『北海道海岸線一周(36) 道南編10 -魔の海岸線往復ルール,再び-』
ー前回までのあらすじ(前回は【道南編9】GLAYの故郷、函館観光 前編【函館周辺】)
函館観光編が終了しました。
函館の華やかな街の雰囲気にのみ込まれ、過酷な旅に戻りたくない病が出始めています。笑
何とか自分を奮い立たせ、気持ち新たに道南そして北海道一周を収束させる旅の続きに出るのでした――
36日目…函館から恵山方面へ
その前に函館の海岸線をコンプリート
函館を出発する朝です。楽しくて2日も遊び倒してしまいました(^^;)
早速海岸線…といきたいところですが、函館山周辺の海岸線コンプリートがまだでしたね。東側は尾花岬という場所でしたが西側には何があるんでしょうか。
西側の終着地点は函館市斎場でした。周辺は坂道が多くてなかなかしんどかったです。
近くに外国人墓地というスポット?があったようなのですがスルーしていました。坂を下る途中に洋風なそれっぽいのがあったのですが、多分それなのかな…。
函館の中心街へ繋がる道へと帰ってきました。後ろには函館山がそびえます。いやあ楽しい街でした。寂しいですが函館ともお別れです。
本州にもっとも近い地点へ
さて、函館を出てゴールの苫小牧を目指していきます。まずは国道278号に合流しひたすら海岸線をぐるりと進んでいくイメージです。
函館を出るとのんびりとした道が広がります。馬出没注意の看板を発見。熊じゃなくて馬が…出るのか…?笑
近くには函館空港もありました。函館観光される方はここから来るのかな。函館は渡島半島の先にありますから、隔絶された雰囲気がありますね。
国道278号を東に進む途中で、汐首岬と呼ばれる場所があります。北海道と本州を結ぶ最短の土地だそうです。
岬に差しかかる少し手前、汐首陸橋と呼ばれる大きな橋を見つけました。
戸井線という電車を通すために作られたものの、戦争中の情勢変化によって一度も使われることはなかったようです。作られて70年近く経過しているというから驚きですね。
さて、汐首陸橋から海岸線に進んでいても厳密にどこが汐留岬なのか分かりませんでした。
その付近でパシャり。向こう岸に見えるのが青森県です。
ほんの少し進んだところに記念の看板が置いてありました。車を駐車する場所はなさそうです。こういうとき自転車だと気軽に撮影が出来ていいですね。
しかし、北海道本州最短の地の看板を設置するなら、北海道最西端の地の看板もどうにかならないのかな(T-T)
函館市はやる気が感じられます…。涙
恵山を目指す道中の風景
さて、引き続き国道278号を道なりに進みます。そろそろ恵山が見えてくるのかなあ?なんて考えていると、工事のおじさんに止められました。
「今この道工事しているんだけど、側道進んでもらってもいいかな??海岸線沿い1本道でちゃんと278号に合流すっから!」
海岸線ルールを知らない人にすら海岸線へ誘導されるのは、もはや運命ですね。笑
と、いうわけで側道方面に舵を切ります。これはなかなか雰囲気ありますねえ。
トンネルの向こうには何があるのかな…?
