『北海道海岸線一周(3)道央編1 -北海道上陸!はじめての出会いと再会-』
ー前回までのあらすじ(前回は大洗港からフェリーに揺られて苫小牧港へ)
自転車で東京を発し、茨城県大洗フェリーターミナル港に到着。乗船手続きを済ませ、自転車を船の中に入れます。しばらくした後、フェリーが出港します。18時間の船旅の中で、大浴場、レストラン、船内探検など満喫します。
フェリー内では自転車乗りの方2名とも仲良くなり、一緒に食事をすることができました。乗船時とは違い、皆で雑談をしながら北海道の地を踏みます。
「またどこかで会えるかもしれませんね!」
そんな声を掛け合いながら、苫小牧港で別れました―――。
3日目続き…苫小牧港から進む
反時計回り(右回り)で走ることにした
北海道1日目(0km) / 全行程3日目(128.03km)
引き続き苫小牧港から。前回、北海道を時計回りと反時計回りどちらから回るかという問題を考えながら眠りにつきました。
その後も色々と考えて、自分は反時計回り(右回り)で北海道の海岸線一周を目指そうと思います。
北海道の海岸線を攻略地域別に色分けをしてみました。苫小牧から反時計回りということで、まずは黄色の道央海岸線を攻めていきます。
反時計回りにした理由は、寒さの点が大きかったです。オホーツク海側は冷え込む時期が早いということで先に攻略しようと考えました。フェリーで多くの人と会話をしましたが、オホーツク海側はお盆あたりから冷えるとの意見が多かったです。
旅に不慣れな私は途中でマシントラブルを起こして立ち往生してしまう可能性があります。そのためオホーツク側の攻略は余裕を持たせることにしました。
ただ、このルートを走行するとなると、釧路までは大きな街がありません。体調や自転車トラブルのないように確実に進んでいきます。
そういうわけで、まずは苫小牧港から東側を目指します。
早速噂に聞くあのコンビニが現れる
苫小牧港を出てまっすぐ進むと国道36号線にぶつかるので、右折し東を目指します。この国道沿いに苫小牧の町が栄えています。
苫小牧の街を走っていると、すぐにセイコーマートというコンビニが目に入りました。
セイコーマートは食べ物がなにかと安くて、地域の方や旅人に重宝がられると前評判は聞いていました。これからお世話になることが多そうです。
今日はフェリーの上で朝、昼食とたらふく食べているので、非常食用のおにぎりを1つだけ購入しました。そして意味もなくポイントカードを作る。笑
これからセイコーマートで購入した食べ物の写真が次々と出てくると思います。パスタが1食分100円など、本当に安いなと感じました。種類もナポリタン、カルボナーラ…って何種類もあるのでこれだけを食べ続けても飽きなさそう。
こういうお店が東京にもあればいいのになって感じます。
旅の冒頭から不調のあいつ
セイコーマートを出て、しばらく道なりに進みます。しばらくというか果てしなく。
東京から大洗フェリーターミナルに進んでいる途中で、挙動の怪しかったスマホ(P-01D)ですが、果てしない道の道しるべを探すかと起動したら挙動がおかしい。
再起動を繰り返すだけでもイライラしましたが、マップを開くとGPSのエラーがどうたらと出て使えない始末…(^^;)
ここで思い切ってスマホを使わない決断を下します。北海道まできてつまらないことでイライラしたくありません。
そこでこれ以降のルールはこのようにしようと思います。
- 基本は紙地図で進むこと
- 分からないときは人に聞くこと
北海道の紙地図として使用したのはツーリングマップル 北海道です。それとを所持しています。
一応、写真撮影機としてwi-fi式のiPadは持っていたので、最悪調べものはwi-fi環境がある場所でまとめて行うとしました。
私の場合は北海道の海岸線を一周することが目的。スマホに頼らなくてもね、海沿いに走っていればきっと苫小牧に帰ってきますから、…異世界とかに繋がっていない限り。
