『北海道海岸線一周(16) 道東編8 -濤沸湖の馬は不在で-』
ー前回までのあらすじ(前回は【道東編7】斜里のライダーハウス『クリオネ』へ【ウトロ→斜里】)
知床のウトロから斜里の町まで移動しました。
移動距離は50km弱でしたが、当初から苦しめられているひざの痛みを再度感じたこと、ライダーハウス『クリオネ』に興味があったこともあり、斜里で1泊することにしました。
クリオネはとても広い敷地で施設の充実っぷりに圧倒されます。夕食会でプレトレを知る自転車乗りの旅人と仲良くなり、楽しく談笑して一夜を過ごしたのでした――
北海道16日目…網走方面へ向かう
斜里にあるライダーハウス『クリオネ』で朝を迎えました。ビタミンの補給のため、昨日に続いて無料のいちご畑に向かいます。笑
ご飯を食べて昨日夕食会で知り合った自転車乗りの方に挨拶をして出発です。
クリオネの前にある道道769号を走っていると、牧草ロールを発見。
近くでみると思っていたより大きいんですよね。しかし、器用に丸めるなあ…。
しばらく進むと国道244号に合流しました。
昨日購入したひざのサポーターの微調整をしながら走っていたのですが、これが凄く良い。痛みだす手前あたりでサポーターがしっかりと支えてくれます。
昨日教えてくれた旅人さん本当にありがとう。
そんなことをしながら走っていると道の駅『はなやか小清水』を発見しました。たいして走ってはいませんが、休憩という名の道くさです。
中に入ると、北海道産のメロンを販売していたので一度くらいは食べてみるかと購入してみました。
みずみずしくて美味しかったです。
道の駅の建物の奥に扉があったので、何だろうと開けてみると突然、ホームが現れました。
JR網走本線の浜小清水駅が道の駅に併設されている形であるんですよ。ちょっとびっくり。
濤沸湖(とうふつこ)を見てまわる
海岸線を北上していくと進行方向左手に濤沸湖(とうふつこ)が現れました。読めない。汗
どこまで続くのだろうかというくらい大きいです。木板で整えられて歩けそうな場所があったので道くさすることにしました。
雰囲気は根室と納沙布岬の間にあった北方原生花園に似ているかな。静かなのでこういう場所は好きです。
歩いている途中にハマナスの実を発見。昨日も話題にしましたが、ハマナスはバラ科でバラの仲間です。
一番奥までいくと展望牧舎と呼ばれる建物があります。
階段があるので上にのぼって濤沸湖全体を見渡すことができますよ。馬が見られるときもあるようですが、この日は1頭もおらずで草と湖が視界の果てまで続いていました。
北方原生花園のポニーみたいなのを期待したのですが残念。
濤沸湖の向かいは小清水原生花園があった
濤沸湖の木道を見てまわり、今度は道路を挟んで反対側の小清水原生花園に向かいます。
こちらはきちんと整備されていて、観光客がそれなりにいる印象でした。
原生花園の中に駅の形をした建物がありました。最初よくできた模型?かと思ったのですが、本物の駅のようでここは夏季限定で解放されるようです。手前の駅舎は臨時売店になっています。
それと近くにインフォメーションセンターもあってお土産や食事など充実しています。
奥の方まで進むと、オホーツク海側をのぞむ天覧ヶ丘展望台がありました。
いつものことですが、私が観光名所を訪れると決まって曇ります(遠い目)
180度回転すると内陸側は濤沸湖が広がります。
この周辺は民家がないので、ここらの観光地を除くと延々と自然風景が続きます。夜走ったら怖いだろうな。汗
この辺で観察できる花々の紹介がありました。
観察できる植物は霧多布岬の頃から大きく変わっていないと思うのですが、花の時期から少し過ぎてしまっているのが残念なところ。
ユリとかキスゲあたり観察できたらよかったんですけどね。涼しい北海道とはいえ、8月だと少し遅いかな…。
ハマナスだけは綺麗に咲いていました。
ハマナスはバラ科で、バラや梨、サクラなどの仲間です。葉と花の形が似ています(何度も言って覚えてもらう作戦)
カワラナデシコが咲いていました。
ナデシコといえば、母の日に贈るカーネーションもナデシコ科で仲間です。
…花の情報より自転車ネタの方がいいですか?笑
小清水原生花園を過ぎると突然の大雨
小清水原生花園を出発しようかという頃、空の雲行きが怪しいなと感じていました。まあ雲行きが怪しいのはずっとなのですが(笑)これは降りそうだなという感じがしました。
小清水を出発して国道244号を進んで北浜という町に差しかかろうとする頃、バーッと雨が降り始めました。
