今回は写真のママチャリが主役です。フロントハブダイナモホイール、ライト新調によるオートライト化とタイヤ・チューブの交換を試みました。
我が家にある一台の自転車には古き良き(?)ブロックダイナモライトが装備されています。ローラー部分をタイヤにあてて発電しますが、漕ぐときに重たいのが難点です。
「重くてどうしようもない…」
そんな悩みを打ち明けられたので、思い切ってホイールごと交換することにしました。タイヤもやけにすり減っていたので、タイヤやチューブ、リムテープも同時に交換します。
新車を買うのもいいですが、持っているものを大事にするのも良いですよね(^^)
※タイヤ自体の交換方法は前後輪共通ですが、自転車本体からの外し方が異なります。後輪の外し方は少し複雑で説明が長くなってしまったため、一癖あるママチャリ後輪の外し方に改めてまとめました。
この記事の内容
- タイヤ、ホイールの規格を学ぶ ーママチャリ編
- 26インチのハブダイナモホイールを新調
- タイヤの交換方法おさらい【前後共通】
- オートライトを取り付ける
タイヤ、ホイールの規格を学ぶ ーママチャリ編
本題にいく前に自分の自転車のホイール、タイヤのサイズを調べましょう。サイズは各自転車によって異なります。
少し紛らわしいのですが、私達が調べる”サイズ”というのは自転車のタイヤやホイールのサイズであって、自転車本体のサイズではありません。
インチ表記とETRTO(エトルト)表記
タイヤサイズの情報はタイヤ側面を調べると解決します。24×1 3/8、26×1 3/8、27×1 3/8などと記載がありませんか?これらはすべてタイヤサイズに関係する情報です。例えば以下のような表記の場合…
26 × 1 3/8 37 – 590
赤線情報をインチ表記、青線情報をETRTO(エトルト)表記といいます。さらに分解してみると…。
26 | × | 1 3/8 | 37 | – | 590 | |
(1) | (2) | (3) | (4) |
上記のように4つに分けることができます。それぞれの意味は以下の通り。
(1)タイヤの外径(インチ)
(2)タイヤ幅(インチ)※1
※1.1インチは2.54センチメートルなので、1 3/8インチ = 2.54 + 2.54 × 3/8 = 3.4925センチメートルと置き換えられます(約3.5㎝と思うと馴染みやすいですよね)
(3)タイヤ幅(mm)
(4)リム幅、ビート直径(mm)
ホイール交換の際はまず(1)のインチ表記を確認し、タイヤを交換するときはETRTO表記も参考にします。
タイヤ選びで特に大切なのは(4)のビート直径で、(1)(2)が合致していても(4)の数値が異なるとホイールにははまりません。
私を例にあげると、今回は26×1 3/8の自転車を触ります。タイヤには【26×1 3/8 37-590】とありました。
迷ったときは(4)の数値を読み取ればいいのですが、ママチャリタイヤは「このタイヤは26 1-3/8とか27 1-3/8です!」ってパッケージ表記で売られていることも多いので、迷った場合は確認して下さい。
お店や公式HPで確認するときは自分のタイヤの数値を伝えるとスムーズですよ◎
26インチにも違いが ーW/OとH/Eについて
さて26×1 3/8 37-590と数値が分かったところで早速購入!といきたいところですが、W/OとH/Eの2種類の規格が存在するので、あともう少しだけ…(^^;)
W/Oをワイヤードオン、H/Eをフックドエッジといいます。W/Oは軽快車、H/Eはマウンテンバイクなどで使用されます。互換性は一切ありません。
軽快車(ママチャリ)にみられる26×1 3/8という分数表記がW/O規格のものになります(小数点表記がH/E規格)
よって今回はW/O規格の26インチのホイール・タイヤ(=MTB用は×)を買い求めます。
ほかにも様々な規格が存在しますが、今回はママチャリの範囲に収めます。この複雑さはネジのミリ、インチ問題を凌駕しますね(T-T)
26インチのハブダイナモホイールを新調
BRIDGESTONE 26インチ用(FWK6AT・3E811A0)
ホイールは巨大なダンボールで届きます。宅配便の方には感謝しつつ…。
購入したのはブリヂストン 補修用フロントホイール 点灯虫仕様 アルミリム 24・26・27インチ用(シティサイクル車用ハブダイナモ完組ホイール)ハブダイナモ仕様の26インチ用です。
普段使用しているプレトレ(700C)と違って26インチサイズのハブダイナモホイールはいくつか見つかりますね。
リムはシングルウォール、リムテープは12mmでピッタリです。
ブリヂストンではハブダイナモのことを『点灯虫(てんとうむし)』と呼ぶみたいですね。新種の規格なのかと焦った(^^;)
このホイールのオートライトを繋ぐ端子は、J2端子ということで2本線仕様でした。オートライトも端子の数に合わせて購入します。
【19.2.4追記】端子の数に合わせてオートライトを購入と書いたのですがJ2端子の場合、1本が+でもう1本がー(アース)の役割をします。アースの役割を自転車本体(ボディアース)で取ることができる環境ならば、J2端子のハブダイナモに1線式オートライトを取り付けることも可能です。
タイヤの交換方法おさらい【前後共通】
まずは自転車本体からホイールを外す
ホイール、タイヤ、チューブ、リムテープを交換するためには、まず自転車本体からホイールを外す必要があります。
以前、私の自転車(プレトレ)のタイヤ交換を記事にしました。そこで一連の流れを書きましたのでそちらも参考にして下さい。その上でもう一度タイヤ交換のポイントについて書いてみようと思います。
