ママチャリのようなクロスバイクのような自転車、『プレシジョントレッキング(通称:プレトレ)』に乗っています。
プレトレのフロントギア構成は42T1枚のシングル仕様でしたが、ここに複数段のクランクを搭載しフロントを3段としました。この改良手法をフロント多段化といいます
フロント複数段仕様はスポーツ自転車によくある構成です。フロントシングルと比べると坂道で漕ぎ心地を軽くしたり、平地で重くしてスピードを出せるようにしたりと幅広く対応することができるようになります。
プレトレ多段化の改良手法はインターネットを通じて情報を入手しやすかったので、今回勇気を出して挑戦してみることにしました。
多段化パーツ交換記録
下調べ
改良にあたって必要な材料を調べていくのですが、今回の場合材料より前に仕組みを理解することが先でした。
まず、いつも拝見させて頂いているbaohさんの走るんですか?(*1)で仕組みを理解し、ふらっくさんのプレトレ魂(*2)で実際の作業イメージをつけました。
また、私自身は採用しませんでしたが、アウター受けのことでたかぼうさんの頁(*3)も参考にしました。(ほかにも参考にしているはずなのですが、2年以上前なので記憶が…思い出し次第追加しますね。ごめんなさい。)
さて、要点を押さえると私がするべき作業は2つでした。
- クランクとボトムブラケット(BB)の交換。
- ハンドルにフロント用シフターの追加
クランク交換とそれにともなうボトムブラケット等の交換は理解していたのですが、よく考えれば、操作用のシフターレバーの交換も必要ですね。
良い機会なのでブレーキ、シフターレバーも全て交換してパーツを統一させることにしました。少し長いですが今回調達した部品や工具は以下の通り。
材料(パーツ)クランク
ボトムブラケット
フロントディレイラー
チェーン
シフター(フロント3速)
シフター(リア7速)
ブレーキ
アウターケーブル(装飾兼。笑)
・ブレーキ用
・シフト用
バーテープ
工具
コッタレス抜き
BBリムーバー
値段が高騰してますね。最近は水色取っ手にリニューアルでしょうか?
ワイヤーカッター
チェーン切り
ワイヤーグリススプレー
以前から所持していたもの
六角棒レンチ、HOZANペダルレンチ、ペンチ、モンキーレンチ、ドライバー
おおざっぱな流れですが…
- クランク周りの取り外し作業
- ペダルを外す(移植する場合)
- チェーンを外す
- コッタレス抜きを挿してクランクを外す
- BBリムーバーを使用しながらボトムブラケットを外す
- ハンドル回りの作業(交換する場合)
- ブレーキ、シフターを取り外す
- 外したパーツを交換
- 必要に応じてワイヤーを外しておく
- クランク周りの取り付け作業
- ボトムブラケットを取り付ける
- クランクを取り付ける
- ペダルを取り付ける
- フロントディレイラーを取り付ける
- ディレイラーの調整作業(以下同時)
- ディレイラーの調整
- ワイヤーを張る
- チェーンを張る
- 試走 & 完成
な、長い…。勢いで挑戦をはじめたものの、これは絶対に心折れると感じたことを今でも覚えています。汗
作業の様子
当時ブログをするつもりがなかったこと、取り付け・調整がうまくいかない→夜になるを繰り返したので、かろうじて撮った写真(外、夜)が使い物にならない。涙
ですので、使い物にならない写真か、その後撮影した差し替え用の写真で対応します。
まずペダルを外しますが、この作業は以前も行いました。
次にコッタレス抜きを使用して、クランクの取り外しにかかります。
写真はフィキシングボルトを外しているところです。以下の記事に詳しくまとめましたのでよろしければ。
外れた後はBBリムーバーでボトムブラケット(BB)を外します。
外した後はフレームの内部が汚れていると思うので、掃除しておきます。指を入れる際、怪我をしない様に注意。
新旧クランクと新旧BBの写真。3段ともなるとギア周りが大きく、クランクが太くてたくましくみえますね。
外したときと逆の作業で取り付けていきます。ネジ部分などにはグリスをたっぷり塗りつけておきました。
ハンドル回りの新旧比較です。シフターがグリップからトリガー仕様に変わりました。