近くに北浜の郵便局があったので、そこの屋根を借りてカッパなど支度を整えます。
ポツポツきたらカッパを着ようかと思っていたのですが、容赦なく降り始めたので少し焦りました。今日は網走までは向かいたいので雨装備に切り替えて、再度、走り出します。
雨の中を走り続けて網走に到着
突然の雨に面を喰らいましたが、無事に網走に到着しました。
網走といえば刑務所…かな?網走の駅の札は縦書き。刑務所から出所した人に対して「二度と横道に反れないように」という願いが込められているそうです。なるほどなあ。
網走駅のなかに観光案内所があったので、観光名所と泊まれそうなところを教えてもらいました。
気になったのは流氷博物館と博物館網走監獄です。ただ、場所が問題で2つともだいぶ上ったところにあるんですよね…。今からだと時間的にちょっと余裕がなさそうでした。
もっとも高いところに位置する流氷博物館の近くにキャンプ場があるということで、今日はそこまで行くことにしました。
全然関係ない話ですが、網走で北海道に入ってからはじめてすき家を見かけました。
東京じゃ何のありがたみもなかったのですが、牛丼頼んで食べてみたらあまりの美味しさに「うまい」って言ってしまいました。
私が自転車旅で普段食べているものは、おにぎりとか食パンとかです。昨日のクリオネの夕食会は例外中の例外で、暖かい食べ物が出てくるとそれだけで感動します。
いろいろと制限された生活を続けると、食べ物や寝床のありがたみが分かりますね。
キャンプ場に向けて山を上る
網走の町を出発し、今日泊まるキャンプ場へ向かいます。目的地は網走の町の近くにある天都山の『てんとらんど』というところです。
山のふもとに呼人浦キャンプ場という無料のキャンプ場もあったのですが、ひざのこともあったので行けるところまで行ってしまおうと判断しました。
観光案内所の人に「少しのぼりますよ~」と言われていましたが、思っていたより山道で驚きました。標高207mあるそうでちゃんとした山ですね。
こうした山道で昨日までと違うのはサポーターの存在です。自転車を漕ぐ際にしっかりと包み込んで支えてくれるので痛みがほとんど出ませんでした。もっと早く知っていればなあ。
山道の道中にクマ出没注意の看板。
段々と夕暮れに近づいていたので、無言で自転車を加速させました。
キャンプ場のすぐそばにフラワーガーデンがあります。オホーツク海側の涼しさと天都山の標高もあってか花持ちがいいですね。
花って野菜や果物と違って食べられる訳でもないし、ただ見て楽しむだけです。それでも人を楽しませようと一生懸命取り組む気持ちが伝わってくるのが私は好きです。
道立オホーツク公園「てんとらんど」で過ごす
天都山の山道をのぼり、北道立オホーツク公園てんとらんどに到着しました。
すごく豪華なキャンプ場なのですが、自転車旅ユーザーには辛い点が2つありました。
1つ目の問題として、受付とキャンプサイトまで距離があることです。
写真は受付近くからキャンプサイトを撮影したものです。受付は頂上、サイトは丘のふもとにあるといった感覚でしょうか。一度サイトまで降りると上がってくるのが大変です。
受付には売店やシャワー、コインランドリーなどがあるので意外と向かう用事があります。汗
2つ目の問題として、圧倒的物量の車キャンパー達に取り囲まれること。
場所が場所ですから車キャンパーが中心ですし、設備が整っているので家族連れが多い印象です。自転車乗りは少し場違い感が出ますね。
周りが燻製だ!BBQだ!と盛り上がっている中、俺はカップ麺だ!ということになります(T-T)笑
これといった装備のない私の楽しみはカップ麺を食べて、お湯を沸かしてお茶を飲みながら夜空を見るくらいですが、これだけでも十分楽しいですよ。
周りのお父さん達は家族サービスで大変そう。いつか自分の子供が出来た時にこうやってお父さんやってるのかなあなんて思いながらぼーっと見てました。
北海道16日目まとめ
北海道16日目 59.40km走行(積算距離:1008.03km) / 全行程19日目(1136.06km)
斜里の町から網走へと進みました。
北海道の積算走行距離がとうとう1000㎞を突破しましたね。まだまだ旅の途中ですが1000km到達までにも色々な出来事がありましたね。きっとこれからもあるはず。
今日はキャンプ場に向かうだけだったので、網走の本格的な探索は明日からです。とりあえず山道は上ったので、明日の探索が少しは楽になってくれるといいのですが。