クロスカブ(JA45)のテールランプをLED化しました。
今回の改良の目的は2点で、(1)クロスカブの省エネ化を進めたい(2)純正のテール球よりも明るさを向上させたいです。
背景として、USB電源、グリップヒーターの取り付けや、今後の部品の増設によるバッテリーへの負荷を考えはじめたことがあります。
また、私は夜間走行がほとんどなので、後方からの視認性を向上させたい意図がありました。これらの理由からクロスカブの省エネ化として、電球のLED化を進めました。
電球はテールランプ、ウインカー、メーターまわりなどありますが、今回は第一段階としてテールランプの交換を行いました。
この記事の内容
- クロスカブ(JA45)のテール球の観察
- クロスカブのテール球は2種類存在する
- 実際に取り付けた様子、純正球とLED球の比較
クロスカブ(JA45)のテールランプをLED化した
クロスカブ(JA45)のテール球の規格を調べる
クロスカブのテールランプは年式によって2種類存在することが知られています。
その2種類は口径違いで、S25 BAY15Dか、T20ウェッジです。テール球の種類を調べるにあたって以下のページを参考にしました。
- クロスカブ(JA45/AA06)のウインカー、テールランプLED化について(クロライト ブログ様)
- 自動車の灯火装置(Grease Monkey 様)
実際に自分のクロスカブのテール球を調べるためにテールランプのカバーを外します。
まず、カバー下部にあるネジ2か所(写真矢印部分)を取り除き、上部のツメ(写真上部)を割らないようにゆっくりと外します。
テールランプのカバーを開けると電球が収まっています。着脱の際は少し押し込んだ状態で電球を回します。
ちなみに電球の下の反射板に12V 21/5 Wの文字がありました。これはストップランプの消費電力21W、テールランプ5Wの意味です。
つまりクロスカブのテール球は1つで2種類の発光をします。尾灯(テールランプ)とブレーキ作動時の強発光(ブレーキランプ)です。
この2種類の発光をする電球をダブルフィラメント(ダブル)と表します。
純正のテール球を取り出しさらに観察していきます。電球に口金が確認できたことからS25 BAY15Dタイプだと分かりました。
この写真からレンズの中にフィラメントが2つある(=ダブルフィラメント)ことが観察できますね。
また、口金には2つの小さな突起(=ピン)があることが確認できます。このピンについて、さらに調べていきます。
純正テール球を立てて、底側から撮影してみました。
口金のところにある左右のピンの位置に注目してみると、ちょうど180°の場所にあることが分かりますね。
次に電球を倒した状態でピンの位置を観察してみました。
先ほど底を真上からみた状態ではピンの位置は180°でしたが、電球を倒した状態で観察するとそれぞれ高さが違うことが分かりますね。これを段違いと表すようです。
以上の情報をまとめると、この電球はS25 BAY15D ピン角180° 段違いとなります。
ところで純正球の色って電球色なんですよね。てっきりカバーの中では赤い電球が光っているのかと思っていました。
電球の光り方についてもう少し調べていきます。
テールランプのカバーを観察してみると下の部分は透明になっていました。
ナンバーを照らすナンバー灯は、白色の光で照らすというルールがあるようでそのための細工のようです。白色の基準がはっきりしませんが、電球色は元々付いていましたし、OKなのかな?
