直管40W形の照明器具(キッチン上部)のバイパス工事を行いました。照明器具内の安定器の撤去と、省エネを目的としています。
今までの経緯として、本記事の40W形の照明器具に電子点灯管を導入、そのほか直感20W形照明器具に工事不要のLEDランプの導入など行いました。
これらの照明器具は本来ならば、安定器を撤去するバイパス工事が理想です。ただ、工事は電気工事士の資格が必要で、当時、資格を未所持だった私は上記の妥協案を選択しました。
その後、2023年に第二種電気工事士の資格を取得したことで、バイパス工事が行えるようになりました。長年のモヤモヤを晴らすべくバイパス工事に挑戦です。
今回は自宅にある直管の照明器具のなかで、最も消費電力の大きい40W形照明を対象としました。安定器の撤去およびLEDランプの導入で照明器具の長寿命化、省エネの実現を目指します。
本記事の作業内容は電気工事士の資格が必要です。無資格者の工事を推奨するものではないので、具体的な作業方法については触れません。
直管LEDランプ導入のためのバイパス工事
対象の照明器具と購入した直管LEDランプ
今回、電気工事を行うキッチン上部の40W形照明器具です。この照明はオーデリック(OL001426)のもので、以前、電子点灯管を導入したものと同じです。
設置から20年以上経過している代物で、照明の使用中に安定器からジージーと音がしていました。じきに壊れるなと分かりつつ、問題の解決を先延ばしにしていました。
照明器具のカバーを外した様子です。写真中央に点灯管を取り付ける箇所が確認できるので、本製品はグロースタータータイプと分かります。
取り付いていた蛍光灯はNEC ライフルック HGX 3波長形昼白色(FL40SSEX-N/37-X)です。消費電力37Wで、これに加えて照明器具の安定器から約5W、あわせて約42Wを消費していました。
LEDランプの導入で消費電力の大幅なカットが可能になりますが、今回はさらに安定器を介さない方法(=バイパス工事)を取るため、さらに消費電力が5Wカットされる見込みです。
今回購入した直管LEDランプは、オーム電機 直管LEDランプ40形相当 昼白色(LDF40SS・N/18/26 7(06-4914))です。
全長1198mmと長いので、写真は一部です。本製品の消費電力は18.0Wなので、既存の状態(約42.0W)から約24.0W削減されることになります。
ちなみに2024年3月時点で、オーム電機から似たような40W形(昼白色)製品が3個発売されていました。今回は上記の最新型を選んだのですが、その違いや選択の決め手は長くなるので記事の最後に改めてまとめます。
今回、オーム電機のLEDを選択した理由は、バイパス工事の配線図が明確に書かれていたためです。写真は説明書のものですが、製品の外箱にもしっかりと記載がありました。
LEDランプの給電方式はいくつかあるので、改造方法が明記されているものが分かりやすくて良いですね。
商品の中身は直管LEDランプ、専用スターター、設置後に張るシール2種類、説明書です。
付属のスターターを使用すれば、電気工事不要のLEDランプとして使用することができます。以前、我が家で取り付けた20WのLEDランプと同じですね。ただ、今回はバイパス工事を行うので使用しません。
2種類のシールは、電気工事をせず片側給電として運用する際に給電側を示すものと、電気工事(バイパス工事)をした際にその旨を示すものです。電気工事の有無、どちらにも対応しているのは凄く親切だなと感心しました。
照明器具のバイパス工事の準備と実践
今回の作業内容は、安定器とグロースターターの配線を切り離して、LEDランプ仕様に繋ぎ直すというものです。
配線を繋ぎ直す際に何かしらの圧着端子を使用します。今回は照明器具にすでに取り付いていた閉端子(CE2)を参考としました。
圧着端子は使用環境や配線の太さで選択するのが一般的ですが、今回の照明器具は配線にHVSFの記載はあるものの太さがよく分からずだったので、以前のものに倣う判断としました。
上記経緯から今回は閉端子を使用するので、絶縁閉端子用圧着工具(ホーザン P-736)とC2閉端子を作業前に用意しました。
閉端子は複数の会社のものがありますが、日本製のニチフが個人的に安心感があります。
バイパス工事は電気工事士の資格が必要なので細かい作業工程は省きます。流れとしては、ブレーカーを落として、既存の配線を上記の説明書の通りに繋ぎ変えるというもの。
…と、思っていたのですが、繋ぐ予定の線の長さが微妙に足りない箇所を出してしまって、少し手間取りました。取り除く安定器に繋がっていた配線を拝借し、延長することで解決しました。
こういう想定外の出来事があるので、配線や圧着端子は少し余裕を持たせておいた方がいいですね。良い勉強でした。
配線を作り替え、ブレーカーを入れて、恐る恐るスイッチを入れると無事に点灯しました。うまくいってよかったー!