トンネルは1つだけじゃなくて、いくつもあるんですよ。
整備はされているから車も通ることがあるのだと思います。
トンネルを抜けると昆布漁をされている方がいらっしゃいました。まさか人がいるとは思わなかったのでびっくり。
昆布漁は北海道のいたるところで見かけましたが、その地域ごと味や食感が違ったりするのかなあ?というのは毎回思うんですよね。かさばるので購入して食べ比べできないのが悔やまれます。
船も浮かんでいました。海に潜って、陸で干して…大変なことです。
どんな荒道を走らされるかと思いきや、のんびりとした風景と出会った側道の風景でした。
道の駅-なとわ・えさんに到着
側道から国道378号に再度合流し、道沿いに道の駅を発見しました。道の駅-なとわ・えさんです。
この道の駅には横に恵山海浜公園というキャンプ場が併設されています。近くにローソンもあるので便利ですね◎
なとわ・えさんから撮ったこれから行く道の様子です。赤土色のこぶみたいなものがボコッと出ていますね。これが恵山になります。
忘れていた頃に海岸線ルール
写真にあった恵山をぐるりとまわって渡島半島を北上していきます。しかしここで問題発生。
恵山周辺ですが、海岸線をぐるりと進もうとすると道が途切れて通行止めの場所が…そう、ここも海岸線を往復するルールが適応されます。
絵にすると以下の通り。
恵山周辺で国道278号と道道635号の分岐があるので道道635号へ(汗)そして通行止めまで進み、そこから折り返して国道278号で恵山を迂回し反対側へ。
北側に道道231号があるので、行き止まりまで突き進み、行き来た道を戻る…と。
これは少し前に苦戦を強いられた岩部、小谷岩攻略戦を思わせる交通事情そのままです。
北海道ツーリングマップルでゴールの苫小牧までの道のりを眺めていると、行ったり来たりを繰り返す凶悪な海岸線ルールはこれが最後のようなので、半ば諦めの気持ちで進むことにしました。
同じ道の往復は心折れそうになるのですが、海岸線ルールは先ほどの側道しかり思わぬ発見が多いのもまた事実ですからね。
恵山攻略戦
(1)道道635号(南側)
道の駅なとわ・えさんをスタートしてまずは恵山南側を攻略していきます。道道635号を進んでいきますが、走りやすい道だったので助かりました。
目の前に恵山がそびえ立っていてこれがなかなかの迫力です。今日は半日かけて自転車でこの山の周りをぐるぐるとまわるのかと思うと、何ともいえない感情になります。笑
道道635号周辺は昆布の漁が盛んのようで、いたるところで昆布を干す風景を目にすることが出来ました。
この区画分でお土産売り場などに置いてある袋何袋くらいになるんでしょう…?
急な坂道などなく、行き止まりまで辿りつくことができました。
ちょっとびっくりしたのはバス停があるんですよ。出発前のバスもいて、今までの行き止まりとは違う感じがしました。
道道635号の行き止まりです。通行止めのマークがたくさん置いてありました。海岸線ルールなどと訳分からないことをしている私のことを受け入れてくれる感じがして勝手に嬉しくなりました。笑
海岸線側ギリギリまで昆布が干されていました。
これだけあると並べるだけでも結構な労力が入りますよね。何日くらい干すのかなーとか色々疑問がわいてきます。
(2)国道278号(山越え)+道道231号(北側)
国道278号に戻り、そのまま山越えをします。
途中「交通事故0継続」の看板があったのですが、これ何日単位で数字増やしてるのかなあというのが気になってしまい山越え中の写真を撮り忘れるという失態…(^^;)
道道231号の方が南側の道道635号と比べて傾斜があった印象です。
道の途中に恵山岬がありました。この周辺は公園やホテルがあったりと綺麗に整備されていました。
道道231号はまだその先があるようなので進むことになります。
恵山岬から先の道路ですが、激坂です(^^;)
行き道は下るだけなのでいいのですが、帰りが…。道も細くて少し暗いので心細くなります。
勢いに任せて坂道を一気に下ると道が終わります。写真の場所が終着点のようです。
一見、ここには何もなさそうなのですが実は続きがります。
先ほどの場所から海岸に向けて徒歩で進むことが出来るんです。何やら建物が見えますよね。カブ乗りの先客もいるようです。何があるのかな…?
