『北海道海岸線一周(38) 道南編12 -長万部に続く道、こがね色-』
ー前回までのあらすじ(前回は【道南編11】長万部に続く道、こがね色【南茅部→長万部】)
南茅部から長万部まで移動しました。
雄大な駒ケ岳の周りを走りながら海岸線を走り抜けます。温泉街で有名な長万部についた頃、日本列島の南に台風北上の声が…――
38日目…工業が盛んな室蘭へ向かう
昨日から気づいてはいた台風の兆し
台風が日本列島に接近しています。しかも軌道が北海道一直線で反れる気配がありません。
この夏は弾道ミサイルといい、台風といい飛び物に悩まされますね(^^;)
今日室蘭まで向かうとして、次の日に苫小牧に到着できそうです。フェリー情報を見ていると波次第で欠航になるとのことなので苫小牧周辺で身を潜めているのが安全なのかな。。
本当は洞爺湖(とうやこ)でキャンプをしたかったのですが、余裕ないときっていらないトラブルを引き起こすので今回はよしとします。
そんなわけで台風から全力で逃げます…!
その前にキャンプ場の紹介
利用させてもらったのは長万部公園キャンプ場です。昨日は受付時間に間に合わなかったので事前に電話をすることで対応してもらいました。
キャンプ場内は木や芝生が綺麗に整備されていて非常に居心地が良いです。
シーズンは過ぎていたせいか人は多くなかったですが、夏場は賑わうのではないかと思います。
綺麗な川が流れていました。川遊びできるのかな?
こういう場所で決まって蛇の襲撃を受けていたので、私は近寄りませんでしたが。笑
礼文華峠を越えて
長万部の町は東西を分断するように線路がある、と前回の記事で書きましたがそれを解消する1つの手立てがこの大きな橋のようです。昨日は気がつかずキャンプ場側に渡れず迷いました(^^;)
国道37号線に合流し海岸線を進みます。
室蘭まで88kmの看板が現れます。何事もなければ無理なく進める距離ですね。
ひたすら進むと奥の方に山々が見えてきました。これからこの山にある礼文華峠(れぶんげとうげ)を越えていかないといけません。
苫小牧まで続く道で最後の難所でしょうか。気合が入ります。
来る者を押し返すように見事にそびえ立っていました。汗
峠道が結構厳しかったので道中の写真がないのですが、山の高さ自体はそこまでなかったです。長万部側から上ったほうが緩やかかなって印象です。
あと蛇が一匹側道でとぐろを巻いていました。怒
礼文華の町へ
さて、国道37号の途中で海岸線ルールを地味に適用。笑
礼文華と大岸の町を巡りながら再度、国道37号の復帰を目指します。
落石注意とあったので大丈夫かなあ…と進みますが、落石しそうなところが見えてこないんですよね。むしろ森の中のような。天気がよくて走っていて気持ちがよかったです。
森のような道を抜けると少しずつ民家が見えてきて、礼文駅に到着しました。
無人の駅のようです。せっかくなので入ってみることにしました。
テレビなどでよく見るTHE 無人駅といった感じでした。晴れてるときはいいですが、雨が降ると大変でしょうね。駅舎の中で待つのかな。
意味もなくヘルメットを置いてみました(^^;)
礼文駅を後にすると海岸線にぶつかりました。ここがまた走っていて気持ちがいいんですよ。
天気補正は確実にあるのですが(笑)隣を電車が走ったりして飽きさせません。
しばらく先を行くと道が細くなっていきます。たぶんここが落石注意ゾーンじゃないかな。崖の角度が半端なく急なので、危険な感じがしました。
波と岩のぶつかり加減も他より激しくて、走っていて怖かったです。人里離れた秘境感を感じた気がします。
大岸の町で自然の不思議と触れ合う
アジサイとコスモスが咲いていました。梅雨と秋のコラボレート。
北海道の旅のなかで幾度となく目にしてきましたが、涼しさの影響で本州と開花時期が大幅にずれることがあるようです。
すぐ近くにあったヒマワリの畑。
夏ごろ開花するヒマワリはきっちり枯れているので、北海道の自然は面白いですよねえ。
洞爺湖駅前にて
大岸を離れて37号線に戻ります。道なりに進むと洞爺湖駅の前に出ます。
洞爺湖は2008年にサミットがあったことで有名ですよね。本当は湖の前でのんびりキャンプをしたかったのですが、台風のことがあったので通り過ぎます。涙
それとやっぱり疲労の蓄積もありましたね。何もない停車時にふらついたりすることがあったので、そういう時は無理をしないのが一番です。
駅の前に記念の碑が置いてあったので撮影します。海外からの旅行客が多くみられて、みんなの撮影スポットと化していました。笑
国道37号(伊達市街方面)を再び離れ海岸線へ
国道37号を進むと伊達市街にたどり着くのですが、手前に海岸線へのいざないがあるので、私はそちらの道です。汗
とにかく天気が良かったので、海岸線の道はとても良かったのですが、途中からまさかの砂利道…砂利というかほとんど細かな粒子の砂です。
北海道の道路のなかで最高難易度でした。スリップ多数、横転1回。それでも走ってくると慣れてきて力の抜き方を覚えてくるので嫌になります(^^;)
砂道を抜けて自転車を点検していて気がついたのですが、タイヤの磨耗が前後輪とも激しいんですよ。重たい荷物を載せて3000km近く走っていますから仕方ないのですが、この状態で砂道に突っ込んだのはちょっと反省しないといけませんね。
砂道を抜けて細かいを進むと国道37号に戻る看板が現れます。
峠道に海岸線ルールに極めつけの砂道、色々ありましたが、どんどんやることがなくなっていくなあと寂しい気持ちになります。
室蘭に到着、地球岬の夕焼けは間に合うか
室蘭周辺の道路です。側道がとにかく広くて走りやすかったです。
都内もこれくらい広かったらお互いイライラしなくて済むのになあ…なんて考えちゃいますよね。
室蘭は工場の町ということで、町に近づくにつてれそれっぽい建物が徐々に増えていきます。詳しくないので建物の名前は分からないです。こういうを何でもサラッと説明できる人尊敬しちゃいますね~~~!