あとは野となれ山となれ。グッバイ、スマホ(元々そんな使ってないけど)
引き続き国道36号線そして奇妙な出会い
スマホをリュックの中に放り込み、延々と続く国道36号線を走ります。
北海道の側道は広いです。車一台走れるんじゃないの?ってくらい(ぜひ都内の道路にもご検討頂きたい)
しかし側道が広いから自転車が走りやすいかというと、それは別問題。除雪車が通ったために道路が削れていたり、そもそも整備がされていなかったりと、道によりけりといった感じ。
ただ、都内に比べると車の数が少ないので、余裕をもって走行できる道路が多いかなという印象はありました(※函館など大きな街周辺は交通量が多い)
さて、国道36号線を進むと県道259号線に繋がり、235号線に入って南下していくというのが海岸線に近い道となりそうです。
国道36号線か、県道259号線に入ったあたりのこと。果たしてここはどこかと少し迷った気持ちでいると…
「Hi!△◎□~(日本語でない)」
少し後ろの方から謎の言語で声をかけられました。
いや、どう考えても英語なのですが、ここは日本で私は自転車走行中。自分に声をかけられたのかも怪しい。
状況がのみ込めずに後ろを振り向くと外国人自転車乗りがこちらに向かって手をあげています。日本でいえば定年はすぎているだろうくらいのご老人でした。
「俺も今日新千歳からきたんだ!」
どうも彼はオーストラリア人で、各国を自転車で走り回っているそう。彼も今日から北海道編のようです。質問をしてみました。
「どこに行くつもりなの?」
並走しながら会話を続けます。
「その日その日で適当さ!!HAHAHAHAHA!!!」
うわ、テレビとかでよく見るワイルドなパターンだ(^^;)
「君はどうするんだい?」
そう聞かれたので
「海岸線を回ろうと思っているよ」
と答えると
「オッケー!私もついていこう!!」
お、おう。
スマホが壊れたあとでやけくそ感が増していたので、さらに野となれ山となれ…。笑
この会話の直後、有料道路らしき道路に全速力で突っ込もうとするなど、なかなかクレイジーな人でした。
むかわに向けて走る
そんな訳で旅の初日から仲間が増えた…のかな。知らない人についていっちゃいけませんなんて教えてくれた、遠き幼き日の両親、申し訳ない。
この人が危険かどうかは判断できないけれど、普通の生活で関わるいわゆる”普通の日本人”が厄介なパターンも多い昨今、判断基準がなんとも…なんだよね。
とりあえず現状を受け入れることにした。
北海道の道路を外国人と2人で走る。昨日までの人生では考えられなかったなあ。
この旅の経緯にも書いた通り、今回の自転車旅は動機がやけくそ感が強い。
自分の中に渦巻いていたどうしようもない気持ちを吹き飛ぶ”なにかきっかけ”を探したかった面は確実にあるんだよね。この状況を受け入れた1つにそれはある。
(そういう時って気持ちが浮つくから気をつけないとと思いつつ)
さて、お昼過ぎに北海道に降り立ったので、この日は多少でも進めたらそれでよしとしようと思っていました。
一緒に走っているオーストラリア人の人に「今日はどこまで進む?」って聞くと
「夕方になったらそこで就寝さ」
野生児だなあ…(^^;)
途中、雑貨屋さんのようなところで休憩していると干物がくるくる回っていました。外国人の人と2人で写真を撮っている姿はシュール。
この先、日高の方に向けて走るので、昆布を干しているところもみられるかもしれない。
休憩を終えて自転車を走らせようかとしていると、遠くから外国人のカップルが2人組が。
「Hallo!△□◎※~~~~~~」
互いの会話が早すぎてついていけません。
どうもこのカップルもオーストラリアの人らしく、2人で北海道を回っているとのことでした。
夕方が近かったので皆の目的は同じ。そう宿泊場所。