車体からホイールを外すポイント
前輪は14mm、後輪は15mmのナットでとめられています。それぞれのメガネレンチを持っていれば楽ですが、モンキーレンチでも代用可能です。
ナットを外す際、すべてのナット部分(前輪2ヶ所、後輪2ヶ所)の写真を撮影しておくと、取り付けるときに迷いません(自分は覚えが悪いので+α で紙にメモしています)
後輪の外し方については少し複雑で長くなりますので、別記事にまとめました。
ホイールからタイヤやチューブを外す
自転車本体からホイールが外れてこのような状態になったら、以降の作業は前後輪共通です。
- タイヤの空気を抜く
- タイヤレバーでタイヤを半分外す
- チューブの固定ナットを外してチューブを外す
- タイヤをもう半分外す
- リムテープを外す
外す ー(1)(2)タイヤの空気を抜いてタイヤを外す
普段、空気を入れるバルブがありますよね。そのバルブネジを緩めて栓を引き抜きますと空気が一気に抜けます。ついでにホイールに密着している細いナットも緩めておくとチューブを取り外すときスムーズです。
空気が抜けてスカスカになったらホイールにタイヤレバーを挿しこみます。まずは写真のようにタイヤレバーを2本挿しましょう。スポーク一本空きを目安にしています。
3本目を入れる頃には、真ん中のタイヤレバー挿入部分あたりのタイヤがホイールから外れてきます。外れた隙間部分にタイヤレバーを入れて横にスーッとスライドさせるとタイヤ片側を簡単に外すことができます。
タイヤ両側外したいところですがちょっと待った!
外す ー(3)タイヤからチューブを外す
これはホイールからタイヤが半分外れた状態です。ちょっと待ってもらってすみません。
仮にあなたがチューブだけを交換したい場合、タイヤを半分はめた状態でホイールに残しつつ、チューブを引き抜いて交換することが可能です。
バルブ部分を持ちながら引き抜くと、簡単に一周分取り外すことができます。チューブ交換を目的とされる方は取り付ける(2)(3)まで飛ばして下さい。
チューブを外して、その後残りのタイヤを外しました。リムテープの様子を観察すると穴が広がって傷んでいたため、これも交換します。六角棒レンチなどを突っ込むと簡単に取り外せます。
外す編はここまでです。
ホイールにタイヤやチューブを取り付ける
ちょうど今回ホイールを新調したので、このホイールに部品を取り付けていこうと思います。用意したタイヤ類はPanaracer SUPER HARD TOUGHNESS WO 26×1-3/8 サイドカラー:黒 タイヤ2本+スーパーチューブ2本セット (シティ車用タイヤ) です。タイヤ、チューブ、リムテープが前後輪セットでした。あれこれ選ばなくていいのは楽ですね(^^)/
取り付け作業の基本は、外す作業の逆の手順
- リムテープを取り付ける
- タイヤを半分はめる
- チューブに少し空気を入れつつはめる
- タイヤを付ける
- 車体に取り付け
取り付ける(1) ーリムテープを取り付ける
ホイールにリムテープを取り付けます。今回は12mmのものでピッタリでした。リムテープはホイールによって異なりますので各自確認して下さい。
特に難しい作業ではないのですが、リムテープの穴とホイールの穴の部分を合わせる必要があります。チューブのバルブ先端や六角棒レンチをはめて、穴が動かないようにしてやると取り付けが簡単です。
取り付ける(2)(3) ータイヤ半分、チューブをはめる
チューブだけ交換される方はここから再開です。タイヤがホイールに半分にはまっている状態にします。タイヤの中に収納していく感覚でチューブを入れていきます。
タイヤ取り付けの際、タイヤのロゴとホイールのバルブの位置を合わせておくとパンク修理の際の異物チェック等の基準にすることができます。チューブが○時の位置でパンクしたから、タイヤもロゴから○時あたり…みたいな。
チューブを入れるときは、少しだけ空気を入れておくと収まりがよく作業がしやすいです。
今回はチューブの先端も交換します。ママチャリは英式がほとんどですが、空気圧の管理ができません。今回はその点を改善するべく、米式バルブ変換アダプタのパナレーサー エアチェックアダプターを購入し、空気圧を管理できるようにしました。手前のオレンジ色のものが英式(虫ゴム)のものです。
取り付けの際に、わずかですがゴムの部品があるのでそこにシリコングリスを塗りつけました。その後チューブに取り付けています。少しごつい印象になりますね。
取り付ける (4)ー残りのタイヤをはめる
ホイールにタイヤ半分とチューブが収まったところで、残りのタイヤ半分をはめていきます。バルブの反対側からはめ込んでいきます。
最初は手ではめていくことができるのですが、徐々にタイヤが固くなり手でははめられなくなっていきます。
そこで再登場のタイヤレバー。タイヤを外したときとは逆向きで使用します(ピンク丸で囲った部分をその向きのままホイールに引っかける)
2本のタイヤレバーを取り付けて、せーのでタイヤレバーを持ち上げます。てこの原理でタイヤを押し込むイメージです。
手で押し込み、タイヤレバーで押し込み、残り1回くらいで完成しそうな写真です。しかし、この状態が最も固く力が要ります。タイヤレバーが割れるんじゃないかな?というくらい力を入れますが、今まで割れたことはありません。
ちなみにタイヤ取り付け時のタイヤレバー使用本数は2本で対応できました。
タイヤが一周分はまったら、チューブがタイヤに挟まっていないかタイヤをよくもみこみながらチェックします。(結構大事!)