バイパス工事がうまくいったので、照明器具に工事済みのシールを張り付けました。日付と両側給電の旨をマジックペンで追記しておきました。
安定器とグロースターターは絶縁処理をして、とりあえずそのまま残しました。しばらくLEDランプの様子をみて問題がなければ照明器具から撤去しようかなと考えています。
ちなみにグロースターターを取り付ける部品の裏側を観察すると、配線の先端ははんだで固定することが分かりました。
もしもう一度使用することになったら、作業が面倒だな。汗
前回、電気工事1回目の記事でスイッチの交換を4個しましたが、そのうちの1個が本記事の40W照明器具のスイッチです。スイッチも照明器具も一新ですね。
第二種電気工事士を取得したことで、出来ることが増えて嬉しいです。前回のスイッチ交換の時点では、バイパス工事出来るかな?なんて気持ちがありましたが少しずつ成長している実感があります◎
おまけ.今回購入を迷った3製品の比較
オーム電機の40形直管LEDランプは3種類ある?
この記事の途中で少し触れたのですが、今回オーム電機の40W形直管LEDランプ(昼白色)を選ぶにあたって、3個の製品が該当し混乱がありました。
- LDF40SS・N/18/26 7(06-4914) ←今回購入
- LDF40SS・N/18/25-U(06-3541)
- LDF40SS・N/17/23(06-0919)
上記3個の製品は40W形直管LEDランプ(昼白色)、Ra80という点までは同じなのですが、発売時期が異なり、消費電力や明るさに若干違いがありました。以下にまとめます。
1.LDF40SS・N/18/26 7(06-4914)
今回購入したLDF40SS・N/18/26 7(06-4914)という製品ですが、2024年に発売された新製品のようです。
消費電力が18.0Wで、 明るさにあたる全光束は2,640 lm(ルーメン)です。
2.LDF40SS・N/18/25-U(06-3541)
次にLDF40SS・N/18/25-U(06-3541)ですが、Amazonでは2019年11月18日から取り扱いが始まりました。
消費電力が18.4Wで、 明るさにあたる全光束は2,490 lm(ルーメン)です。
3.LDF40SS・N/17/23(06-0919)
最後にLDF40SS・N/17/23(06-0919)で、Amazonでは2019年6月1日から取り扱いが始まりました。比べた3つのなかでは最も古い製品となります。
消費電力が17.5Wで、 明るさにあたる全光束は2,300 lm(ルーメン)です。
3つの製品の中では新型がバランスが良くみえた
自分が使用する環境において、上記3つの製品の違いは消費電力と明るさ(ルーメン)と考え、その点を表にまとめました。
製品名 | 消費電力(W) | 全光束(lm) |
1.LDF40SS・N/18/26 7 | 18.0 | 2640 |
2.LDF40SS・N/18/25-U | 18.4 | 2490 |
3.LDF40SS・N/17/23 | 17.5 | 2300 |
こうして表でみると、(3)→(2)→(1)と新しい製品になるにつれて全光束の値が上昇していることが分かりますね。ただ、(2)LDF40SS・N/18/25-Uが登場した際は、(3)LDF40SS・N/17/23と比べると消費電力も0.9Wほど上がったようです。
その後、2024年に新型の(1)LDF40SS・N/18/26 7が登場しました。(2)LDF40SS・N/18/25-Uと比べると、消費電力、全光束の改善がみられます。消費電力は(3)LDF40SS・N/17/23と比べると0.5W劣るものの、全光束は340lm相当向上していています。
これらの値を見比べて、最新型(2024年3月時点)の(1)LDF40SS・N/18/26 7が性能面でバランスが取れていると考え、購入に至りました。
私としては3製品を比較した際、消費電力は誤差で、明るい方が良いという判断でした。ただ、3製品の値がすべて誤差と考えるならば価格が安いものを選ぶのも良いですね。そこはLEDランプに何を求めるかで変わりますね。
まとめ
以上、直管LEDランプ導入のためのバイパス工事でした。
いつ壊れてもおかしくない古い照明器具だったので、無事にリニューアル出来てよかったです。
今回のバイパス工事で、消費電力の大幅な減少、安定器撤去による異音の解消、明るさや点灯スピードの改善などが達成できました。
なかでも消費電力の大幅な減少は素晴らしいもので、以前の42Wから18Wまで落とすことが出来ました。キッチンは普段から多用する場所なので、長い目でみて大きな省エネになってくれることを期待しています。
省エネという意味では、以前行った電気工事不要のLEDランプの導入も満足度は高かったです。ただ、安定器の存在は照明器具の寿命に直結するので、可能であれば撤去が適切だなと改めて思いました。
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