この場所、実は温泉なんですよ。潮の満ち引きで温泉になったり海水になったりなので時間が限定的です。簡易的な更衣室もあって無料で誰でも楽しむことができます。
これはまさに海岸線の果てにある秘境ですね。
私が到着したときは海水が若干混ざり始めているようでした。今回は足だけ入れて入浴気分に浸ります。先客の方が入浴中だったので、恵山周辺の道のことなどを話して盛り上がりました。海岸線の果てで会話するのもいい思い出になります。
海岸線の果てってそれぞれ特徴があって面白いです。道道231号の帰り道のことを考えると憂鬱ですが(遠い目)
278号に戻り北上を再開
国道278号に復帰したのが15時前後で、そろそろ泊まる場所を考えないといけない時間に差しかかりました。
地図を見て南茅部(みなみかやべ)あたりまでは向かえそうだったので自転車を走らせます。国道278号線の真横に平行に伸びるゆったりとした道があったので、そちらを走りました。
子供飛び出し注意の看板を発見。とうとう説明書きに人間の子が…!
今まで鹿とか熊って書かれていることが多かったので違和感を感じたのですが、都会ならこれが正解ですよね。自分も自然の世界に染まったなと感じました。笑
崖の上で工事する機械(なんでしょう?)です。
どうやってあの場所に固定されたのか不思議で写真を撮っていたら、手前にいる誘導の方に笑われました。笑
セイコーマートを発見したのでご飯を食べます。
煮卵、ペペロンチーノはそれぞれ100円。牛乳もそれくらいだったと思うので、計300円(税抜)ですね。安くてありがたかったなあって思います。
南茅部河川公園に到着
夕暮れ前に南茅部河川公園に到着しました。しかし到着してみてびっくり誰もいません…汗
ここ…大丈夫だよな?感半端なかったですが、炊事場やトイレもあるので間違いはなさそうでした。
しかし、この看板を見させられるとビビらずにはいられない…。そりゃ陸続きですからね、私が来たくらいですから熊だって来るでしょう。。先に進む時間も体力もありませんから、覚悟決めるしかなさそうです。
それにテントの中にいると小動物類のすばしっこい音もおっかなく感じるんですよ。熊に限らず自然界の動物って私からすると怖いです。
公園の隣に温泉施設があるとのことでさっさとテントを張って、夕食を食べて向かうことにしました。
テントから離れたところでご飯を食べて、さっさと匂いを消します(^^;)
ちなみに夕食はラーメンをゆでました。キャンプ場で食べるラーメンは美味しいですね。
即席ラーメンって5袋入りで安く入手できますが、自転車旅では毎日食べないとかさばるのが難点です。買うときは朝夕食べる!って決意して買うんですけど、結局食べないことの方が多い気がします。笑
横にある温泉施設は南かやべ保養センターという場所でした。入り口にGLAYのポスターが置いてあってテンションが上がります。
職員さんが「GLAY好きなんですか?」って声かけて下さってしばらくお話しました。嬉しかったなあ。
人と話ができるありがたみを感じましたよ。ほら、キャンプ場戻ったら1人で夜を越さないといけないわけだし。涙
36日目まとめ
北海道36日目 112.01km走行(積算距離:2618.83km) / 全行程38日目(2746.86km)
函館から南茅部までの話でした。
恵山を前にまさかの海岸線ルールが発動されました。同じ道を行ったり来たりするのはなかなかしんどいのですが、潮の満ち引きで現れる温泉など面白いものも見られました。
毎回なんだかんだと文句を垂れながらも、海岸線ルール張っておいて良かったなという感想に落ち着くのは不思議なものです。
しかし、朝まで函館にいたのが噓のようで、まさか同じ日の夜に熊出没注意の看板が立てられたキャンプ場で一晩1人で過ごすことになろうとは…(^^;)
でも、渡島半島(道南編)だけを切りとってみても、物凄く栄えていた場所って函館(+松前?)くらいなんですよね。自然が多い方が当たり前。
そのことすら忘れてしまうほど、函館という街は魅力があったのかもしれません。長い道南編のなかで2、3日滞在しただけのはずなんですけれど。
次回は【道南編11】長万部に続く道、こがね色【南茅部→長万部】