元々ついていたグリップが固いので、内部に潤滑スプレー吹きつつ取り外します。
新しいシフター類を付けて、グリップを戻す…のですが、私はドロップハンドル等で使用されるバーテープを短く切って巻きました。
ハンドルに装備された紫色の突起のパーツはTOGSというのですが、内容が反れてしまうので、プレトレ初期ハンドルにTOGSを装備してポジションを増やしたにまとめました。
シフターが付いたら、アウターワイヤーを張りつつケーブルを張っていきます。パーツ類がすべて装備できたらディレイラーの調整なんですが…これがややこしくて。涙
フロントディレイラーの調整は付属のマニュアルが基本ですが、関宿レーサーさんの頁(*4)もあわせて参考にさせて頂きました。
ちなみにフロント、リア、共にディレイラーの調整が必要な場合、リアから調整をするとやりやすいです。
私なりに思うポイントは
- ディレイラーの位置をアウターのギアに対して1~2mmに(おそらく新品は目安シールが付いているのでその通りに)
- インナー(歯の数が一番少ないギア)からチェーンが落ちないようにネジで調整
- アウター(歯の数が一番多いギア)からチェーン落ちないようにネジで調整
細かい調整で苦戦しましたが、まず私は上記ポイントを押さえてチェーンが脱輪しなくなることを目指しました。後はマニュアルの通りに設定を寄せつつ半分は勘です。何度も失敗→やり直しを繰り返していたらそのうち少しずつ理解できました。
しかし、何度も失敗するもので、インナーワイヤーがほどけて何度も張り替えました。汗
何事も最初は勉強なので仕方とはいえ、センスないなあ…。
最後の方は写真のようにフレームにしばりつけながら、なかばやけくそで作業しています。事故のもとなので、うまく出来たら余分なインナーケーブルは切って下さいね。
同時にチェーンの張り替えも行いました。緑色のカラーチェーンがあったので、装飾を兼ねてそれに決めました。これ凄くかっこいいです。このチェーンで早く運転したいばかりにげんなりしていた多段化作業をやりきったといっても過言ではないかも。笑
チェーンは116Lで取り付けて様子をみています。
このチェーンはミッシングリンクという機能があり、チェーンの留め具部分に手で力を入れることで簡単に切り離せるようです。パーツ交換を頻繁にする方にはとても便利な機能ですね(^^)
完成形で何とか形になりました。毎日少ない時間しか確保できず1週間以上かかりました。涙
初めて乗った時の感想(インナーローに入っていた)は、軽っ!でした。平地でペダルをいくら回しても進まず衝撃を受けました。多段化すると坂道を進めるという意味がここで理解出来ました。
まとめ
今回行ったフロント多段化は後にも先にも一番苦労した改良です。
今思うと極端に難しい作業はあまりないのですが、圧倒的に知識量と理解が足りていなかったことが、作業の足を引っ張っていたと思います。
そんななかで、すべて作業をやり終えた当時の達成感は今でも忘れません。実際に性能の向上も著しいです。
フロント多段化を行ったあたりから自転車に対しての知識が急激に増えていったと思います。多段化以前はディレイラーのことも、チェーンのことも分かりませんでした。
自転車の構造を学ぶという意味でも挑戦して良かったです。
最後に話は反れますが、これから先まだまだこのプレトレに改良が加わります。しかし自転車の見ため的にはこの頃が一番好きでした。緑と紫のバランスが最高にかっこよかったです。
機能と見た目をバランスよく変化させていくことが、モチベーションを保つ個人的な秘訣です。もちろんサイクリングもします。笑
参考にしたサイトや文献
*1 走るんですか? | フロント多段化、クランク交換&BB交換
*2 プレトレ魂 | フロント多段化 BB交換 クランク交換(Yahoo!ブログ終了)
*3 たかぼうのブログ | フロントディレイラー追加の方法
*4 My 自転車 ライフ | フロントディレイラー(トリプル)の調整についてのお話(閉鎖)
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