近くで泊まれるところを探そうという話になり、オーストラリア人3、日本人1の謎の集団が形成されました。
もう一度言いたい、知らない人についていってはいけないと教えてくれた幼き日の両親、申し訳ない。
雑貨屋さんからはみんなでわいわい話しながら進みます。
会話をしながら気づいたのは言語のなまりです。オーストラリアの英語はなまりがあるという話を聞いたことがあって、若いカップルの会話が聞き取れないのはそういう理由もあるのかなと感じました。
自分の実力不足が大半ですが、ほとんど分からなかった…。
でも老人の方はとても聞き取りやすい英語なんですよね、彼は何者だ(^^;)
そんな気づきもありましたが、実際大した会話はしませんから手ぶり身振りでオッケー。奇妙な4人組は北海道を南下し、むかわに着いたところで夕方を迎えました。
外国人3人と行動する
むかわのスーパーで夜ご飯を購入。店頭価格とレシートの価格が違うと老人ライダーが怒っていたのですが、いんくるーどたっくすです。うん、確かに分かりづらい。
むかわに来るまでに地元の方と何人かお話する機会があったのですが、「○○ってキャンプ場行こうかなって思うんですけど」っていうと、
「いや、そこまで行かなくてもそこら辺でテント張れや」とか「スーパー、コンビニ近いし○○って場所で張っていいか電話して聞いてやるよ」
夜の公園ベンチで座っているだけで警察に声をかけられる東京民は衝撃です…(^^;)
結局そのうちの1つで野宿をすることになりました。
(野宿は現地の方のご厚意による部分が大きいので、場所の掲載はしていません。もし興味がある方がいましたらご連絡下さい)
最初はキャンプ場から慣らしていくのかなあなんて考えていたけど、流れに身を任せるよりほかあるまい。
再会は突然やってくる
オーストラリア人の3人は自分の陣地を決めて手早くテントを展開。手慣れてる。
自分はお腹が減っていたので、ご飯を食べながらダラダラやります。テントを張ってこれで今日は安心かと落ち着いていると…。遠くに見たことのある自転車。
フェリーで一緒だった道の駅スタンプラリー制覇を目指している方とばったり遭遇。この広大な大地でもう一度会えるとは…!
話を聞いてみると道の駅を巡りながらむかわの街にたどり着いたようです。同じ場所でテントを張ることになりました。個人的にここで少し安心して力が抜けました。
食事等各々のことを済ませ、最初に出会った外国人の方とスタンプラリーの方と3人で雑談をしました。
外国人の方と一緒にスーパーで買ったウイスキーを3人で飲みました。オーストラリアは物価が高いから、ウイスキーが安く買える日本は羨ましいと言っていたのが印象的でした。
ちなみに3人で700mLの瓶が空になったので、結構ペースが早かった気が(^^;)
雑談のなかで、スタンプラリーの方はえりも岬の方に向かうとのことだったので、(私がついていける限り)一緒に向かうことにして就寝しました。
今日一日走っていて強く感じたのは、みんな漕ぐスピードが速い。
まとめ
北海道1日目 38.77km(積算距離:38.77km) / 全行程3日目(168.8km) 終了
『北海道海岸線一周(3)道央編1 -北海道上陸!はじめての出会いと再会-』でした。
苫小牧を発して40km弱走っただけにしては内容が濃い。
スマホが壊れ、外国人に声をかけられ、気づいたら4人で走り、最終的にはフェリーで出会った方に再会する。…うん、これは濃い。笑
半日でこれだけ色々ありましたから、この先もきっと色々あるんでしょう。楽しんでいきたいですね。
ちなみにまとめに載せている走行距離は自転車に取り付けたサイクルコンピュータで計測しています。毎日ノートに記録してはリセット、測定の繰り返しです。
走った場所と走行距離などの情報はこのまとめ欄に載せています。地名だけ出されても中々分からないですよね(^^;)
なんとなくでも、ここら辺走ったんだーと感じてもらえれば嬉しいです。