この展望台は霧多布湿原(きりたっぷ)の南に位置するということで、湿原を一望することができます。これがなかなか圧巻です。
景色が一望できるということは、やっぱりのぼっているんですよね。
ほら、遠くまで巨大な湿原が続くんですよ。
ちゃんとしたカメラ持っていたら迫力ある写真が撮れるのでしょうが、なにせ古いiPadしかないので。汗
この展望台で香港から観光にいらしたという方に話しかけられて、やたら盛り上がりました。「そろそろ行くので…」と言ったら「頑張れー!!!」って大声で応援してくれました。笑
そういえば、出発直後にこんなことがありました。
さて、突然ですがクイズ「鹿を探せ!!」
写真の中に鹿が写っています。どこにいるでしょうか??
正解はピンクの丸部分に2匹でした!
実際はもっといてぴょこぴょこ動いていたのですが、写真に収まったのは2匹でした。
私が動く物体を鹿と認識するまでかなりの時間を要しました。その間、あちら様はずっとこちらを見ていたので(笑)たぶん、「あいつとろいなー」って馬鹿にしていたのでしょう。
いや、野生動物の感覚って本当に鋭いんだろうなあって思った瞬間でした。
霧多布岬(きりたっぷ)へ向かう
のんびりしていると日が暮れてしまうので、霧多布岬のキャンプ場に向かいます。関係ないですけど、きりたっぷって読めます?北海道は難しい地名が多くて毎日が勉強です。
途中、セイコーマートがあったので夕飯の買い出しをしました。北海道限定のソフトカツゲンを見つけたので購入してみることに。
雪印メグミルクが作っているいわゆる”乳酸菌飲料”です。疲れていたので甘くて美味しかった。みかけたら話のタネに是非是非。
さて、霧多布”岬”というくらいなので、のぼるんだろうなあと思っていたら案の定ののぼり道…。
岬といえば道央のえりも岬よりは楽な道のりでしたが、キャンプ場まであと少しというところでのぼらされるとげんなりしちゃいます。
周辺に温泉施設もあるとのことでしたが、夕暮れも近かったのでまずはキャンプ場に入りテントを張ってしまうことにしました。
霧多布岬キャンプ場は霧多布岬のすぐ手前の高台一面にあるキャンプ場です。
名前の通りで霧の多い場所ですが、ものすごく景色が良いのでおすすめです。晴れていたら絶景でしょう。
バンガローは有料ですが、キャンプ場は無料で使わせてもらえます。共同の水洗トイレや炊事場もあります。
斜面が多いので、”しっくりくる”ところにテントを張りたいですね。
テントを張ってご飯(セイコー飯)をささっと済ませてお風呂に行くことにしました。
霧多布温泉ゆうゆにやってきました。キャンプ場から10分もしないところにあります。車なら湯冷めしなくていいなあ…。
自転車を止めて中に入ろうとしたのですが、駐輪場にやたらカラスがいて怖かったです。カラスとは浦幌でパンを盗まれるというひと騒動がありましたからね。あれ以降、対立抗争が生まれています。怒
>>霧多布温泉ゆうゆ
霧多布温泉ゆうゆですが、料金は大人500円、子供250円でした。
1日走りこんで疲れた後に入る温泉は最高ですね。ちなみにこの施設には大きな休憩室がありますので、キャンプ場に戻らずしばらくダラダラするのも良さそう。
建物のなかはWi-fiが通っていたので、私もi-padで調べものをしながら休憩をしました。
そういえば自販機でガラナが売っていたんですよ。さっきソフトカツゲン飲んだしどうしようかなーって考えましたが、気がつけば手元に。笑
温泉に入ってだいぶ回復しましたが、シーサイドラインのアップダウンは堪えましたよ。ど疲れだったので塩っけのものが食べたくなり枝豆を購入しました。
炭酸(本当はビール飲みたかったけど)飲みながら枝豆食べてしばらくゴロゴロしてキャンプ場に戻り就寝しました。
北海道9日目まとめ
北海道9日目 109.93km走行(積算距離:549.08km) / 全行程11日目(677.11km)
釧路を出発し、北太平洋シーサイドラインを経由して霧多布岬へ向かいました。
今回は何といっても道中の北太平洋シーサイドラインですね。急激なアップダウンはもちろんですが、緩やかな上り下りがあって休む暇が与えられません。
そもそも自転車旅の大荷物を載せているので車体は重く、体力は削られる一方でした。走行距離は約110kmほどでしたが、数値以上に過酷でしたね。
元々、峠道を走るのは好きな方なのですが、今回は積載荷物のこともありますし、普段の峠と勝手が違うんですよね。普段の峠道のように力任せに漕ぐと私はひざを先に痛めてしまうと思います。
私は道央でひざを痛めてから、力任せに漕ぐという行為は続かないと反省し、負担の少ない体の使い方(漕ぎ方、漕ぎ量、休み方など)の習得を意識するようになりました。
そのコツがなかなか掴めない状態でシーサイドラインと対決したので、ボコボコにされた次第です。笑
今後の自転車人生の肥やしにもしたいので、諦めずにいきたいと思います。
と、まあこんなことを考えながら霧多布の温泉に入っていました。あー、やっぱりビールでも飲めばよかったな。笑
参考にしたサイトや文献
*1 雪印メグミルク | ソフトカツゲン
*2 浜中町公式HP | 霧多布岬キャンプ場
*3 浜中町公式HP | 霧多布温泉ゆうゆ