これらの観察からクロスカブ(JA45)のテール球は、電球1つでテールランプ・ブレーキランプ、ナンバー灯の3つの役割を兼ねている構造だと分かりました。
下調べが長くなりましたが、ここまで分かったことをまとめると以下のようになります。
- 消費電力を抑えるため、純正球からLED球に交換
- 電球はダブルフィラメント(ダブル)であること
- 電球のタイプはS25 BAY15D(180°段違い)
- ナンバー灯の色に注意して電球を選ぶ
クロスカブ(JA45)のテール球LED化の手順
ここからは実際に電球のLED化を進めていきます。
今回購入したLED球は、クロライト スパークス(BAY15D) ナンバー灯兼用電球色LEDテールランプバルブです。
今までのイメージを維持する電球色のタイプがあったのでそれにしました。クロスカブはレトロさが残った方が可愛らしいかなという理由です。
消費電力はテール時1.6W(5W)、ブレーキ時4.7W(21W)です(カッコ内は純正球の消費電力を示す)。
テール・ブレーキ時とも、LED球は消費電力の低さが目立ちますね。ブレーキをかけても純正球のテール時よりも消費電力が抑えられていることには驚きます。
実際に取り付けて光らせてみました。テール時ですが、純正の電球と比べると明るく感じます。
LED素子が電球の上下左右、手前側とまんべんなく配置されていることで、どこから見ても均一に明るさが保たれています。
純正・LED球のテール、ブレーキ時の明るさを撮影してみました。…といっても明るさや位置を固定するなど高度な撮影ではない点はご了承下さい(素人がiPhoneで撮影)。
体感で明るい順に並べると以下の通り。
LEDブレーキ時 > 純正ブレーキ時 ≧ LEDテール時 > 純正テール時
4つ比べた中では、LEDブレーキ時が一番の明るさです。近くでみていると少し目がチカチカしますね。
純正ブレーキとLEDテールは同じくらいに感じたのですが、純正球は2年近く使用していますから、新品ならLEDテール時より明るいかも?と思い左に並べました。
テール時とブレーキ時の明るさの強弱のバランスが大切
実際にテールランプをLED球に変更してみて、明るさは純正の電球よりも向上することができました。しかし、明るさの向上にも色々あるなと感じたので最後に書き残します。
まず今回の交換で、純正ブレーキ時とLEDテール時の明るさが同じくらいだったことが気になりました。これは考え方によっては、まわりのドライバーからはLEDテール時の発光は常にブレーキを踏んでいるようにも見える可能性があるように思えました。
ただ、クロスカブは小型バイクで、安全性の観点からその存在はまわりにはっきりと主張した方がいいと私は考えています。そのため、上記の可能性も飲み込んで、強めに発光するスパークスを選択することはありという立場です。
発光が強めとはいっても、後続車の迷惑になるほどではないのでその点は安心です。
もう1点、テール、ブレーキ時の発光の強弱(バランス)が大切だと思いました。発光の差があまりないLEDだと、ブレーキを踏んでもその点灯が分かりづらいですよね。
今回購入したスパークスは、テール時の明るさを許容した前提で、テール、ブレーキ時の明るさの違いが出ていてとても満足のいくものでした。
ちなみに同社にはスパークス(BAY15D)よりも明るさと消費電力を抑えたウォーマという製品もありますので、好みで選択すると良さそうです。
今回のLED球の導入は、純正球より明るいものを求めての側面がありました。ただ、真剣に考えれば考えるほど、ただ、明るさを求めれば良いという問題だけでないことに気がつかされ、非常に奥が深いと思えました。
使用から2年が経過しました【24年11月追記】
スパークスを購入してから2年が経過しました。まったく問題なく動作しています。
オートバイや車乗りの友人たちと一緒に走っても、一人の時でもテールランプに絡むトラブルは起きていません。とても気に入っています◎
まとめ
以上、クロスカブ(JA45)のテールランプの電球をLED化したでした。
テールランプの構造さえ理解できれば、作業自体は電球の交換だけなので非常に簡単です。
純正球と比べて消費電力を抑えること、明るさを増すことの2点達成できたので非常に満足しています。LED球ならば破損以外で電球が切れる心配も相当減りますしね。
テールランプの様子をみて、クロスカブの省エネの続き(ウインカーやメータ周辺のLED化)も行っていきたいと思います。
最後に、今回購入したLED球を選ぶにあたって、クロライト様に疑問に思った点を丁寧に教えて頂きました。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。
参考にしたサイトや文献
*1 クロライト ブログ | クロスカブ(JA45/AA06)のウインカー、テールランプLED化について
*2 Grease Monkey | 自動車の灯火装置
クロスカブ本体の改良
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クロスカブまわりの道具
身に着けるもの(ヘルメット、ジャケット、手袋etc…)
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