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プレシジョントレッキング(プレトレ)のチェーンラインに思うこと

プレトレのチェーンラインに思うこと-アイキャッチ画像

自転車のチェーンラインについて思ったことを書きました。

私の自転車はサイクルベースあさひで購入したプレシジョントレッキング(以下プレトレ)です。フロントの多段化やボトムブラケット(以下BB)の交換でチェーンラインを意識するようになりました。

先日、BBの交換にあたりアルミ製プレシジョントレッキングのハンガー幅70mm問題の認識と解決案という記事を投稿しました。

その文章の中で、チェーンラインの話題が少し出たのですが大きく脱線しそうになったので、そのことを本記事にまとめ直しました。

とはいっても「チェーンラインはこうあるべきだ」という主張ではなく、プレトレや部品交換をした過程で今まで考えたことのまとめです。

プレトレのチェーンラインに思うこと

チェーンラインを知るきっかけはBBの交換

チェーンラインを初めて意識したのは、2016年に自転車のフロントギアを多段化した時です。当時、多段化にともない、ボトムブラケット(以下BB)の交換に迫られました。

私のプレトレはハンガー幅70mmだったので、BBの選択肢が少なく、当時は68mmのBBを無理やり取り付けました。

その際、BBはシマノ BB-UN-55 122.5(D-NL)を取り付けたのですが、クランクはシマノ FC-M311 ブラック 48-38-28T 170mm ガード付きでした。

クランク(FC-M311)はBBのサイズとしてLL123を推奨しているのですが、私の選んだBBは122.5(D-NL)しかありませんでした(*1)。

そこで初めて「BBは規格(種類)があるのかな?」と考えるようになりました。

LL〇〇や〇〇(D-NL)の違い

BBのLL〇〇や、〇〇(D-NL)というのは、BBの種類を示すものです。

当時、軸長122.5cmのBBを欲していた私を例にあげると、122.5mm(LL123)と、122.5(D-NL)の2種類が存在していました。

パッと見、どちらも122.5mmで同じようにみえるのですが別物なのですよね。

これらはそれぞれチェーンラインの設定値が違っていて、122.5mm(LL123)が50mm、122.5(D-NL)は47.5mmです。

どちらを選べば良いかは、基本的にはクランクに記載があります。

例えば、私が購入したクランク(シマノ FC-M311 ブラック 48-38-28T 170mm ガード付き)のページには、「チェーンライン:50mm、推奨ボトムブラケット:BB-UN26/BB-UN26-K」といった感じです。

あえて122.5(D-NL)を選択した理由

私が購入したクランク(シマノ FC-M311)は、「チェーンライン:50mm、推奨ボトムブラケット:BB-UN26/BB-UN26-K」が推奨されていました。

ところが私が購入したBBは、BB-UN-55 122.5(D-NL)でした。これはシマノが推奨する組み合わせではありません。

BB-UN-55 122.5(D-NL)を選んだ理由として、当時、BBの耐久性(剛性)を最も重視していたという背景があります。

冒頭でも少し述べましたが、私の自転車はハンガー幅70mmの問題を抱えていました。70mmのところに68mmを取り付ける都合で、BBの剛性を求めていました。

https://kagochari.com/precision-trekking-bottom-bracket-width

当時の選択肢は、シマノ推奨のBB-UN26(*2)か、私が購入したBB-UN-55でした。これら2つのBBはワンの素材が異なります。前者がプラスチック製、後者がアルミ製でした。

私の環境ではBBに負担をかけることは分かっていたので、左ワンがプラスチック製のBB-UN26では不安だなと思いました。そこでチェーンラインの問題はあったものの、非推奨ながらBB-UN-55を選択しました。

当時は今以上に無知でしたから、「チェーンラインを無視したことで自転車が壊れるのでは…」なんて思ったものです。

しかし、結果的に変速トラブルやBBの破損など大きな問題は起きませんでした。122.5mm(LL123)を選んでいたらもっとスムーズだったかもしれませんけどね。

”適正な”チェーンラインに思うこと

ここまでBBには軸長の違いや、LL123と122.5(D-NL)のように種類があることを述べました。それを”あえて”無視して自転車の運用をした話もあげました。

私のやり方が適切か不適切かでいえば後者ですが、何とかなったのもまた事実。これら経験の中でチェーンラインって何なんだろうとよく考えました。

チェーンラインの定義を調べると、HOZANのHPに、『自転車の仮想中心線からオフセットしたチェーンリングの位置関係』とありましたので本記事ではそれに倣います(*3)。

難しい話をすっ飛ばすと、おおかたの変速が綺麗に決まるポイント(=チェーンライン)があるよということですね。シマノが指定する推奨値もそういうことでしょう。

その上でなのですが、個人的に思うのは適切なチェーンラインってわりと人それぞれじゃない?ということです。

たすき掛けを除くおおかたの変速が安定するポイントの存在は分かるのですが、その自転車を利用するのは人間ですよね。よく利用するギア比まわりに合わせてBBの長さを変えてもいいのではないかな、なんてことを思いました。

私の場合、フロント3段でリア8段の運用です。3段備えているのですが、普段乗り、旅用途ともに基本的にインナーかミドルしか使用しません。下りは休憩時間ですからね。

北海道の海岸線自転車一周の旅でその使い方は顕著で、あの広大で大地で自転車を走らせていて「意外と使うギアって限られるな」と思ったことを強く覚えています。

そうなると例えばですが、主にインナーやミドルに合うようにBBを短くする選択肢があってもいいのかなあ、そんな考えを持ちました。ただ、チェーンの脱落や、ギアの歯欠けなどが発生しない範囲内でですけどね。

シマノの推奨値は、あくまでシマノの考える適正なチェーンラインなんですよね。理由がなければそれに従うべきですが、レースでもしない限りそれが絶対でもないかな?そんな考えでいます。

ただ、BBの種類(LL〇〇やD-NL)くらいは合わせた方が、トラブルは少ないかもしれません。でも、”動く”か”動かない”かでいえば、それも”動く”のですけどね。

まとめ

以上、プレシジョントレッキングのチェーンラインに思うことでした。

自転車をいじりだすとチェーンラインの話は必ずついて回ります。その癖、やれ規格がどうだの、計算式がどうだのと内容が難しくて混乱するのですよね。汗

レース仕様で最適解を求めるならともかく、私のような街乗り人間のチェーンラインはある程度自由でいいのではないかなと考えました。

そもそも私の場合、ハンガー幅70mm(JIS規格)の自転車の時点で68mmのBBを入れたら左側が2mmずれるわけです。あれこれ完璧を求めたら気疲れします。

自転車を始めた当初は「ちょっとでも間違ってはいけない!!」なんて気持ちで、気疲れすることが多かったのですが、意外と適当でも何とかなりますし、よほど間違っていると気がつくものです。

BBや変速まわりは凝りだすと難しいです。考えれば考えるほど失敗したらどうしようなんて動けなくなる沼にはまるのもあるあるです。

でも経験上、わりと自由にやっても何とかなりますよということで今回は緩く締めます。

参考にしたサイトや文献

*1 SHIMANO | BB-UN55(製品情報)
*2 SHIMANO | BB-UN26(製品情報)
*3 HOZAN | チェーンラインのチェック

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