取り付け後とナットについての余談
タイヤがホイールに付いたら後は車体に取り付けるだけです。
しかし、新品はやたら綺麗にみえますね~!
ところで新ホイールに付属されていたのはフランジナットでした。宇都宮螺子株式会社のHPにフランジナットについての詳しい説明があります。要約すると一体型のフランジナットの方が、部品2つ(ナット+ワッシャー)より作業効率いいでしょ!と理解しました。
実際、自転車の軸周りの部品が減ることは、分かりやすさ、作業効率の面ともにとても恩恵があると思います。ママチャリ後輪とか部品が多くて嫌になる。汗
パーツを元通りにしました。タイヤの交換はこれで終了です。輝いてる~!
【19.05.15追記】さらに別の自転車にハブダイナモホイールを追加したところ付属パーツに違いが見られましたので追記します。
―内側歯付座金はハブダイナモの横に
内側歯付座金はハブの緩み止め、歯をフォークにかませることによる通電目的などあるようです。通電目的なら歯がとがっている方がフォークにあたるようにするのでしょうが、これ表裏あるのか判別がつかない…。
この写真だとハブダイナモの線を刺す部分がフォークに隠れてしまうので、ホイールを回転させて良い位置を決めて下さい。
―フランジナット(セレート有)と菊座金が付属していた
今回のホイールにはフランジナット(セレート有:緩み止めの役割)に加えてワッシャーも付属されていました。今回の様に片側がギザギザになっているワッシャーを菊座金というようです。
シマノの公式HPにあるインター3(後輪の組み立て)のところに菊座金はギザギザを内側にと記載があったのでその通りに取り付けました(*2)フロント説明書が見つからなかったので取りあえず後輪用ということで(^^;)
オートライトを取り付ける
取り付けの前に古いライトを外してしまいます。
私の場合は10mmのレンチ(もしくはモンキーレンチ)で外すことができました。
新しいライトはシマノ LP-X101 LED ハブダイナモヘッドライトです。ホイールに合わせて端子が2つのもの(J2端子)を選択しました。このライトはプレトレのライトと同じものなので安心感があります。
部品のなかには配線をとめる留め具も付属されています。所持していなかったので、細かい配慮が嬉しいです。
実際取り付けてみるとちょっと配線が長いのか、想像よりぐるぐる巻きになりました。プレトレみたいにフォークから取回すのか…?
試運転で発光が確認できたら、作業終了です。タイヤ交換に比べたら簡単!
まとめ
以上、ママチャリにハブダイナモホイールを導入+タイヤ・チューブ交換した話でした。
あくまで私の感想ですが、タイヤ交換は工程を覚えてしまえさえすれば難しいものではありません。ただ、タイヤ交換の頻度なんてたかがしれているので複数台持っているとかでもない限りなかなか覚えるまで至らないかも(^^;)
挑戦してみようと思ったら、部品の配置や順番を細かく写真やメモにとりながらやってみるとよいと思います。後輪の外し方も参考ページ張っておきますね。
最後にこれは今回の新旧のタイヤの比較写真ですが、右の古いタイヤはすり減りが激しく表面がつるつるです。さすがにこれは滑って危ない。
自分で交換するにせよ、プロに任せるにせよ、高官時は見誤らないようにしたいですね。安全第一でいきましょう!
参考にしたサイトや文献
*1 宇都宮螺子株式会社 | ナット類/フランジナット
*2 SHIMANO公式 | nexus inter3情報ページ内サービス説明書(pdf)右上あたり
クロスカブ本体の改良
本体(JA45)購入 / 外装カバーの着脱 / リアキャリアの拡張 / リアボックスの追加【リアキャリア延長による加工も】 / ホムセン箱の改良(ボルトやフックの増設) / マルチマウントバーの増設 / スロットルアシスト / ナンバープレートに荷掛けフックを追加 / 2ポートUSB電源 / バーエンド着脱とスロットルパイプの交換 / グリップヒーター取り付け / サイドバッグサポート / パニアバッグ取り付け / 右サイドスタンド / エアバルブ角度の変更 / テールランプのLED化 / エンジンオイルの交換 /
クロスカブまわりの道具
身に着けるもの(ヘルメット、ジャケット、手袋etc…)
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