室蘭の町に入るのに少し手間取りました。というのも自動車は白鳥大橋という大きな橋があるのですけど自転車が通行できないんですよ。
そのため迂回路として、国道37号が途切れるまで進み、そこから国道36号で室蘭の町に入っていきます。これがまた強烈なほど遠回りでしてね…(遠い目)
室蘭の町に地球岬という場所があるのですが、夕焼けが素晴らしいとのことで行ってみることにしたんです。しかし、迂回路のおかげで思いのほか時間が経過します。
「ぎりぎりか…間に合わないか…」
空は既に夕暮れです。頑張って漕いでもうすぐ地球岬というところでまさかの激坂(笑)きいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!
到着した頃は虫の息でへとへとです。車で来ていた別の観光客の方が笑いながら「まだ大丈夫だよー!頑張れー!」って応援してくれました。
上の写真の階段を最後の力で上りきります。
ちょっと遅い気もしますが(笑)ギリOKということで…。
こういう観光ポイントで見られる夕焼けはこれが最後かもしれません。そう思うと何だか無性に悲しくなります。
と書けるのはパソコンの前だからで、当時はぜえぜえいってそれどころではありませんでした。笑
海側の写真です。灯台の光のありがたさ(大地を示す光の意味)も北海道上陸当初は知らなかったんですよ。今だって正確に理解しているかといえば怪しいですが。汗
それでも一周前と今では同じ風景がまるで別物のように見えてきます。何事も意味があるんですよね。
物思いにふけていると暗くなってきたので地球岬を後にしました。とりあえず大通りに復帰と思い海岸線の道(道道919号)を走っていたら激坂・細道スペシャル(^^;)
まったく最後まで海岸線ルールというやつは…。
夜の室蘭を走る
国道36号に復帰すればそれなりに明るい道で安心です。室蘭の先端まで進めば、先ほど侵入を阻まれた白鳥大橋や道の駅みたら室蘭があります。
道中大きな薬局があったのでご飯を買って食べました。その後、みたら室蘭に到着して少し休憩。
室蘭は工場夜景が有名だそうで、そのマップが張ってありました(クリックで拡大します)
函館のときも書きましたが、私は夜景に関心がありません。でも、せっかく苦労して来たことだし…ということで見に行くことにしました。
マップでいうところの祝津公園展望台と白鳥大橋展望台の2つです。結論からいうとどちらも「おお!」と声が出る夜景でした。特に祝津公園展望台の方がおすすめですね。上り坂が多いので自転車乗りには辛いですが、その分高いところから見渡せます。
これは白鳥大橋展望台で撮影したものですが…第三世代iPadの限界です。笑笑
高性能なカメラを持っている方は、工場夜景写真に見られるような光り輝く綺麗な写真が撮れると思いますので、挑戦してみて下さい。
あまりに貧相な写真に仕上がったのでカメラに興味のない私でも、ちょっといいやつが欲しくなりました(^^;)
この日は室蘭の入り口あたりに漫画喫茶があるとのことでそちらに向かって就寝しました。無駄にジョジョにはまって眠れなくなります。
38日目まとめ
北海道38日目 124.92km走行(積算距離:2859.61km) / 全行程40日目(2987.64km)
室蘭までやってきました。
白鳥大橋に阻まれたことで、少し大変な思いをしましたが結果的に室蘭をぐるりと一周することができました。
この日で旅立ってから40日が経過しました。長いような短いような。1ついえるのは毎日が充実しているので、以前の生活と時間の流れ方が変わったということです。
さて室蘭を出発すれば、次の町は…そう、始まりの町、苫小牧です。とうとう戻ってきました。旅自体は既に終わっていますが、私の書く記事もまた終わりを告げようとしています。